映画|ストレンジャーズ/戦慄の訪問者|The Strangers
別荘に来た美男美女カップルが謎のマスクキラーに襲われてウギャー!スコット・スピードマン、リヴ・タイラー、グレン・ハワートン。監督ブライアン・バーティノ。2008年。
クリスティンとジェイムズていう、気まずい雰囲気のカップルが田舎の別荘にきた。彼らはパーティの帰りにここにきたんだけど、なんでふたりの空気が重いかっていうと、クリスティンがプロポーズを断ったからである。なんでか知りません。理由は明確に明かされない。
重ーいムードで夜になったら、夜中に突然ノックする者がきた。出てみたら知らない女のひとが立ってて「タマラはきてますか?」といわれた。ふたりともワケワカメで「そんなの知らないヨ」と追払った。謎の女は素直に去っていったが、しばらくしたらば、その女の仲間と思われるマスク姿のキラーがウワーと襲ってきた。オノでばんばん。ウギャー。ふたりは冷や汗ダラダラでキラーと闘う。
【感想】
これはおそろしくつまらなかった。やたらめったら思わせぶりな演出が続くのが冗長である。ジャジャーンとこわい音楽が鳴って、女はひぃいと怯え、監督的には「サササー、こわがってくださいヨー」という盛りあげ手法のつもりなのかもしれないが、単にスローモーなだけである。なにかの伏線と思えるような演出が多くて「ラストでスッキリするんだろうな」と期待したんだけど、最後までよくわからなかった。
ゴアな殺傷シーンはゼロ。スプラッターシーンゼロ。緊張感ゼロ。殺し方も凡庸。リブ・タイラーがひぃいと怯えるようすがいちいち「演技してます!」ってかんじである。ホラーな絶叫女優ていうのは「うぎゃやああああ!」という恐怖のツキヌケ感覚を演じてほしいんだけど、彼女はハァハァゼイゼイしているだけでつまらない。といっても、リブ・タイラーの演技力がどーこーではなく、この監督の手法が私の好みに合わないせいだと思われる。彼女は悪くない。監督が悪いんだ!
ホラー映画ってキャラたちの行動がへんだったり、プロットがハチャメチャだったりすることが多くて「なんでアイツは○○しないのか?」とネタにされることが多いけれど、それはまぁひとつのお約束として、映画を楽しめばいいと思うんだけど、この映画はいくらなんでも破綻しすぎだと思う。
どうして男はクルマにケータイを置いてくる?どうしてまちがえて殺しちゃったあのひとのケータイをスグに使わない?ジョーダンってだれ(冒頭のシーン)?そもそもプロポーズを断った女が、どうして男の別荘に来るのだろうか?場所が田舎でホテルなんかナイってこと?それならまぁいいけれど、映画的にの話、なんでギクシャクムードのカップルでなくちゃいけないの?物語と彼らの確執はなにも関係ないような。最後の "Are you a sinner?" の台詞にカブってるといいたいんだろうか。わけがわからん!
ひとつだけよかったのは、It's Always Sunny In Philadelphiaのグレン・ハワートンが見れたという点だけである。スグに死んじゃいましたけど。
この映画は実話に基づいていると最初に明かされるが、こういうのはよくある宣伝文句である。inspired by true events であって、exaxctly true events ではないのだ。なんていういぢわるをいいたくなるくらいつまらなかった。私の審美眼がオカシイのだろうか。クソミソにけなしちゃいまして、好きな方、すません。
SPOILER ALERT!!!
ネタバレです!
プロローグ。殺人現場と思われる家の映像がゆっくり出てくる。その場所を通りがかったふたりの少年がいる。という映像にカブって、警察に電話して助けを呼ぶ声が流れる。「そこらじゅうが血塗れ!たすけて!」というその声の主はジョーダンと名乗る。女性の声に聞こえるんだけど、そうじゃないらしいっていう点が最後にわかる。
とつぜん現れた謎のマスクキラー3人に襲われて別荘にたてこもるカップル。ふたりのケータイは壊されちゃったから、彼らはポリスを呼べない。この家っていうのは男の父親の持ち物であり、男はショットガンの隠し場所を知っていた。彼が慌ただしく銃を探して準備をするんだけど「おれ、銃の撃ち方知らないヨ!」と怯える。女は「パパとハンティングにいってたんじゃ?」と不思議がる。「あ、あれはつくり話」「ハァ?」という脱力会話がなされるが、これもまた全体のストーリィに関係ないっちゅうか、わけがわからないシーンであった。
なんだかんだといろいろあって、ふたりはキラーに捕まる。ナイフで刺されて殺される。男は死亡したんだけど、女は虫の息で生きていた。ひぃひぃしてたら、ケータイの着信音がする。それは間違えて殺しちゃった友達男のケータイだった。女は這いつくばってソレを手にしようとするんだけど、キラーにとりあげられて絶望する。
仕事を終えたキラー3人組(ふたりは女)はトラックに乗って現場から去る。逃げる途中でモルモン教勧誘員の少年ふたり組に出会う。キラーのひとりがトラックを降り、彼らに「パンフをください」とお願いする。少年は「Are you a sinner? (あなたは罪人?)」と聞く。キラーは「Sometimes. (ときどきね)」と答える。少年は相手にパンフを渡す。もらったキラーはトラックに乗り、仲間に「It'll be easier next time. (次はもっとらくにできるよ)」といい、彼らは去っていく。
その後、モルモン少年ふたり組は殺人現場を通りがかる。恐る恐る家に入り、惨劇を見ておののく。男女の死体を発見。少年のひとりがクリスティンに触れようとしたらば、彼女は死んでなかったのであり、目を覚まして、ウギャーと絶叫した。おしまい〜。
※プロローグで流れた助けを呼ぶ声は、女性の声みたいに聞こえるんだが、ジョーダンと名乗っているし、クリスティンは電話を取り上げられたんで、彼女が電話できるわけがないんで、これはたぶんモルモン少年が助けを呼ぶ声っちゅうことらしい。てこと?
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『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』 | |
2008年 | |
アメリカ | |
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imdb.com :: The Strangers |
- Scott Speedman :: スコット・スピードマン [imdb] (James Hoyt)
- Liv Tyler :: リヴ・タイラー [imdb] (Kristen McKay)
- Gemma Ward :: ジェマ・ウォード [imdb] (Dollface)
- Alex Fisher :: アレックス・フィッシャー [imdb] (Mormon Boy #1)
- Peter Clayton-Luce :: ピーター・クレイトン=ルース [imdb] (Mormon Boy #2)
- Kip Weeks :: キップ・ウィークス [imdb] (Man in the Mask)
- Laura Margolis :: ローラ・マーゴリス [imdb] (Pin-Up Girl)
- Glenn Howerton :: グレン・ハワートン [imdb] (Mike)
- Jordan Del Spina :: ジョーダン・オル [imdb] (Jordan - 911 caller [voice])
- Thomas J. Busch :: トーマス・J・ブッシュ [imdb] (co-producer)
- Doug Davison :: ダグ・デイヴィソン [imdb] (producer)
- Joseph Drake :: ジョセフ・ドレイク [imdb] (executive producer)
- Marc D. Evans :: マーク・D・エヴァンズ [imdb] (executive producer)
- Nathan Kahane :: ネイサン・カヘイン [imdb] (producer)
- Kelli Konop :: ケリー・コノップ [imdb] (executive producer)
- Roy Lee :: ロイ・リー [imdb] (producer)
- Trevor Macy :: トレヴァー・メイシー [imdb] (executive producer)
- Sonny Mallhi :: ソニー・マリー [imdb] (executive producer)
- Peter Sova :: ピーター・ソーヴァ [imdb] (director of photography)
- Lindsey Hayes Kroeger :: リンゼイ・ヘイズ・クロージャー [imdb]
- Tracy Kilpatrick :: トレイシー・キルパトリック [imdb]
- David Rapaport :: デヴィッド・ラパポート [imdb]
- Ozzie Carmona :: オジー・カーモナ [imdb] (digital compositor)
- Mark Freund :: マーク・フロイント [imdb] (visual effects supervisor)
- Maureen Healy :: モーリーン・ヒーリー [imdb] (digital compositor)
- Phillip Hoffman :: フィリップ・ホフマン [imdb] (visual effects coordinator)
- Bill Holloway :: ビル・ホロウェイ [imdb] (digital compositor)
- Patrick Keenan :: パトリック・キーナン [imdb] (digital compositor)
- Erin L. Nelson :: エリン・L・ネルソン [imdb] (digital restoration)
- Jim O'Hagan :: ジム・オヘイガン [imdb] (digital compositor: Pacific Title)
- Bob Poirier :: ボブ・ポワリエ [imdb] (visual effects associate producer)
- Michael Degtjarewsky [imdb] (digital compositor)
- David Beavis :: デヴィッド・ベアヴィス [imdb] (special effects technician)
- David Hill :: デヴィッド・ヒル [imdb] (special effects foreman)
- Michael J. Hudson :: マイケル・J・ハドソン [imdb] (special effects technician)
- William Purcell :: ウィリアム・パーセル [imdb] (special effects coordinator)
- Susan Beavis :: スーザン・ベアヴィス [imdb] (special effects buyer)
- Vincent Schicchi :: ヴィンセント・スキッキ [imdb] (key makeup artist)
- Coni Andress [imdb] (head of hair department)
- Wendy Bell [imdb] (makeup department head)
- Jennifer Santiago [imdb] (key hair stylist)
- Leigh Ann Yandle [imdb] (assistant makeup artist)
- Elizabeth Rowin :: エリザベス・ロウィン [imdb] (special thanks)