2008/3/19 (Wed) at 12:10 pm

映画|スピーシーズ3 禁断の種|Species III

美女エイリアンがウギャーと人を襲うお色気SFホラーの第3弾。パート2直後の物語。出演サニー・メイブリーロバート・ネッパーロビン・ダン他。監督ブラッド・ターナー。2004年。

スピーシーズ3 禁断の種 / Species III DVDDVD画像

前作パート2のラストでイブとパトリックは死亡した。政府のエイリアン研究はもうおしまい。のはずだったが、アボット博士ていう大学教授が出てきて、彼がイブから産まれた赤ちゃんを軍の車両から盗んだ。自宅に持ち帰って地下室でこっそり育て始めた。サラと名づけた。博士の狙いはサラの卵子から完璧なDNAをつくることにある。完全に健康であらゆる病気に耐性を持つ完璧なDNAを創出したいのだ。そこに、"half-breed(『雑種』)" と呼ばれる不完全種のエイリアンハイブリッドたちがやってくる。彼らは先天的にDNAに欠陥があり、免疫能力が極端に低いのですぐに死んじゃうんだが、イブの卵子があれば彼らは助かるらしくてアボットの自宅に必死顔でワーワーおしかけてくる。ノーベル賞をとるのはやっぱりたいへんだ。

※感想

前作『スピーシーズ 2』直後のお話という設定だが、プレスとローラの中年カップルは出てきませんでした。アボット博士を演じたのはロバート・ネッパー。彼は自分のクラスの研究生のディーンを誘っていっしょに研究をするんだが、このふたりが出会うところがおもしろかった。

アボットが講義するシーン。彼がいかに『完璧な種』に憧れているかがよくわかる。ナントカっていうウィルスのスライド写真を学生たちに見せ、それがいかに危険なものであるかを説明し「美しいだろー」という。そこにディーンが遅刻して現れる。ディーンはエネルギー関連の研究をしていて、"Tokamak" っていう未来型リアクターのプレゼンをやってたもんだから授業に遅れたのだ。

アボットは遅刻してきたディーンにイヤミをいう。「君の名前は?」「ディーンです」「ディーン?休暇学部のディーン?」。"dean" はもちろん彼の名前だが『学部長』っていう意味もある。その後、ウィルスの話に戻ったらこんどはディーンがヤリ返した。アボットがウィルスのことを『完璧な捕食者である』と褒めたら、ディーンがポソリといった。「完璧なんてとんでもない」。これを聞いたアボットはこわーい顔となり「なんだって?」と説明を求めた。ディーンは「ウィルスは自己繁殖できない。寄生する相手がいなければただのタンパク質でしょ」と述べた。

アボットは悔しそうであり「君にはCDC ( = Centers for Disease Control = 米国疾病予防管理センター) がお似合いだな」と述べた。CDCには、世界でたったひとつ冷凍保存されてる天然痘ウィルスがあるんだが、それは近々廃棄されることになってるそうである。アボットは上層部が下した決定に怒っており、天然痘をドードー鳥や恐竜と並ぶ絶滅種と考えていて、それを廃棄しちゃうのがかなり気に入らない。昂奮してコーヒーを投げて怒りをあらわにした。彼が急に怒りだしたので学生たちはドン引き。どうやらディーンの台詞が『かわいそうな天然痘ウィルス』を思いださせたみたいだ。

このイントロシーンはすごくいい。アボットとディーンのキャラがよくわかる。アボットはディーンに冷淡だったが、その才能は認めていた。彼なら興味を持って『完璧な種』をつくることに手を貸すと考えたのだろう。変わり者同士がコンビ結成。

てわけで、こりゃおもしろそうだと思ったんだけど、そこから先はチト微妙。新キャラのサラちゃんがいまいちだったかも。タマーにおもしろいシーンはあったが、全体的にペケである。ヒューマンドラマの路線でやられても困りますわ!ゲテモノ映画なんだからもっとバカになってくださいヨと思った。

Spoiler Alert !!!!
ネタバレ注意!!
ネタバレオッケーな方のみこの下をスクロールしてご覧下さい↓

アボット博士は軍の兵士の偽装をし、前作『スピーシーズ 2』ラストの事件現場からイブの死体を搬送する車両の運転手になりすました。イブは死んだと思われたが、重傷を負いつつ生きていた。彼女は車内で出産。イブとパトリックのあいだにできたエイリアンベイビーの誕生である。イブは出産直後に死んだ。荷台に隠れていた子供エイリアンがズボッと殺したからである。ナターシャ・ヘンストリッジの出演はここでおしまい。

アボットはベイビーを持ち逃げした。自宅地下の秘密ラボでこっそり育てた。すぐに成長して少女になった。ケーキのパッケージにあった『サラ』っていうのを彼女の名前にした。サラ少女時代のアボットはなんだか幸せそうである。サラがレッドロブスターのCMを見て「これが食べたい」というのでロブスターを買ってきてやったら、サラはカラごとバリバリ食った。なかなかおもしろい。

アボットはディーンを仲間に加えていっしょに研究を始めた。サラはすぐに成長して大人の女になった。大人になるとsexしたくなるので、彼女は夜な夜な出かけるようになった。アボットは彼女を止めない。サラは自由に外出してsex相手を探すが、なかなかいいのが見つからない。彼女は眠くなると家に帰ってくる。アボットはすでにサラの卵子を採取したので万が一彼女が帰ってこなくても研究には差し支えないということなのだったが、サラは行く場所もないのでお利口に家に帰ってくるのだ。なんだか不思議な生活様式の父娘ってかんじである。

ということをやってるあいだに、"half-breed(雑種)" のエイリアン種たちがアボットの前に現れるようになる。彼らは『スピーシーズ 2』でパトリックがあっちこっちで産ませた子エイリアンたちみたいだ。あるいはそいつらの子供も混じってるのかも。『スピーシーズ 2』のラストでベーカー博士が噴霧器シューシューで退治したはずなんだが、一部が逃げ出したんだな。"half-breed" たちは不完全なDNAゆえに病んでいる。免疫力が極端に弱くてすぐに死んじゃう。皮膚がただれて、耳がぽとりと落ち、おなかからグニョーときもちわるいのが出てきてウギャーと自滅死しちゃうのだ。彼らは自分たちが生き残るにはサラの卵子が必要と考えているんで執拗に追いかけてくるんである。

一方、政府のえらいひとはイブの赤ちゃんがどっかに逃げたことを知ったので、こちらも追いかけてくる。なんだかんだとモンスターとの闘いがあって、アボット博士は死亡。残ったディーンは親友男と政府のエラいさんと協力してやっとこさサラを殺した。"half-breed" もまとめてやっつけた。ディーンが研究している "Tokamak" のリアクターの中に突き落としたのだ。

と思ったんだが、じつはサラは生きてて、ディーンは彼女を逃がしてあげたというオチであった。逃がすだけじゃなく、サラが寂しくないように恋人もつくってやった。バイオエンジニアリングして男型のエイリアンハイブリッドをつくっていっしょに逃がした。彼らが繁殖できないように『去勢』しといたそうである。ラストはサラが恋人といっしょに手をつないで去っていく。ディーンはその後ろ姿を見守る。心温まるなー。感動したー。わけないっちゅうの!ディーンの友達があきれちゃってこう述べた↓

"We go through all that and you give her a goddamn boyfriend... ?!"

「こんだけすったもんだして、彼女に恋人をつくってやっておしまいかよ!」という台詞はそのまま映画の視聴者の台詞でもありますね。

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原題: Species III
別題: A Experiência III
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Species III
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邦題(カタカナ): 『スピーシーズ3 禁断の種』
制作年: 2004年
制作国: アメリカ
公開日: 2004年11月27日 (アメリカ)
2005年1月27日 (フランス) (Gérardmer Fantasticarts Film Festival)
2005年5月4日 (フランス)
2005年6月18日 (日本) (Tokyo)
2005年11月16日 (イタリア)
imdb.com: imdb.com :: Species III
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
キャスティング
プロダクション・デザイン
セット制作
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup

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