2013/8/18 (Sun) at 3:36 pm

映画|ウォールストリート・ダウン|Assault on Wall Street

金融危機で貧乏どんづまりの気の毒男が無差別殺人をやらかすスリラー映画。ドミニク・パーセルエリン・カープラックエドワード・ファーロングマイケル・パレジョン・ハード。別題『Bailout: The Age of Greed』。監督ウーヴェ・ボル。2013年。

ウォールストリート・ダウン / Assault on Wall Street DVDDVD画像

ここはニューヨーク。

2008年の金融危機以来、金持ちはどんどん肥え太り、貧乏人はひたすらに貧乏に落ちていく。という社会格差が問題視される中、映画の主人公、ジム・バクスフォード(ドミニク・パーセル)は貧乏ナンバーワンのどんづまり男である。

彼には病気の奥さん(エリン・カープラック)がいて、彼女のためにせっせと警備員の仕事をやっているのだが、状況は悪くなるばかり。高額な治療費を払うため、医療保険でカバーしようとしたら、「ソレ無理です。規約がどーこー」といわれ、仕方なくクレジットカードを使う。

でも彼にはまだ手があった。以前、投資ブローカーに「手堅い利回りですよ。安全ですよ」と勧められた不動産投資商品があるではないか。あれを現金にすればぜんぜん余裕。

ところが、ブローカーに問い合わせたら、元金保証というのは口先のインチキで、ぜんぶパーになったと聞かされて青くなり、さらに、その上、6万ドルの請求書がくるではないか。どうなっとんじゃ。

ジムは粘り強い男である。ブチ切れてなるものか。すべては妻のため。こんどは弁護士(エリック・ロバーツ)に相談する。すると「6万ドルの請求は退けられる。投資金額の回収についてはADA(= Assistant District Attorney)に相談せよ」とアドバイスされ、1万ドルの顧問料を請求される。

これを受けてADAに連絡するが、何度電話しても会えない。直接いってみたら「アポをとれ」の一点張りで門前払い。言い合いをしている横を本人が通り過ぎていく。「待ってくれ」と声をかけるが、相手は視線を合わせようともしない。

田んぼのあぜ道で野垂れ死にする水呑百姓を笑いながら芸者遊びにうつつを抜かす悪代官みたいである。こうなるとNYも北朝鮮も変わらないですね。銃殺されないだけましか。

ジムはしんどい警備員仕事をやりながら、一切を妻に打ち明けず、ぜんぶひとりでやっている。仕事の合間に電話をしたり、家に帰ってからはパソコンとにらめっこで、電卓を叩く。こんなことをやりながら、時間の許す限り、妻と一緒に過ごす。病院に付き添う。酒は飲まず、愚痴もいわない。

彼はすべてにおいて正規の手続きを踏んで解決しようとしているんだが、ぜんぜんだめ。払え払えの請求書が山ほどきて、しまいに家を差し押さえるといわれて焦る。投資顧問会社は倒産。債権は既に別会社に渡っている。結局のところ、1万ドル払った弁護士は役立たずとわかっただけだった。

最悪の結末がジムを襲う。妻を失い、職を失い、家を失った男は狂ってしまう。ウォールストリートの金持ち連中を標的に無差別殺人。うへー。

例によって、ウーヴェ・ボル映画の常連の方々が多数出演。エドワード・ファーロングはジムを気遣う心優しい同僚男。彼は弁護士に払うお金を貸してくれた。マイケル・パレキース・デヴィッドはジムの親友で、NYPDの警官コンビ。ジョン・ハードは貧乏人を搾取する金融会社のえらいさん。クリント・ハワードはジムに武器を売るアングラ男。マイケル・エクランドが差し押さえの役人でチョロッと出ます。ボルさんの人脈を物語る豪華なキャストですね。

トレイラー動画

Assault on Wall Street (2013) trailer

邦題『ウォールストリート・ダウン』

この映画は邦題『ウォールストリート・ダウン』にて、2014年2月にDVDが発売予定だそうです↓

感想

私、若かった頃には「足腰が立たなくなったら野垂れ死にをすればいいや」なんて思っていましたが、年を食ったら「人間、そう簡単に死なない」という点に気づいて、予定が狂っちまったなと思っています。要するにバカなのですが。

お恥ずかしい話でありますが、その昔、ヤバい人たちに追われて、逃げちゃって、九州の田舎で逼塞していたことがあります。そういうときに人生ってもんをしみじみと考えるに、もう死んでしまいたい、なんて思いましたが、情けないことに、そういうときにさえ、腹が減るんですよ。映画の中のひとみたいに「めしがノドに通らない」という状況になったことがない。とりあえず食ってから考えよう、となる。それが自分で情けないというかですね、悲しかったですねえ。

そんな嫌な過去を思い出させる前半パートだったですが、かといってそれほど社会派的に深く掘り下げている映画でもないと思う。基本的には昔の高倉健の映画と同じで、理不尽な仕打ちに耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて我慢をし続けた健さんが最後の最後に白い着物で長ドス持ってどどーんとわるい親分をブッ殺しにいく。アレの現代版みたいな。

ザ・テロリスト (2009)』と少し似ているけど、こちらの方が説教臭いし、エンディングはボルさんのダメさがにじみ出ているので、私的には『ザ・テロリスト (2009)』の方がずっと上です。

ま、しかし、このさいそんなことはどうでもいいです。これだけのキャストをズラーとそろえて、こんな映画をダダーとつくってしまうウーヴェ・ボルという男は大したもんです。彼は製作も含めると駄作良作傑作ひっくるめてドカドカと量産していて、本当にすごいヤツだなあ。

しょっちゅうクソミソにいわれて、自身と関係ない映画においてさえ「ウーヴェ・ボルがつくったのか」なんて名前を出されて、ホラーファンはいいように彼をオモチャにしているけれども、私はこのオッサンを尊敬していますよ。これからも好き勝手にやってください。ウーヴェ・ボルは希望の星だ。

US版DVD/Blu-Rayのオマケ

いつもげんきなボルさんウーヴェ・ボル / Uwe Boll 画像

主演のドミニク・パーセル
ドミニク・パーセル / Dominic Purcell 画像

すっかりボルファミリーのエドワード・ファーロング
エドワード・ファーロング / Edward Furlong 画像

おなじみのマイケル・パレ
マイケル・パレ / Michael Pare 画像

オマケはコメンタリとメイキング↓

  • Director's Commentary With Uwe Boll
  • The Making Of Assault On Wall Street
  • Trailer

US版DVD/Blu-Rayはccつきです↓

以下は以前載せたヤツの再掲です。セレブなパーティにFUJIからもらったタダTシャツを着てくるボルさん↓

ウーヴェ・ボル / Uwe Boll 画像2Fantasy Horror Awardに集まったセレブのみなさん 西村喜廣 監督も

画像

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原題: Bailout: The Age of Greed
別題: Um Homem Contra Wall Street
Assault on Wall Street
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Assalto a Wall Street
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Нападение на Уолл-стрит
邦題(カタカナ): 『ウォールストリート・ダウン』
制作年: 2013年
制作国: カナダ/アメリカ
公開日: 2013年7月30日 (アメリカ) (DVD)
2013年9月27日 (ドイツ) (Blu-ray and DVD premiere)
2013年12月21日 (日本) (Tokyo)
2014年7月7日 (イタリア) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: Bailout: The Age of Greed
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