2009/12/25 (Fri) at 7:26 pm

映画|トーメンテッド|Tormented

ハイスクールを舞台にしたいぢめられっこ復讐ホラースラッシャー from UK!いぢめたやつは許さない!打ち首ごくもんだ!タペンス・ミドルトンアレックス・ペティファーオリー・アレクサンデル。監督ジョン・ライト。2009年。

トーメンテッド / Tormented DVDDVD画像

孤独なグズデブ少年のダレン・ムレッドは不良グループの格好の標的となり、毎日spazだのキモいだのと小突き回されオモチャにされて自殺した。かわいそうです。映画は彼の葬儀のシーンから始まる。Head Girl(生徒会長みたいなもん)のカワイコちゃん優等生(タペンス・ミドルトン)が感動的なお別れの言葉を述べるが、じつはそんなのだれも聞いてない。生徒たちは「授業が休みでラッキー」くらいにしか思ってないのだが、それくらいダレンくんには友達がいなかったってことだが、と思ったら、ひとりだけいた。「ばっかやろおおおおお!きれいごといってんじゃねーよ!おめーらがダレンを殺したようなもんじゃねーーーーーか!!」と怒る若者が1名。彼は即刻つまみ出されたが、教師からもムシケラ扱いされているこのギーク少年(オリー・アレクサンデル)だけがダレンの理解者だったというわけです。

さて、葬儀が終わると、不良いぢめっこチームは「いっちょうパーティで盛りあがろうぜ」となるが、この中のひとりがさっきお別れスピーチをしたカワイコちゃん優等生をパーティに誘う。彼女ははまじめなのでそんなの行ったことないんだが、こわごわついていく。不良少年と優等生がくっつくというのはよくあるパターンです。お互いにないものを求め合うってことでしょうか。そうこうやってるうちに、ダレンくんをいぢめた連中があの手この手でスラッシャー殺戮されていく。カワイコちゃんも巻き込まれる!

Tormented trailer

※感想

この映画はテンポがいいです。生徒たちの親は一切登場しません。この種のパターンだと、不良の親は大企業の重役で子供に金を渡すだけであるとか、あるいはのんだくれのダメ夫婦であるとか、いかにもソレ系の演出がありそうですがそういうの一切なし。テンポを重視して余計な人間関係はカットという方針なんだと思いますが、これは好感持てます。サクサク感がいいよね。

ところでジャジャーンと復活したダレンはオバケなんでしょうか。見ためはゾンビのようだし、人間と格闘するんでゾンビ的なものかなという気もしますが、常に神出鬼没で消えたり現れたりします。だからオバケなんですかね。おもしろかったのは、ぜんそく持ちの彼はインへイラーがないと弱くなってしまうという点です。もう死んでるんだからそんなの必要なさそうなのに!

以下ちょっとネタバレ含む。

ホラーですがお笑い要素がふんだんにあり、ギャグのセンスもなかなかでした。たとえばこのシーン。不良男子2名がオタク少年のジェイソン・バンクスを呼び出すところ。そばにいた子供に「オイ、小僧。Head Girlがジェイソン・バンクスを呼んでるっていってこい」と使いを頼むとこの子供は「じぶんでいえば?」と突き放す。勇気ある子供です。「ごちゃごちゃいってねーで、ヤレっちゅうの!」と脅すわけですが、その子供はしょうがなくパシリをやらされるんだけど、そのあとの不良コンビの台詞が笑えます。「なんじゃあれは。さいきんのチビはなっとらんのう」と嘆く姿はオヤジのようです。「学校の教育が悪いんだろう」と相手は慰めるようにいいます。ふたりの不良は「うむ」といったきり黙ります。なんか笑えるー。てな調子のギャグラインがたくさんありました。

Hey kid, go tell Swanny that the Head wants to see Jason Banks.
Tell her yourself!
Oi, you cheeky little prick, do as you're told!
Kids these days! No fucking respect.
I blame the schools.
Hmm.
Hmm.

学園ものホラーコメディってことで、この前見た『ジェニファーズ・ボディ (Jennifer's Body) 』と印象がダブりますが、あっちと比べてしまうと私的には評価落ちますが、まぁセーフです。

おもしろかったですが、いくつか残念なところもあります。後半、不良グループがどんな陰湿いぢめをやったのかが暴露されて、それを見たカワイコちゃんががびーん!というシーンがあるんだけど、彼女は自分のカレシを信じていたんだが、そいつも喜んでいぢめに参加してたから傷ついた。という流れになるんだけど、この男はjerk男のチンピラだと思うんだけど(でしょ?)、なんだかヒロインの女の子はどっちつかずというか優柔不断で、最後には彼を信じるようになるみたいな演出があったけど、あれはすっきりしないなと。jerk男はjerkに死ねよと思いました。ハハハと笑ってみるべき映画なのでそんなところにこだわるのはへんかもしれませんが。。。

あとカーセックスしてるところをガオーと襲われるところがあったけど、次のシーンではおねーちゃんは普通に服を着てるんですよね。ホラーの女優はハダカで絶叫しろっちゅうの。と思いました。そのあとおねーちゃんは「ほんとはあんたを好きだった。おねがいゆるしてタスケテ」というお調子キャラなんだけど、それならなおさらハダカでやらないといけないのではないかしらん。

褒めたり文句いったり忙しいですが、全体的にもっとホラーなゲロゲロ感を高めて、不快指数を上げてほしかったという不満があるわけですが、だっていぢめでしょ?もっとこう「こりゃヒデー!」という不快描写をホラーファンなら欲しがるところではないか。でもそこらへんマイルドです。といっても殺されるシーンの描写は今風ホラーになってるので見て損した気にはならないけど、もっともっとネチネチにやってほしかった!

これはたぶんキャスティングされているアンちゃんおねーちゃん俳優のみなさん(私、UKの俳優さんはよく知らないんだけど、本国ではきっと人気なんでしょう)のファン層を視聴者ターゲットに据えているという事情があるからなのかなと想像します。いぢめっこ代表のブラッドリーくんを演じたアレックス・ペティファーは『アントラージュ (Entourage)』に出てきそうなイケメンあんちゃんでした。Entourageつったらアナタ!ホラーと対極の立ち位置ですよ。こういう連中のファンのみなさんが見る映画だからぬるめの描写になってしまうのですね。くそォ。というのはぜんぶ私の想像なのでハズしてるかもしれないです。監督的には十分ねちねちのつもりなのかも。それは聞いてみないとわからない。

ところでこの映画は音楽がよかったです。以下エンドロールから書き写してみました。

Dead In Love
Desert Sessions

What Planet Are You On?
Bodyrox Featuring Luciana

Lesbian Roadkill
Tantric Dwarf

Ride
The Vines

Outtathaway
The Vines

Don't Be Afraid
Keaton Henson

Dew Climbs
Lunz

Monster Hospital
Metric

画像

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原題: Tormented
別題: Iskence okulu
制作年: 2009年
制作国: イギリス
公開日: 2009年5月22日 (イギリス)
2009年10月21日 (アメリカ) (Video On Demand)
imdb.com: imdb.com :: Tormented
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup

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