映画|30デイズ・ナイト|30 Days of Night

"30 Days Of Night" 『30日間の夜』。アラスカのこの地方では年に一度決まって30日間の夜が続く。ただでさえ厳しい気候であるうえに1ヶ月もおひさまが昇らないっていうのは、住人たちにとって憂鬱な定例イベントである。昭和初期の津軽海峡みたいな雰囲気だ。BGMは石川さゆりで、男たちはスルメイカをあぶって熱燗飲むしかないわみたいな。

暗くて寒い夜が1ヶ月続くのは人間には憂鬱だが、おひさま嫌いなヴァンパイアにとっては天国である。腹ペコヴァンパイアの集団が大チャンス到来とばかりにウジャーと出てきた。手当り次第に襲いかかってやりたい放題。そこらじゅうに死体の山ができてわずかな生き残りはなすすべがない。隠れてやりすごすしかないのか。ジョシュ・ハートネット演じる主人公のハンサムシェリフが村人たちと協力して残虐ヴァンパイアと戦う物語。美人妻はメリッサ・ジョージ。相変わらずおきれいです。

Spoiler Alert !!!!
ネタバレ注意!!
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主人公のハンサムシェリフは村人と協力してゲリラ戦を展開するが、てか逃げ回ってるだけという風にも見えるが、とにかくジタバタしておひさまが戻るまで生き残るしか道はないのである。最後ギリギリにきて妻がヤラレそうだっていうんで、彼は大勝負に出た。このままじゃヤツラにぜったい勝てないとわかったので、彼はヴァンパイアの血液を自らに注射した。捨て身殺法で怪力パワーを得て親玉をやっつけておしまい。助けた妻に抱かれながら砂になって消えていきました。

"30 Days Of Night" のヴァンパイアは残忍ケモノ蹂躙系である。キバの形状はクラシックなドラキュラ方式の2本キバではなくて、昔の楳図かずおのマンガに出てくるオバケみたいなトキトキの鋭いキバがズラリと並んでるタイプのヤツ。サメの歯みたいにも見える。ケモノ系なので、常にハラを空かせていて、ウギャーと唸り声をあげつつ、人間に飛びかかる。首筋にガブリとかぶりついて、血塗れになって、頭をフリ回すさまはオオカミのよう。brutalだ。さいきんはヴァンパイアつっても多様化が進んでいるので、映画によっていろんなヤツが出てくるな。私はヴァンパイアといえば知的&ダンディ&冷血系の様式美のある方が好きなのだが、だってあまりにウギャーとやってるとゾンビと区別がつかない気がすると思うんだけど、まぁそこらへんは好みの問題か。

前半のジワジワ感がよかった。閉ざされたアラスカの寒冷地で、電話や移動ヘリが壊されて逃げ道NO WAYになっていくというのが怖いなと思ってどきどきしたんだけど、イザ戦いが始まって、それはそれは残虐に人々を襲うまではいいけれど、人間たちが反逆することなくただ逃げ回ってるだけという展開がちょっぴりつまらなかった。ラストシーンの攻撃も意外にアッサリである。話題作なのでかなり期待しちゃったぶん拍子ヌケだ。子供ヴァンパイアとかいくつか良いシーンがあったので損したという気にはならないけど ... 。

という感想なのだけれど、いくつかのコミュニティを覗いてみたらば、この映画はものすごく評判がよいので意外に思った。だいたいにおいてホラーファンっていうのは文句をつけるのが大好きで、なにを見てもコキおろす人種である。crapと決めつけてアレコレ文句を並べて「カネ返せバカヤロー」と怒鳴るのがホラーファンの愛なのだ（たぶん）。ところが "30 Days Of Night" においては、そういう声がすごく少ないのでびっくりした。ワイロでも配ったんだろうか。あるいは私の感性が鈍いのかな。

30 Days of Night

Release Date: 2008-02-26
Studio: Sony Pictures Home Entertainment (DVD)
Run Time: 113 minutes
Best Sellers Rank: 8,088

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