2012/10/15 (Mon) at 8:05 am

映画|レッド・ライト|Red Lights

インチキ超能力の嘘を暴くのが得意な研究者と自称超能力者が対決するサスペンス映画。シガーニー・ウィーヴァーロバート・デ・ニーロキリアン・マーフィ。監督ロドリゴ・コルテス。2012年。

レッド・ライト / Red Lights DVDDVD画像

マーガレットさん(シガーニー・ウィーヴァー)は超常現象の研究機関『SPRC(Scientific Paranormal Research Center)』に身を置く、この道ウン十年の研究者であり、超能力やオカルトのインチキを見抜くプロである。常に懐疑的な視点で現象を分析し、嘘を暴く。いうなれば、女版の大槻博士である。

彼女が助手のトムさん(キリアン・マーフィ)に語った台詞↓

You know, there're two kinds of people out there with a special gift: the ones who really think they have some kind of power and the other guys who think we can't figure them out. They're both wrong.

世の中には2種類の人々がいる。「自分は超能力者だ」と本気で信じている人、一方は「科学では説明できないこともある」と信じている人。どちらも間違っている。

これが彼女の基本姿勢なのである。頭脳明晰であることに加え、その手法は徹底した現場主義。あるときにはオバケハウス、あるときには自称超能力者、その他諸々、様々な奇怪現象の報告を受け、助手男といっしょにせっせと現場にいく。

何時間もドライブした末、数分で嘘がわかってしまう。「あー、またか」と落胆して去る。その繰り返し。こんな毎日を繰り返していたら、もう行くのがいやになってしまいそうに思われるのだが、彼女は決してやめない。ひとつひとつ確認作業をしていくのが大切なのである。

そこにジャジャーンと登場するのが、伝説の盲目超能力者、サイモン・シルバー(ロバート・デ・ニーロ)である。彼はかつてテレビ出演し、スプーン曲げだの透視だのをやって見せ、一斉を風靡したセレブ超能力者であったが、ある事故をきっかけに姿を消した。そのサイモン・シルバーが30年ぶりに帰ってきたのである。世間は大騒ぎ。

マーガレットさんは30年前にシルバーの能力を検証したことがあるのだが、それはそれ、である。過去のデータはさておき、いまこれだけ世間の話題になっているのだから、彼女にしてみれば、絶好の機会ではないか。彼女もリングに上がって対決するのであろう。やれやれ。

と思ったら、なぜか彼女は身を引くそぶりである。日頃は自信たっぷりで自称超能力者の嘘を見抜き、ライバル研究者に講釈を垂れる彼女とは思えない逃げ腰ぶり。助手のトムさんは、その態度に腹を立て、文句をいう。

映画を観ている私らは「なにか理由があるんだな」と思うと同時に「助手男の怒りぶりもかなり常軌を逸しているから、彼の方もなにかあるんだな」と思われてくる。

怒れる男のトムさんをアシストするカワイコちゃん女子大生にエリザベス・オルセン。マーガレットさんをライバル視するイヤミなチビ研究者にトビー・ジョーンズ。サイモン・シルバーをプロモートする謎めいた美女にジョエリー・リチャードソン。といったみなさんが登場します。

Tom Buckley: You can't deny yourself forever.

(世の中のすべての事象を疑い尽くしたとしても)自分を否定することはできない。

トレイラー動画

Red Lights (2012) trailer

感想

大槻博士 vs ユリ・ゲラー、ですな。

映画を観る前、IMDbをチラ見したらば、vote数が1万越えでratingが6.2ptとかなりよいのに、BBSのほうでは「くそつまらん!」というスレッドがチラホラあり、いったいどっちなんだ、と不思議に思いつつ鑑賞しました。んで、観終わったら、意見が割れる意味がわかったような気がした。

映画の前半、シガーニー・ウィーヴァーが様々なインチキどもを晒し上げていくところは痛快であった。また、中盤から意外に展開になり、ズズガガーと盛り上げてくるあたりもなかなかであった。ロバート・デ・ニーロもよかったし。

そこらへんはいいんだが、私、シガーニー・ウィーヴァーの扱いが不満であります。彼女はサイモン・シルバーと対決をする前に消えてしまい、以後、助手のトムさんが受け継ぐんだが、彼女の消え方というのがすごくあっさりなの。ササーと消えちゃうの。テレビドラマでよくあるやつ、大人の事情でレギュラー俳優が続行できなくなったとき、不自然な脚本でフェードアウトをする、あれと似た調子に見えてしまった。

シガーニー・ウィーヴァーロバート・デ・ニーロというビッグスターが共演するということで、両者がガチに対決する場面を期待したが、そんな場面はなし。それどころかふたりが台詞を言い合うシーンもない。撮影段階で彼らは顔を合わせていないのではないか。

これは騙された感がある。だからさ、なんていうか、良い悪いを決めにくい映画だったですね。

もうひとついいたいことがあるんだが、これはモロネタバレなんで、下の方に書きます。映画をご覧になった方は読んで下さい。

DVDのオマケ

  • Cast And Crew Interviews
  • Making Of Red Lights
  • Behind The Scenes
  • International Trailer

この映画のDVDは英語字幕つき。

以下はネタバレ全開です↓

ネタバレです

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

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原題: Red Lights
別題: Luces rojas
Poder Paranormal
Psíquicos
A gyilkos médium
Orot adumim
Raudonos sviesos
Poderes ocultos
Red Lights - Mentes Poderosas
Crvena svetla
Красные огни
Medyum
Червонi вогнi
Red Lights
邦題(カタカナ): 『レッド・ライト』
制作年: 2012年
制作国: スペイン/アメリカ
公開日: 2012年1月20日 (アメリカ) (Sundance Film Festival)
2012年3月2日 (スペイン)
2012年6月15日 (イギリス)
2012年7月13日 (アメリカ) (limited)
2012年7月19日 (ロシア)
2012年8月9日 (ドイツ)
2012年8月10日 (カナダ) (Toronto)
2012年8月23日 (香港)
2012年8月23日 (韓国)
2012年10月27日 (日本) (Tokyo International Film Festival)
2012年11月8日 (イタリア)
2013年2月15日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Red Lights
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
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  • 超能力の正体は? - 笑う社会人の生活

    17日のことですが、映画「レッド・ライト」を鑑賞しました。科学者のマーガレットとトムは超常現象の科学的解明をしている研究をしていたそんなある日、30年前に引退したはずの超能力者サイモンが復帰するのだが・・・超能力の謎を解明するミステリ要素をありながら...

    2013/3/8, 8:00 PM

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