映画|レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー|Reykjavik Whale Watching Massacre

ここはアイスランドの小さな港。朝。

ホエールウォッチングのツアー客が集まってくる。日本人の中年夫婦（海外でバカにされる典型ジャパニーズキャラ。奥さんは裕木奈江）、その世話役ガイドの若い日本人女（こちらが裕木奈江さんでした。失礼！）、目つきの悪いババア3人組（ドイツ人が混じっている）、いかれぽんちのフランス人男、さすらいの旅人風の黒人男、若いおねーちゃん。といった雑多なみなさんは寒々しい港に集まり、小さな漁船に乗せてもらう。彼らはこれからクジラを見にいくのです。

海上で事故が起きて、船長さん（レザーフェイスのガンナー・ハンセン！）が大ケガをする。したら、残りのクルーはめんどうはごめんだとばかりにボートで逃げちゃう。残ったみなさんは漁船に取り残されて大弱り。と思ったら、捕鯨船が通りがかって助けてもらえる。と思ったら、キチガイ家族が出てきて、ガガーと襲われる。捕鯨船を舞台にしたゴアスラッシャー映画。

トレイラー動画

感想

UK版DVDを見ました。このタイトルとガンナー・ハンセンがキャスティングされているという点からしてですね、これは容易に想像がつくじゃないですか。『悪魔のいけにえ / The Texas Chainsaw Massacre (1974)』オマージュノリの、毒毒お笑いアリの、ゴアゴアスラッシャー IN 捕鯨船だよワーイ！みたいなもんすかと期待したのに、ぜんぜんおもしろくなかった。がっくし。あのなー。

キャラのみなさんの行動がいちいち意味不明であるとか、オチもへんだとか、さらに、スラッシャー映画としてもつまらなくって、off-screen gore（直接描写ナシの、ゴアとはいえないゴア）ばかりでショボイ。Harpoonというタイトルから想像がつくアレ、捕鯨船のさきっちょについてるデカ銛をズダーンと発射してウゲエエエエエ！というシーンもいちおうあるんだけど、見せ場のわりにはサラッと終わってしまいました。あー。

ホエールウォッチングという政治ネタをやりつつ、dumbな日本人観光客だのjerkなフランス人男だのを登場させて、人種差別ギャグをしゃべらせて、監督さん的には、ちょっとみんながびっくりするような風刺的ゴアスラッシャーをつくってみましたよイッヒッヒkickass！なんて思ってるのかもしれないけど、完全にスベッているとおもいます。中途半端だし、意味がわからない。いやほんと。まぢで。

こういう設定でやるんなら、もっと悪趣味かつ下品に責めてほしかったですよ。シーシェパードかグリーンピースの人間をとっつかまえて、クジラの肉をむりやり食わせて、最後はぐじゅぐじゅのクジラの内臓に押し込んで窒息死させるとかですね、ついでにイルカも出てきて、和歌山の太地町の漁師軍団と気狂い捕鯨家族が決闘するとかですね（理由？知りませんヨ！）。もっとハジケ飛んでくれないと感動できないです。

レザーフェイスへのオマージュであるとか、捕鯨という政治ネタをやるというような、そのチャレンジャー精神はえらいですが、完全に玉砕しているという点においてじつに珍品駄作であるので、興味のある方はぜひどうぞ。

ちょとあとから追記しました↓

ネタバレです

!!!! SPOILER ALERT !!!!
！ネタバレ注意！

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