2009/2/10 (Tue) at 8:47 pm

映画|アティック|The Attic

ヒキコモリ女が屋根裏で自分そっくりの女に出会ってウギャー!エリザベス・モスジェイソン・ルイストム・マロイキャサリン・メアリー・スチュワートトーマス・ジェイ・ライアンジョン・サヴェージ。監督メアリー・ランバート

アティック / The Attic DVDDVD画像

家族が新しい家に越してきたら、エリザベス・モス演じる娘のエマが「ここはきもちわるい」といいだす。彼女はゴハンも食べず、陰気顔で病人みたいになってくる。「この家がきらいだ」といいつつ「外に出るのは死んでもイヤ」という矛盾したことをいうので、家族のみなさんは困ってしまう。両親はエマを心配して世話を焼くが、彼女は自分のなかに閉じこもる。エマにはフランキーっていう兄がいる。彼は軽度の知的障害者だが、エマはフランキーとだけは仲良くしゃべる。フランキーはいっしょうけんめい妹を外に連れ出そうとするが、彼女はいつも「明日にしよう」と答える。テコでも動かない頑固ぶりなのだ。

ある日、エマは屋根裏部屋で自分とそっくりの女性のオバケに出会っておののく。ウギャーと悲鳴をあげて垂直落下。救急隊員のお世話になる。以来、ますます神経質になり、パラノイアックになり、父母には恐ろしい秘密があるんだという考えを持つようになる。ジェイソン・ルイス演じるアゴ割れイケメン顔の刑事、トレヴァーだけが彼女の味方であり、エマのいうことを信じてアシストしてくれるようになる。トレヴァーの助けを借りてファミリーの謎を解く。エマの煩悶が大きくなるにつれ、家族の空気はわるくなっていく。英語でいうところの "extremely unsettled" というかんじで、じつにまったくイヤーなムードで進行しつつ、エマの出生の秘密が明かされていく。

The Attic (2008) trailer

※感想

知的障害者の兄、フランキー役を演じたのは映画の脚本家でもあるトム・マロイで、彼は先日レビューをアプした『アルファベットキラー(エリザ・ドゥシュク主演のサスペンスもの)』の脚本家でもある。まだキャリアは少ないが、さいきんノリノリみたいだ。『アルファベットキラー』もこの映画も突き抜けたおもしろさはないけれど、ところどころよかったぶぶんがあった。今後に期待のクリエイター。

主役のエリザベス・モスは去年NBCのドラマ『Fear Itself』の中のスチュアート・ゴードンのエピソードで新人おまわりさんを演じた。あれはヨカッタ。最後はかわいそうでした。

さて、映画だが「おお、そうだったか!」というtwistが最後にあるんだけど、いつもは鈍感なこの私でさえ容易に筋書きがわかってしまったので、おそらくたくさんのひとが「こんなのスグにわかるわ!」と不満をいうのではないだろうか。また、随所で出てくる怖がらせ手法はありきたりのパターンで、鏡に映ってウギャーとかそういうのが連続するので、ホラーを見馴れているひとなら脱力するだろうと思われ。

でもおもしろい点もある。エリザベス・モスのカマトトぶった尋常ならざる大袈裟演技がよかった。セラピストに "You have a choice." といわれて、ウガーと血圧上昇し「おまえはナニサマじゃあああああああ!」と激高するところなんかよかったなぁと思うんですけど、これをいっしょに見ていた友達は「なんだかわざとらしいなあ」というようなことをいっていた。んー。エリザベス・モスのファンのひと & ありきたりな展開に文句をいわないひと向けの映画ってことですねたぶん。

ところでAtticといえば、やっぱり本家は江戸川乱歩である。アレを思いだした。宮下順子ですヨ〜。次はコレいってみた↓

映画|江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者

SPOILER ALERT!!!!!
ネタバレ!

エマとトレヴァーが調べたところによれば、彼女には産まれて12日後に死んだ双子の妹がいたと判明。ベスという。ベスはエマのあとに産まれたが、兄フランキーと同じく障害を持っていた。恐らく遺伝質なのだろう。正気を失った両親はかわいそうなベスを殺しちゃったんじゃないかって話である。この家にきてから出てくるエマそっくりの女性のオバケはベスにちがいない!

ベスのオバケはなんども出てきてエマをおののかせる。そしてフランキーをナイフで殺しちゃう。エマの供述に警察は納得しないので、ますます彼女は孤独になる。さらに彼女は屋根裏でサタンの紋章みたいなきもちわるい図案をたくさん見た。そして両親の手首にもそれと同じタトゥーを発見。みんなグルなんだ。パパはわるもんなのだとますます狂っていく。いまや信じられるのはトレヴァーのみ!

エマは両親を射殺。やってきた警察に自分がやったと白状し、そこにトレヴァーもくる。「あなただけはわかってくれるでしょおおお?」と泣きついたら、その男は「私はただの救急隊員ですヨ」といわれて唖然とする。エマはウガーと興奮し、その救急隊員に銃を向けるが、自分で自分の頭を撃つ。死亡。結局のところ、家族は全死亡した。

事件後、エマを知るセラピストが警官に説明する。「彼女の妄想だったんです。双子の妹なんていないし、トレヴァーもいない。ぜんぶ彼女がつくりあげて、自分で演じていたのです」

というオチを聞いた警官はゾゾゾとし「そんなことあるのかねぇ」と答える。隣にいた警官が「そういえばこの家で昔ひとが死んだのですヨ」という。「だからって家がひとを殺すわけないでしょ?」「んー、どうだかねえ」

ラスト。

新しい家族がこの家を見に来る。エマと同じ年頃の娘がいて「ここはなにかへんだ!」とエマとおなじようなことをいいだす。「インディアンの墓地があったとか、そういうトコじゃないの?」と不安を述べたら、不動産屋のオバちゃんは「インディアンですって?近所においしいインド料理のお店がありますわよオホホ」と商売上手なのだ。彼女はいやいやながら家の中に入る。ひとりで屋根裏にあがってみたら、トレヴァーそっくりのハンサムスーツ男とバッタリ出会う。そいつは不動産屋の人間であると名乗り「ぼくと会ったっていうのは秘密だヨ。またね〜」と爽やかに去っていく。

おしまいー。

※トレヴァーが妄想の産物だっていうのはかなり早い段階でわかっちゃったのですが、この前アレを観たばかりだから余計にわかりやすかったのかもしれません。アレってなにかというのを明かすと「そっちも同じオチか!」とわかってしまうので秘密にしときます。

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原題: The Attic
別題: El ático
Evil Twin
To pnevma sti sofita
邦題(カタカナ): 『アティック』
制作年: 2008年
制作国: アメリカ
公開日: 2007年2月8日 (ドイツ) (European Film Market)
2007年11月2日 (ドイツ) (DVD)
2008年1月15日 (アメリカ) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: The Attic
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