2011/3/2 (Wed) at 6:46 pm

映画|ウェス・クレイヴンズ ザ・リッパー|My Soul to Take

16年前に死んだシリアルキラーが復活して、みんなをブッ殺すホラー映画。マックス・シエリオットジョン・マガロエミリー・ミード。監督ウェス・クレイヴン。2010年。

ウェス・クレイヴンズ ザ・リッパー / My Soul to Take DVDDVD画像

プロローグ。

『リヴァートン・リッパー』と呼ばれるシリアルキラー(ラウル・エスパーザ)が狂って、暴れて、ついにお縄になる。

キラーはエイブル・プレンコフという30代の男で、表面上は平凡かつ善良な夫であった。愛する妻と娘がいて、奥さんは次の赤ちゃんを妊娠中。てことだったんだが、この男はじつは多重人格の精神病者で、しょっちゅう記憶がブッ飛んでは、だれかを殺してしまうのであった。

彼は突入してきたポリス(フランク・グリロ)に撃たれて重傷。警官は犯人の娘である少女を救ったが、妊娠中の奥さんは死亡した。

意識を失ったキラーはストレッチャーにくくられ、救急車に乗せられた。が、途中で暴れだし、森に逃げた。その後、死体は発見されなかったが、その傷の度合いからして、この日に死んだということになった。

※このプロローグは10分程度ですが、会話のなかにいろんな伏線が張られています。これからご覧になる方は、この短いパートをよく注意して観ておくといいですよ。救急隊員と刑事の会話。また、犯人が搬送される予定だった病院の会話。等々。

16年後。

深夜。キラーが死んだ場所。爆発炎上した救急車の残骸がいまもある。

地元の悪ガキどもがよからぬパーティをやっている。彼らのうちの7人は『リヴァートン・セヴン』と呼ばれている。それはなにかというと、16年前にリヴァートン・リッパーが死亡した(とされている)その日に産まれた者たちである。だから、みんな16歳で、誕生日が同じ。

何の因果か知らないが、シリアルキラーが死んだ日と誕生日が重なった彼らは、それを特別なものと考えており、もしかしてリヴァートン・リッパーはまだ生きてて、そのうち復活してくるんではないか、彼が死んだとされる日に産まれたおれたちは、なにかの線でつながっているのではないか、なんていうんだが、しかしソレはお遊びパーティの余興である。

まさかほんとにキラーが出てくるわけがないとだれもが思っていたのに、そこに、あれだ、ほんとにキラーがジャジャーンと出てきて、7人を順番に殺していく。キラーが戻ってきたのか、あるいは、7人のうちのだれかにキラーの魂が乗り移って殺人をやってるのかという説も浮上する。いったいだれが犯人なのでしょうか。

『リヴァートン・セヴン』のみなさん↓

この7名に加え、ファング(キバですな)と呼ばれるネーチャンも登場します。こちらはスケバンです。トイレでタバコを吸って、子分の女子たちを相手にいばっているんだが、かわいい顔してます。エミリー・ミードが演じています。後半になると、この女と上の7人のだれかとの意外な関係が明かされます。

バグくんのママにジェシカ・ヘクト。校長先生にデニス・ボウトシカリス。といったみなさんが登場します。

トレイラー動画

My Soul to Take (2010) trailer

感想

最初はよかった。登場するキャラのみなさんは、特に意外性はないんだが、いいなと思った。いぢめっこといぢめられっこがカワイコちゃんを巡って三角関係で、さらに、別のカワイコちゃんはいぢめられっこを好きなんだが相手にされず、さらに、別の女、スケバンネーチャンもいて、そいつはなぜか、ふたりの男に惚れられているカワイコちゃんに「おまえはアイツと付き合え」とへんな命令をしたりするのです。

文章で書くと長ったらしいが、映像だと彼らの立ち位置がパパッとわかるの。この流れる演出/台詞回しはさすがというかんじがした。私のようなオッサンは、若いネーチャンが3人以上出てくると、ネーチャンとネーチャンを区別をするのが困難になり、しばしば物語についていけなくなるという悲しい欠陥があるんだが、その状態に陥ることなくササーとわかったので、えらいもんだとおもった。

ところが、キラーが殺しをやりはじめたら、急につまらなくなってしまった。平坦にホイホイと殺されていくだけなんだもんなあ。殺し方も平坦だしなあ。いぢめられっこが好きな女の子を助けるためにジタバタするとか、そういうのぜんぜんなくて、すぐに殺されていってしまうの。

後半になると、いくつかの新事実が明かされて「そうだったのかー」というtwist多段オチが用意されているんだが、それがじつにまわりくどくて、わかりにくかった。謎解き要素ってのは、それがおもしろいものだと興味深く思えるけれど、つまらないと「まぁどうでもいいや」という気分になってしまうものだが、コレの場合は後者であるように感じられた。

いろんな疑問が残って、じつにスカッとしない。

いぢめっこのブランドンは校長の娘さんを妊娠させちゃったそうだが、ソレはなにか伏線になるのかと思ったら、なにもないではないか(ですよね)。あれはなんだったのだろうか?

プロローグで出てきたサイコロジストのオッサンは、キラーの背景について詳しく知っているような口ぶりであったが、その後、彼に関する情報等はぜんぜん出てこないのはへんじゃないかな。あのオッサンはなんのために出てきたのだろう?

DVDのExtraには、削除シーンやらAlternate OpeningやらAlternate Endingやらがたくさん入っている。それらを観ると、いくつかの謎が解けると同時に、新たな疑問が生じてますます混乱する。

カラスやコンドルをメタファの道具に使っているとか、アレクスくんがバグくんに述べた台詞「いぢめられてこわいときには、こわくないフリをすればいいんだよ」という人生アドバイスが、最後のオチに戻ってくるとかですね、おもしろいなと思える部分はあったのだが、総じて、残念賞。

この映画は、IMDbのユーザーレビューでおそろしく酷評されていて「ほんとにウェス・クレイヴンがこれをつくったのであるか?」等々、さんざんないわれようで、私は「いわれてるほどわるくはなかったヨ」といいたかったんだが、これは同意せざるをえない。

以下は私の邪推かもしれないが、監督さんは編集段階でアレコレといぢくり回し、あーでもない、こーでもない、とやりすぎて、その結果、ピンボケ映画になっちゃったのではないだろうか。

IMDbのユーザーレビューにあったコレ↓

My Money To Take

うまいこといいますなあ。こんなにサラッと1行でまとめられてしまうと、だらだら書いてるおれってなんなの?と思えてきます。いつも長文ですません。

DVDのExtra

オマケいろいろあります↓

  • Alternate Opening
  • Alternate Endings
  • Deleted And Extended Scenes
    • Old Puppet Ceremony
    • Jay's House
    • Brandon On Phone In Woods
    • Fang Plays Guitar
    • Revelations
  • Feature Commentary With Director Wes Craven and Cast Members Max Thieriot, John Magaro and Emily Meade.

『Deleted And Extended Scenes』の最後のヤツ『Revelations』はかなり長い(14分程度)。LeahがBugに過去の真相を語る場面とか、PenelopeがBugに送ったメモ手紙の内容が明かされる。この中には新情報がたくさんあって「そうだったのか!」と思うと同時に、新たな疑問が出てくる。これについて書き出すとえらく長文になりそうで、ちょっと書く気がしないので、詳しくはDVDを見てください。

Alternate Openingはひとつ、Alternate Endingsはふたつ入っています。

Alternate Endingのひとつは、みんなをブッ殺した○○さんが、次の台詞をいって終わるというものでした↓

Sooner or later every teenager has to ask the question, "How did I end up here?" I ended up with the Devil as a roommate, but I won't be fighting him alone. He might try and get out 24-7, but we'll be watching him 25-8.

もうひとつはこういうやつ↓

Bug, Alex, Jeromeの3人が山道を歩いている。「友達なら助け合わなくっちゃ」「だよネ」とかいってたら、後ろから車がくる。車はスピードを落とさず、そのままAlexとJeromeを突き抜けて走っていく。そこに死んだはずのJayも出てくる。んで次の台詞↓

Bug: Just remember what Oscar Wilde said...
Alex: What and who the fuck is Oscar Wilde Said?
Bug: "Friends stab you in the front."

彼らの前をふたりの女子が歩いていて、こちらはBrittanyとPenelopeらしい。

Bug以外のみんながひとりづつすぅーと消えていく。彼らはオバケになったらしい。Bugを好きだったPenelopeも「See ya, Bug」といって消えていく。おしまい。というオチでした。

Memorable Quotes

girl: Get away from me.

Riverton Ripper: I'll get them all next time.

Frank Paterson: He said he'd get them all next time. What do you think he meant?
paramedic: Maybe he was talking about his other personalities. My family is from Haiti. And down there they don't say that someone like him has multiple personalities.
Frank Paterson: What do they say he has?
paramedic: Multiple souls.
Frank Paterson: What's the difference?
paramedic: Personalities die when the patient dies. Souls live on. It's all just superstition, I suppose.

Brandon: A blowjob would do.
Brittany: How about I have my dog bite it off and bury it in my backyard?
Brandon: How big is your backyard?

Alex: Bug, that was amazing. Oh, my God, that suit was genius. I felt like Mothra.

Fang: Maybe Penelope needs a 10.
Bug, Alex: A ten?
Fang: What's her story, anyway?
Brittany: She's obsessed with Bug. Girls find him attractive.
Fang: Do you?
Brittany: What?
Fang: Find Bug attractive?
Brittany: No, of course not.
Alex: Sorry.
Fang: He's a lunatic, Brittany. A brain-bomb waiting to go off. His only real friend is Dunkelman, and Dunkelman just uses him as his monkey. He's been in and out institutions half his life. Bug has killed people.
Alex: Killed people?
Bug: Monkey?
Fang: Wake up and smell the Starbucks.
Brittany: You're right. He's pathetic.
Fang: Brandon's the one for you, Brit. He's a diamond. In the rough, I'll admit but a diamond just the same. By comparison, Bug is lump of coal. Trust me on this. Okay?
Brittany: Okay, Fang.
Fang: Good girl.

Alex: You're a condor. You eat death for breakfast. Remember that.

Penelope: If things get too hot, just turn on the prayer-conditioning.

Killer: Think hotter.
Brandon: Miami?
Killer: Try hell!

Killer: Fuck your fucking unborn child. Now, where did I leave your bitch?

Leah (Fang): I don't give gifts just to give them, May.

Bug: Why?!
Leah (Fang): Why? I will tell you why, maggot. From the moment you were born everything went to shit for me! You were the miracle baby, and I was the painful reminder! You got to live in this dream and I got stuck in a fucking nightmare! I am sick to death of your innocence! It is an insult to me!
Bug: Why am I innocent?
Leah (Fang): You're so clueless, it's stunning!
Bug: Tell me.
Leah (Fang): Do you know who your father was?
Bug: May said that he loved us very much.
Leah (Fang): But who was he?
Bug: I don't know. He died in a car crash.
Leah (Fang): On the way to the hospital to be with May when she was having you, right?
Bug: Yeah.
What a sad, yet beautiful story. Have you ever asked yourself why May doesn't ever talk about him? Or why there isn't a single fucking picture of him around the house?
Bug: Maybe it's too painful.
Leah (Fang): Do you know who Abel Plenkov was?
Bug: The Riverton Ripper?
Leah (Fang): Besides that?
Bug: No.
Leah (Fang): Take a look in the mirror, Bug.

Bug: I'm going to give that fucker a 10.
Leah (Fang): Make it a 20.

Alex: You've watched one too many Law and Order reruns.

Alex: Condor?
Bug: Crow.
Alex: It's alright, Bug. It feels great. Feels fucking great.
Bug: Fly now. I know you're up there. And I know we're down here.

Bug: I'm the condor. The keeper of the souls. I eat death for breakfast. I live in a house of blood, and I accept that. That's all a man can do.

Bug: I was ready to be arrested that night. I wasn't ready for what happened instead. Leah had told them everything, and I was celebrated as a hero. Alex Dunkelman killed his stepfather, a cop, a mother and five of the Riverton Seven. And I alone had stopped him from killing more. I didn't feel like a hero at all. But if it makes Riverton feel safe at night, I'll fake that I'm their hero. And I'll fake it good. Alex wouldn't have it any other way.

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邦題(カタカナ): 『ウェス・クレイヴンズ ザ・リッパー』
制作年: 2010年
制作国: アメリカ
公開日: 2010年10月7日 (ロシア)
2010年10月8日 (カナダ)
2010年10月8日 (アメリカ)
2011年2月3日 (ドイツ)
2011年5月25日 (イタリア) (DVD)
2011年6月10日 (スペイン)
2011年8月3日 (日本) (DVD)
2012年6月7日 (フランス) (Champs-Elysées Film Festival)
2012年8月1日 (フランス)
imdb.com: imdb.com :: My Soul to Take
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
セット制作
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