2009/6/27 (Sat) at 5:33 pm

映画|エクトプラズム 怨霊の棲む家|The Haunting in Connecticut

呪われた家に移り住んだ家族の恐怖を描いたアミティヴィル風オカルトホラー。カイル・ガルナーヴァージニア・マドセン、ライアス・コティーズ、アマンダ・クルー。監督ピーター・コーンウェル。2009年。

エクトプラズム 怨霊の棲む家 / The Haunting in Connecticut DVDDVD画像

1987年6月。ほんとうにあった話(を元につくった話)。

あるところに家族がいた。長男マットくん(ヴェロニカ・マーズのカイル・ガルナー)はガンである。辛いガン治療のまっさいちゅう。優しいママ(ヴァージニア・マドセン)は彼を専門の病院に行かせるために長距離ドライブをせっせとやってたが、治療が進むに連れて彼はますますしんどくなり、途中で何度もクルマを止めてゲロを吐くという具合になってきたもんで、これじゃ息子もママもたいへんだから「引っ越ししなくちゃ」となる。ママは息子のためにがんばる。

気丈なママはギリギリ家計を切り詰め、家賃格安のボロ家をコネチカットに見つけた。安いのにはワケがあるんだが、このドタンバであるからして、そんなこといってられないのだ。家族は移動開始する。パパママ息子に加えて、親戚の子供3名もいっしょである。マットと同じ年頃のおねーちゃん(アマンダ・クルー)はマットの従兄弟(かな)で、その下にちびっこ2名というみなさんはボロ家にやってきた。

古くて陰気な広い家の地下には死体を処理するような部屋があり、ここは大昔には葬儀屋だったと明かされた。そこにオバケがジャジャーンと出てくる。オバケはなぜかマットにしか見えない。マットは家族に心配をかけたくないし、また、薬物治療ゆえの幻だろうといわれるのがイヤだからということもあり、ひとりでオバケを相手に悶々とする。ゲホゲホと病んだ身体に鞭打つように立ちあがり「おまえらの目的はなんだ!!!」と必死に抵抗し、どんどん弱っていく。

オバケを見て血塗れでブッ倒れているマットを目撃した家族のみなさんはもうやりきれない。ついに狂ったか。もう末期なのか。息子は死んじゃうのか。わたしらなんにも悪いことしてないのに!気丈なママはもはや神様にお祈りをするしかなく、元アル中のパパは酒の誘惑に耐えて我慢我慢で、家族の胸中はズタボロお先真っ暗。もう笑うしかないっていうか、絶望のムードが漂う中、今日もオバケはマットくんのベッドに現れる。ひぃいい。

後半は、ヒョンなことから知り合った中年男(ライアス・コティーズ)がアシスト役として登場。彼はエクソシストの神父様かドラキュラを退治するヴァン・ヘルシングのようにやってきて、家族に救いの手を差し伸べる。やがて、この家の忌まわしい過去が明かされ、オバケのみなさんおねがいですから成仏してくださいよという展開になる。

The Haunting in Connecticut trailer
The Haunting in Connecticut
The Haunting in Connecticut Exclusive: TV Spot
The Haunting in Connecticut

※感想

こういうのってもう出尽くしてる感があるじゃないですか。鏡にチラと人影が映ったりとか、ありえないところから手がニョキーと出てくるとかですね、もうそういう演出は飽きたって気がするんですよね。なんてことをいってるとほんとにオバケが出てくるかもしれんのでもうやめとこ。

エクトプラズムが出てきました。エクトプラズムといえば、私はつのだじろうのアレを思いだすわけですが、この映画のヤツもなかなかよかった。ケムリみたいなのでなく、液体金属みたいなかんじ。DVDのパケ写がそれです。

ラストでウジャーと死体が出てきたけど、ほんとにあんなところに死体がしまってあったら腐敗臭ですぐにわかるだろといいたくなるけれど、絵的にはホラーっぽくてよかったとおもいました。ヴァージニア・マドセンが演じた強くて優しいママはじつに感動的だったですが、パパはいないほうがよかったんじゃないですか。いらないよね、あのパパは。

てかんじで文句をいったり褒めたり忙しいですが、全体的にはよかった。私としては、最近のオカルトもの、デヴィッド・S・ゴイヤーの『アンボーン|The Unborn (2009)』よりもこっちの方がずっとおもしろかったですよ。

ラストのママの台詞がよかったです。

その後、続編が出ました↓

SPOILER ALERT!!!!
ネタバレ!

さいしょのうちマットはオバケを見たことをナイショにしていたが、やがてみんなにも「この家はへんだ」とわかってくる。最初に気づいたのはアマンダ・クルー演じるウェンディちゃんで、彼女はマットからオバケを見たと教わり、ウヘーと驚いてこの家の由来を調べてきた。まとめると以下のような話であった。

この家はその昔に葬儀屋だったが、経営者ラムジー・エイクマンは葬儀屋をやりつつ、オカルト研究家でもあった。彼自身は霊能力はなかったが、その代わりに有能な助手がいた。ジョナっていう少年がいて、彼は能力の高い霊媒師だった。エイクマンは降霊儀式を行い、ジョナ少年の能力を使って死者の霊を呼びだす。そしてその声を遺族に伝えてあげるっていうのを商売にしていた(アリソン・デュポアみたいな)。ダイヤの隠し場所を教えるとかですね。

ジョナ少年はエイクマンのいいなりでせっせと霊媒仕事をやっていたが、エイクマンはその能力をさらに増幅させたいと考え、悪い魔術に傾倒。人間の死体から切り取ったマブタの皮膚を使うというグロなやり方を取り入れてからはますます絶好調。『死者としゃべれる葬儀屋』は大繁盛して有名人金持ちもやってくるというウハウハぶりだったが、ある日、ついにバチが当たる。降霊儀式をやってる最中にジョナはウガーと苦しみ、ハタと気づいたときにはそこにいたひとたちは全死亡していた。少年はアワを食って逃げようとしたが、オバケたちに追われ、生きたまま火葬されて灰になった。

という過去があったのですね。

そしていま、少年ジョナのオバケはマットの前に現れる。そのせいでマットは昔の風景を目撃したんだけれども、ジョナの目的は警告をしたかったみたいである。「この家には成仏できない死者たちがウヨウヨしているんだヨ」という点を伝えたかったんだな。

という過去話がわかってきた頃には、家族のみなさんは得体の知れないオバケ現象にオタオタしていたが、そこに優しい中年男がフラリとやってきて救いの手を差し伸べる。ライアス・コティーズ演じるこのおじさんはマットが病院で知り合って、ナニゲに友達になった男であった。

彼はそういうのに詳しかったので、オバケ退治の道具をアレコレ持ってきて話を聞いた。彼はジョナの遺灰を地下に見つけた。でも彼はこの時点でかんちがいをしていた。この灰を家の外に持ちだせばオッケーと思ったんだけど、それは大きな間違いで、邪悪な死者たちがほかにいるのだという点を知らずにソレを外に持ちだした。そしたらこわいオバケがウジャーと出てきて子供たちを襲いだした!きゃーー。

ラスト。

マットの症状は極度に悪化。医者に「今日明日の命であろう」と死亡宣告されるが、ジョナオバケの目を見た彼はメラメラと闘志をわかせる。火事場のバカちからというかんじで、病院から脱出。邪悪なオバケと戦いに行く。「おれはどうせ死ぬんだから」と特攻ムードで玉砕するのだ。呪われた家に戻り、オノで壁を壊したらウジャーと死体が出てきた。不幸なみなさんはこんなところに逼塞していたのかと知り、そこらじゅうに火をつける。自分も死ぬのだ。みんなが助かればいいのだ。と思ったところに優しいママがジャジャーンと登場。「ママよ!ママよ!」と火の中に飛び込んで息子を救った!

瀕死マットは救急隊の処置で蘇生成功。家族は大喜びで涙する。というようすをジョナ少年のオバケがひっそりと見守り、彼もまた成仏できたのであった。

その後、マットのガンは消滅したそうな。家族は幸せに暮らしました。ハッピーエンド。最後に流れるママの声のナレーション↓

"I don't really care if anybody believes me or not. I know what happened. Doctors and nurses know. My family knows. And my son is alive... and well. That's all that matters. They say that God works in mysterious ways. They just don't always tell you how mysterious those ways can be. Consider yourself warned."

おしまいー。

こちらは続編PART2↓

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邦題(カタカナ): 『エクトプラズム 怨霊の棲む家』
制作年: 2009年
制作国: アメリカ/カナダ
公開日: 2009年3月27日 (カナダ)
2009年3月27日 (イギリス)
2009年3月27日 (アメリカ)
2009年6月4日 (ロシア)
2009年6月18日 (香港)
2009年7月2日 (ドイツ)
2009年7月30日 (韓国)
2009年8月7日 (スペイン)
2009年8月21日 (イタリア)
2010年1月22日 (日本)
2010年3月4日 (オーストラリア) (DVD)
2012年6月1日 (フランス) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: The Haunting in Connecticut
監督
脚本/原案
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プロデュース
シネマトグラフィ
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キャスティング
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