映画|ファームハウス|Farmhouse

「わたしら人生に疲れました」という悲しみの夫婦が家を捨てる。彼らは「どっか遠くで人生をやり直すのだ」と決め、お隣さんに挨拶をして旅に出た。彼らが不幸顔なのは息子をなくしたせいである。ドライブしてたら、夫が居眠り運転したせいでだーんと路肩にぶつかって車が壊れる。どこまでもツイてないふたりが不幸オーラむんむんで歩いていったら、ワイン農場があった。親切夫婦が出てきておいしいワインとディナーをくれた。不幸夫婦がぶつかったのは電話ボックスで、そのせいでそこんちの電話もつながらず、そしてここはワイン農場以外はなーんにもない平野のド真ん中だったので、泊めてもらうしかなかった。親切夫婦はとても親切にもてなしてくれたもんで、知らない人に優しくしてもらった不幸夫婦は癒された。「明日もがんばろうね」なんて励まし合う。「車が壊れてこのワイン農場に導かれたのはラッキーだったのかも」なんていう台詞はなかったが、こういうときは信心深いきもちになるかもしれないです。でもまぁなんちゅうか、これはホラー映画なので、そこはもうえらいところだったわけですね。拷問です拷問。

※感想

不幸夫婦がキチガイ夫婦に捕まる。後半はえんえんと拷問風景が続く。という単純ホラーかと思ったら、意外にも上下左右の展開があるのですね。逃げたり捕まったりハラハラです。といっても、ぬるま湯サスペンスということもなく、殺傷シーンは今風ゴア表現です。めんたまくりぬき。ダイコンオロシで膝頭をぐりぐり。てな具合でホラーボーイも納得です。と思ったら、ラストにきたらば、なんすかコレの脱力オチ（と私には思えた）でした。ああいうラストではなくて、単純なヤッタレヤッタレ直球拷問ホラーの方が私は好きなんですが。どうなんでしょうか。途中までおもしろかったのに！

親切夫婦の名前はSamaelとLilithという。さらに農場にいた耳が聞こえない青年はAlal。オカルトものホラー映画をよく見る人なら、この3人の名前を聞いただけで逃げ出したくなるわけですが、この夫婦はそんな映画を見たことがなかったんですね。

映画の最初と最後に不幸夫婦の妻スカーレットの幼少時のシーンがありますが、これを演じていたのは『ヒーローズ』のモリィ役のアデア・ティシュラーちゃんでした。相変わらずのモンスター子役ぶり。大人びた演技がさすがです。

ネタバレです

!!!! SPOILER ALERT !!!!
！ネタバレ注意！

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