2012/9/14 (Fri) at 3:58 pm

映画|No Reason

チンコ縦切りゴアゴア痛苦陶酔超絶舌禍皮膚炸裂チシブキ盛大苦しめ苦しめ痛いか痛いかのホラー映画。Irene Holzfurtnerマティーアス・エンゲル。監督オラフ・イッテンバッハ。2010年。ドイツ。

No Reason DVDDVD画像

幸せ3人家族のホームビデオが出る。パパ + ママ + 幼い娘。パパとママは娘がかわいくてたまらない。

ところ変わって、どっかの倉庫。全裸の狂女が登場(前段の幸せ家族とは別人)。銃を持って、わめき狂って、男を射殺。んで、自分も自殺。

救急隊員がきて、心拍停止の女を蘇生させようとする。死にゆく女の脳裏に神様(?)の声が聞こえる。「救済されたいのなら苦行せよ」みたいなことをいわれる。

映画を観てる私らには、なにがなんだかさっぱりわからない。

でも映画は続く。

さっきの女がまた出てくる。彼女はソファで目が覚めたところ。こんどは狂女でなく、普通の奥様風である。夫と小さな坊やもいる。てわけで、これはたぶん時間がグルッと戻っているんだな。死にゆく女の脳裏に浮かんだフラッシュバックみたいなものかな。とわかってくる。

女の夫は優しげな男である。「出張にいってくるね。あとは頼むよ」つって出ていく。女は「ご近所に挨拶するのがめんどいわ」という。この夫婦は近々引っ越しを予定しているらしい。

夫が出ていくと、女はよっこらしょうと立ち上がる。坊やの面倒をみて、家事に取りかかる。普通の主婦みたい。チャイムが何度も鳴る。配達男や近所のひとやらがくるんだが、どいつもこいつも嫌な連中で、彼女は辟易する。

彼女はご近所さんから冷笑的な言葉ばかりを浴びせられるのだが、それは彼女のせいなのか、あるいは、単にいぢめられているだけなのか、映画を観てる私らには判然としない。彼女はきぶんが悪くなるが、もうすぐ友達がくるんで、坊やをお隣のオバちゃんに預けて買い物にでかける。

んで、家に帰ってきたら、オバちゃんと坊やが行方不明である。あら、たいへん!と思ったら、ドアの下から封筒が差し込まれ、中にはいぢわるな文面のポエムと夫の浮気写真があった。夫と抱き合っているのは、さきほど顔を見せたご近所さんのひとりである。

女は強烈な怒りを覚えるが、こんなときこそ理性的にならねば、と自分に言い聞かせ、まずは気を落ち着かせるために、お風呂に入ろうと決める(この行動はちょっとへんだと思うが)。

バスタブに入ったらうたたねするように意識が薄らぐ。次の瞬間、ビューン。あっちの世界へ。

そこは『ようこそ地獄のSM拷問ランド - 変態さーん、いらっしゃーい』というような場所であった。

アクションスタート!

そこらじゅう血塗れで、損壊死体がゴロゴロ。ウゲェエエエエ。な、なんすか、これは!とパニクる彼女の前に、サディストキングの覆面男がジャンーンと登場する。

男は彼女の目前で、様々な拷問をやって見せる。拷問されているのはご近所さんやら友達やら。デカハサミでチンコを縦切り。ナスを切るみたいに開いたら、根元からざっくりカット。血飛沫がビュー!ギョエエエエエエエ。

他にもたくさんある。眼球をカミソリで削ぐとか、顔の皮膚がめくれて頭蓋が出てくるまでメッタ打ちするとか。人間の神経が感じ得る痛みを全方位から責め立てるような、とでもいえばいいのであろうか。プロの手にかかると、気絶したり麻痺したりという逃げ場は与えられないんですな。

彼女自身も片方のめんたまをくりぬかれる。当然ながら、彼女は恐怖におそれおののくのであるが、勇気を出して坊やを捜す。男に許しを請い、坊やを返してください、とお願いするが、許してもらえない。

男は拷問の合間に彼女に難解な本を読ませ、謎めいた質問をする。『色』がどうだとか、小難しい話をうだうだとするのであるが、どうやらこいつは彼女の分身ってことらしいです。この女はこんなヒデー目に遭わなきゃいけないようなことを過去にやらかしたんでしょうか。

最後に、あー、そうだったんですか、というtwistがあります。

トレイラー動画

No Reason (2010) trailer

感想

ゴアゴアが見てーんだよ、というひと向け。

政治の世界では、縦割り行政の弊害がしばしば取り沙汰されますが、この映画は縦割りチンコであります。あー、びっくりした。オラフ・イッテンバッハのファンは観よう!

一般的な話、ホラー映画のゴア描写は人間の肉体を『モノ扱い』するところがおっかないですよね。腕をダイコンみたいにチョン切ったり、鉛筆を折るみたいに指をポキッとかさ。『切り株』という言葉はこの『モノ扱い』という質感をうまく言い表しています。人間から人間を取り去ってしまうと肉しか残らない、そいつが泣こうがわめこうがキラーの耳には届かない。という状況は痛みを与えるのみならず、恥辱に追い込み、抵抗心を萎えさせる効果もある。

ところが、私、思うに、『No Reason (2010)』におけるオラフ・イッテンバッハのゴア描写は人間を確かに人間として取り扱っているのではないかと感じられました。

チンコカットされる男は泣きわめいていましたが、後の方で出てくる人々は一様に陶酔の表情で痛みを甘受していたように見え、痛い痛いを通り過ぎると、未知の麻薬的な脳内物質が分泌されてこうなっちまうのかな、なんて思えてくる。

強烈な痛みを負わせる、痛みを持続させる、気絶させない、麻痺させない、1秒でも死を遅らせる、常に痛い、とにかく痛い、気絶できない、逃げられない、やめてくださいいいいい。でもやめないで。みたいな。人間を単純に『モノ扱い』するだけでは、このような絶妙のピンポイントは得られないのではないか、と思ったんですよ。常人には理解し難い境地であります。

並の変態ゴアにおさまらない、オラフ・イッテンバッハのこだわりが伝わってきます。ただものではない!

謎の覆面サディスト男は『ヘルレイザー』の魔導士風なんだが、あっちでは「箱を開けちゃったから」という明確なきっかけがあったでしょう?この映画では、なぜ彼女がそういう目に遭わなくちゃいけないのか、ぜんぜんわからないです。最後になるとわかるんですが。ちなみに冒頭で出てきた幸せホームビデオとの関連もラストで明かされます。

そこにいたるサスペンスの部分において残尿感があるなあ、脱力オチだなあ、という気がするものの、そんなことはまぁいいか、と思わせてくれるゴアゴア映画でした。ぱちぱちぱち。

私、瑣末な点なのですが、ひとつ合点がいかないことがあるのです。これはネタバレの方に書きます。もしわかるひとがいたら教えて下さい。

DVDのオマケ

US版DVDのオマケはこれだけ↓

  • Original Trailer (02:12)
  • Behind The Scenes (07:45)

オラフ・イッテンバッハ 画像

メイキングはなかなか興味深いんだが、英語の字幕がついてなくて残念。監督がなにをしゃべってるのかを聞きたかったのになあ。映画本編は英語字幕ついています。いちおう英語でも希望を書いておきます。

The film was good but I'm quite disappointed because BTS has no English subtitle. I want to hear what the director talks about. I hope they'll consider it in next time.

メイキングを見たら、特殊メイクだけでなくライティングとか映像処理でうまいことつくってあるんだなあって思いました。こんな風に撮影をしているの↓

オラフ・イッテンバッハ 画像

これが映画だと暗くてグログロの雰囲気たっぷりのセットでやってるように見えるからすごいですね。

ところでこちらの情報によれば↓

ドイツ版DVD/Blu-Rayの中には20分カットされているEditionがあるそうな。「買うならUS版にしなさいよ」と書かれてある。私が持ってるのもUS版です。ドイツ版が本当にそうなのか私にはわかりませんが、これから買う方はご注意を。US版DVD↓

以下はネタバレです。ネタバレオッケーの方のみスクロールして下さい。

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原題: No Reason
別題: No Reason
制作年: 2010年
制作国: ドイツ
公開日: 2010年3月20日 (ドイツ) (Splatterday Night Fever)
imdb.com: imdb.com :: No Reason
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
プロダクション・デザイン
Makeup

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