2013/9/27 (Fri) at 1:48 pm

映画|サイモン・キラー|Simon Killer

誠に後味の悪い陰鬱スリラー映画。地味だけどおもしろいよ。2012年サンダンスの話題作。ブラディ・コーベットマティ・ディオプリラ・サレト。監督アントニオ・カンポス。2012年。

サイモン・キラー / Simon Killer DVDDVD画像

ここはパリ。

アメリカ人のサイモンさん(ブラディ・コーベット)は大学を卒業したばかりの若いアンちゃんであるが、5年越しの恋人にフラレちまって、全面的にがびーん。もうどもならんくて、傷心旅行にやってきた。

従兄弟(Nicolas Ronchi)の家がしばらく空くっていうんで、とりあえずそこに住んでホテル代を浮かせ、あとは気の向くままの流れ旅である。

知らない土地で、新しい出会いでもあれば、気分が良くなるかなと思ったけど、ぜんぜんだめ。頭に浮かぶのは恋しいあの娘のことばかり。出るのはため息ばかり。

パソコンを開いて、未練タラタラのメールを送り、エッチなサイトを見てオナニーをしている始末である。これじゃなんのためにフランスくんだりまでやってきたのかわからない。

死に場所を探しているような顔で夜の町をうろついていたらば、ポン引きに捕まり、怪しいクラブに連れていかれ、カワイコちゃん(マティ・ディオプ)に出会った。流れ的には、ぼったくりバーに放り込まれて、身ぐるみ剥がされるのがお決まりの展開だが、この男はけっこうツイている野郎なんですよ。

てか、ツキばかりではなく、じつはもう少し深読みをすると映画的におもしろいんだが、この時点では「ツイている野郎だな」としか思えない。

そこは売春をやってる店なんだが、ぼったくりでなく、ヤクザにボコられもせず、巨デブのオバちゃんに襲われることもなく、お金を払ったらやることをやらせてもらえた。そればかりかネーチャンに気に入られて、そいつの家になだれ込み成功。ツイてるやつだなー(ツキばかりでもないんだが)。

詳しいことは映画を観てくださいよと思うが、序盤においては、おそらく観客はこの男に同情的なきもちを抱くと思うんですね。グズグズした野郎ではあるが、性格はいいし、親切だし。また、大学時代の専門はニューロサイエンスで、視覚神経の専門家なんだそうで、インテリでもある。

こんな男なら、きもちを切り替えることさえできれば、新しい恋人ができるんじゃないの。sexの嗜好が少し変態くさいのが引っかかるが、誰でもそういうのあるしね。グズグズいってないでがんばりなさいよ。と応援したくなるキャラ。ところが、お話が進むにつれ、ぜんぜん違う印象になってくる。

しばらくは娼婦の家に転がり込んで、調子良くいくんだが、あることがきっかけで具合が悪くなり、そこでホイと別のカワイコちゃん(コンスタンス・ルソー)と出会う。こちらは苦労女の娼婦とは大違いのお嬢様タイプ。この辺りからこの男の本領発揮というかですね、隠された内面がズラズラーと出てくる。人はみかけによらないもんです。びっくりするわ。

最後は冷たい氷のナイフを背中に入れられたようなきぶんになるよ。ひやっ。ぞくっ。こえー。みたいな。さりげない演出がじつに秀逸なドラマです。後味悪いよ。

トレイラー動画

Simon Killer (2012) trailer

感想

去年のサンダンス以来、色々とよい噂を聞いていたけれど、まさかこれほどガツーンと攻めてくるとは思いませんでした。いや、地味な映画なんですよ。派手なゴアゴアがあるわけでなく、自己憐憫に囚われた身勝手男の物語が淡々と進行します。最後はシュッと終わります。あれっ。ってかんじで。

でもさ、ある点に気づくと、この映画は理路整然と構築されていて、すべての演出に意味があるんだなってわかったよ。そしてあのラスト。さりげない。ほんとにさりげない。でもその心奥には意味が隠されている。これをつくったひとはスゲー頭いいと思いました。びっくりしました。

詳しい話はネタバレのほうに書きます。

DVDのオマケ

アントニオ・カンポス監督
アントニオ・カンポス / Antonio Campos 画像

DVDのオマケ↓

  • Antonio Campos and the Case of the Concious Camera
  • Behind the Scenes
  • Conversations with Moms
  • Poster Gallery
  • Trailer

この映画のDVDは英語字幕つき↓

ネタバレです

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

ネタバレを読む

画像

画像をもっと見る (26枚)

twitterのご案内

当ブログをお読みくださり、ありがとうございます。twitterやってます。ホラー映画好きな方はフォローしてくださいませ。サイトの更新や新作ホラーの情報を随時流しています↓

Facebookのご案内

ホラー映画 :: 洋画』の最近のエントリ

ホラーなブログの方はどうぞ
原題: Simon Killer
別題: Ubojica Simon
Az igazi Simon
制作年: 2012年
制作国: アメリカ/フランス
公開日: 2012年1月20日 (アメリカ) (Sundance Film Festival)
2013年4月5日 (アメリカ) (limited)
2013年4月12日 (イギリス)
2013年4月12日 (アメリカ) (internet)
imdb.com: imdb.com :: Simon Killer
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
謝辞

ホラーSHOX [呪](『ほらーしょっくすのろい』と読む)は新作ホラー映画のレビュー中心のブログです。たまに古いのやコメディ等もとりあげます。HORROR SHOX is a Japan-based web site, which is all about horror flicks.

 

すべての投稿 (1542)

CALL GIRL COMIC by DAIJU KURABAYSHIEL GIGANTE COMIC COMIC by DAIJU KURABAYSHI
HORROR SHOX - Horror Reviews, News