映画|ザ・キャニオン|The Canyon

幸せイッパイの新婚カップル（イヴォンヌ・ストラホフスキーとエリオン・ベイリー）がおきらく冒険旅行を求めてグランドキャニオンにやってきた。ところがいざとなったら許可証をもらえなくて残念！と思ったら、ウィル・パットン演じる冒険オヤジが「わしにまかせときんしゃい」と寄ってくる。まるでヨッパライのホームレスみたいなオッサンは「わしゃここらへんのことは知り尽くしておる。許可証？オッケーオッケーノープロブレム」というお調子もんであり、ピューマやグリズリーと闘ったことがあるとかなんとか子供みたいな自慢話をする。じつにインチキくさいのだが、ふたりは迷った末に彼にガイドをお願いすることにした。

馬に乗って荒野を進みます。西部劇の時代にタイムスリップしたような大自然におおぉおおと感動するカップル。ここまできてみるとオッサンは見ためほどインチキではなかったという点がわかったのでふたりは安心する。自慢話が少々うるさいけれども、機を見てカップルをふたりきりにさせてあげるという気配りも心得ており、なかなかの名ガイドぶりなのであった。

これはすごいなー、きてよかったなー、ありがとう！と喜んでいたまではよかったが、不意の事故でオッサンが倒れちゃう。サバイバルに不慣れなカップルは食料も水もなしで大荒野に孤立させられる。彼らが持つのは電波が通じないケータイとチューインガムだけ。さーてどうするんでしょうか。ガラガラヘビ、オオカミのみなさんも共演します。

※感想

アメリカ人の新婚カップルほど受難に満ちた人種はありません。ハワイに行けばシリアルキラーに襲われるし、中国にいけば死霊の生け贄にされる。「無難な国内旅行にしとこうよ」とグランドキャニオンにいけば、荒野でサバイバルをやらされるわけです。家でホラー映画見てるのが一番安全です。なんてことを考えていたらば、ラスト近くで絶望ムードのふたりが「ハワイにすりゃよかったね」とかいってました。

これはホラー映画でなくてサバイバルを主体にしたサスペンス映画で、シリアルキラーやオバケは出てきません。でもAutonomous FXが特殊メイクをやってるのでどんなもんかなと注目しました。ホラーじゃないのでイテテなシーンはチョッピリですが、数少ない殺傷シーンはなかなかリアルでした。ガラガラヘビに襲われるシーンでは、ヘビがほっぺに噛みついていましたよ。Autonomous FXのウェブサイトにいくと彼らのポートフォリオが見れます。なかなかおもしろい。

それはよかったんですが、全体としてみると、どうかな、微妙。途中までよかったんだけど、後半盛り下がったように思われました。ラストシーンでちょっとしたtwistがありましたが、いまいちグッときませんでした。ということはあるけど、主演のイヴォンヌ・ストラホフスキーはNBCのChuckでおなじみの人気女優です。彼女のファンならとりあえず見ないと！

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