2010/1/24 (Sun) at 8:20 pm

映画|グレイス|Grace

血をすする赤ちゃん!衝撃妊婦ホラー!ジョーダン・ラッドサマンサ・フェリスガブリエル・ローズ。監督ポール・ソレット。2009年。

グレイス / Grace DVDDVD画像

ジョーダン・ラッド演じるマデリンはおなかが大きい妊婦である。過去に流産の経験がある彼女は「こんどばかりはぜったいにげんきな赤ちゃんを産むのだ!」とがんばっており、優しい夫も協力的なんだが、不幸な事故が起きて胎児は死亡する。夫も死亡。赤ちゃんはおなかの中で死亡したんだが、深く絶望したマデリンは「それでもわたしは産むのだ」と決めて、その通りにする。信頼する助産婦(サマンサ・フェリス)の助けを得て、赤ちゃん死体を出産(狂)。彼女は1週間以上も死体をおなかにいれたままだったということです。

さて、産まれた赤ん坊は当然ながら死んでいるんだが、なにやら不思議なことが起きてそいつは動きだした!おぉおおお。ザッツ・ミラクルである。マデリンは授かった赤ちゃんをグレイス(Grace)と名づけて、だいじにだいじに育てるのであるが、そいつは血を欲しがるゾンビライクなモンスターベイビーだったのでした。ひぃ。

Grace trailer

感想

死んだ胎児を何週間もおなかに入れておけるものなのか?こんなことありえるのか?と私に聞かれてもわかりません。私はこの方面に関する知識がとても少ないのです。「妊娠検査薬の結果が "positive" だったヨ!」といわれて "Which means?" と聞き返すくらいです。こんな私ですが、ぐぐってみたらありましたよ↓

稽留流産 (けいりゅうりゅうざん) 赤ちゃんが死んでしまっているのに、子宮の中にとどまっている状態を稽留流産(けいりゅうりゅうざん)と言います。

稽留流産から引用。

というのがあるんだそうです。上のページによれば「自覚症状がない」と書いてあるんで、死んでることに気づかなくてそのまま放置するということもありえるのでしょうか(ずいぶんずさんですが)。でもきっと死体が腐ったりしてママの体もヤバいことになるんだろうと思うのですが、ホラー映画なのでそこらへんはまぁいいかと。

さて、映画ですが、ジョーダン・ラッド主演ということで楽しみに見ました。衝撃的な内容ですが、ゴアゴアは少なかったです。「血をすする赤ちゃん!」と書きましたが、そのような直接的映像はないのです。赤ちゃんが顔をあげたら口の周りが血塗れであるとか、おっぱいにかみ傷がついているというような間接的な描写です。それでもずいぶんグロイですが。

赤ちゃん俳優に「うまそうに血をすする演技をしてください」とお願いしても無理な話だと思うんでそこまでの描写はできないってことか、あるいは、意図的に抑えた描写になってるのか、そこらへんは監督さんに聞いてみないとわからないです。直接描写を避けているかわりに、ハエがぶんぶん飛んでいたり、ネコのうんちが出てきたり、きもちわるい演出はいろいろと工夫がありました。

ジョーダン・ラッドを含め、キャラのみなさんが変人ぞろいです。マデリンはヴィーガンで、彼女はAnimal Channelの動物の出産ビデオなんかをずっと眺めているのが好き、死んだ夫の母親(ガブリエル・ローズ)は母乳にこだわるhelicopter parent風、マデリンが信頼する助産婦(サマンサ・フェリス)は自然分娩にこだわりがある、という調子。

こういう極端な嗜好を実践するみなさんが出てくると、えもいわれぬ変態の匂いが漂います。変態キャラを集結させたかった監督さんの意図は私にはよくわかりませんでしたが、きっとなにか社会に対する皮肉のような意味があるのかなと。私は常々ホラー映画ってもんをお下劣ポルノグラフィだと思っているので、社会批判めいたような演出があるのを好まないので、そこらへんが少しうざいなと思いましたが、マデリンの次の台詞はなかなかおもしろいとおもいました↓

Animal Channel, l'm hooked. lt's like a vegan horror movie.

見る人間を不快にさせるという点からいうと、その意図は成功しているのでは。まったくヒデー映画ですよほんと。

映画のプロデューサーのひとりであるアダム・グリーン(『HATCHET/ハチェット』の監督)が肉屋の売り子さん役でカメオ出演しています。彼のファンはそのところもちゃんと見ましょう。

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原題: Grace
別題: Grace
Grace - Love. Undying
制作年: 2009年
制作国: アメリカ
公開日: 2009年1月16日 (アメリカ) (Sundance Film Festival)
2009年1月29日 (フランス) (Gérardmer Film Festival)
2009年2月5日 (ドイツ) (European Film Market)
2009年2月21日 (イギリス) (Glasgow Film Festival)
2009年3月14日 (アメリカ) (South by Southwest Film Festival)
2009年3月27日 (アメリカ) (AFI Dallas International Film Festival)
2009年4月3日 (アメリカ) (Phoenix International Film Festival)
2009年4月18日 (カナダ) (Calgary Underground Film Festival)
2009年4月25日 (アメリカ) (Independent Film Festival of Boston)
2009年5月1日 (アメリカ) (San Francisco International Film Festival)
2009年6月5日 (アメリカ) (Seattle International Film Festival)
2009年7月12日 (カナダ) (Fantasia International Film Festival)
2009年7月20日 (韓国) (PiFan International Film Festival)
2009年8月7日 (アメリカ) (Albuquerque International Film Festival)
2009年8月14日 (アメリカ) (limited)
2009年8月19日 (ドイツ) (Fantasy Filmfest)
2009年8月21日 (カナダ) (Toronto After Dark Film Festival)
2009年9月15日 (カナダ) (DVD)
2009年9月15日 (アメリカ) (DVD)
2009年9月26日 (フランス) (Nantes)
2009年10月3日 (スペイン) (Sitges International Fantastic Film Festival)
2009年10月23日 (イギリス) (Sheffield Horror Film Festival)
2009年10月31日 (スペイン) (San Sebastián Horror and Fantasy Film Festival)
2009年11月7日 (スペイン)
2009年11月9日 (アメリカ) (American Film Market)
2009年11月21日 (スペイン) (Fancine Fantastic Film Festival)
imdb.com: imdb.com :: Grace
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
セット制作
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞

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