2009/2/4 (Wed) at 9:27 pm

映画|スクリーマーズ|Screamers

進化する殺戮兵器ロボットを相手に闘うSFホラー。フィリップ・K・ディックの短編『変種第二号(Second Variety)』をベースに映像化。ピーター・ウェラージェニファー・ルービン、ロイ・デュプス。監督クリスチャン・デュゲイ。1995年。

スクリーマーズ / Screamers DVDDVD画像

2078年。

過去50年に渡り太陽系のエネルギー産業を独占してきた NEB Corporation (NEB = New Economic Block) は、20年前、鉱物採掘惑星のひとつであるシリウス6Bにて『ベリニウム(Berynium)』を発見した。太陽系全域に蔓延するエネルギー不足を解消する画期的なエネルギー資源として注目されたが、やがて、その採掘作業は致命的な放射能汚染をもたらすとわかってしまった。

採掘現場の労働者たちと科学者たちはオカミの方針を不服とし『Alliance』と名乗って抵抗開始。NEBに対し「採掘活動を即時中止せよ!」と直訴した。戦争勃発。NEBはシリウス6Bを核攻撃。多数の民間人が死亡した。以後、両者のあいだには深い溝があり、冷戦構造が続いている。戦争が始まって10年が経過した。

映画の題名になっている『スクリーマーズ』ていうのは、元々『Alliance』が開発したAI機能を持つ小型兵器を意味する呼称だが、いまやコイツらは勝手に自立し、敵味方関係なく襲ってくるようになった。地下を移動し、生き物を探知するやダダーと追いかけてきて、ギュワーンと回転するドリル刃でなんでもかんでも殺戮する。

『スクリーマーズ』は進化しつつ、自己増殖している。だれも知らないどこかに製造工場をつくり、より強力な新モデルを生産し続けているのだ。地表に出てきて、生きるものすべてを殺して回っている。やっつけてもやっつけてもきりがない。

『Alliance』のみなさんは『スクリーマーズ』対策として、TABってもんを手首につけている。『スクリーマーズ』は人間の心拍パルスを感知するシカケになってるが、TABをつけていると『スクリーマーズ』に送られるはずの信号をフェイクできる。いわば猛獣ダマシのトリックだが、なにしろ相手は進化する機能を備えているわけだから、TABだけに頼っているというのは心もとないかんじがする。

てわけで、ヘンドリクソンたちは敵と戦いつつ、また同時に、ギュワーンという恐ろしいドリル音にも耳を澄ませていなくちゃいけないのだ。現在の戦況は、冷戦状態というのだろうか、半年間も交戦していなくって、少しノンビリしかけたところだったが、映画の冒頭で事件が起こる。「和平交渉しましょうよ。安全を保障するからこっちにきてください」というお誘い招待状が敵から届いた。これはワナだろうか。と頭をひねって考えてたところにまたまた事件が起きて ... 。あとはネタバレのほうに書きます。

Screamers trailer

※感想

さいきん『スクリーマーズ』の続編が出たんで、1995年の前作を見直してみました。マシンが勝手に進化してどーのこーのといえば『ブレードランナー』『ターミネーター』『BSG』といった一連の名作がありますけれど、ここらへんと比べてしまうと辛いものがありますが、でもまぁソレはソレとして、いま観てもおもしろいなぁとおもいました。

地面の中をモグラみたいに移動して襲ってくるところは、姿が見えないうちは『トレマーズ』みたい。あの巨大イモムシとスクリーマーズだったらどっちがこわいですかね。どっちが出てくるかわからないなんて設定だったら、さぞかしおそろしいでしょうねぇ。

SPOILER ALERT!!!!!
ネタバレ!

「和平交渉しましょうよ。安全を保障するからこっちにきてください」のお誘いを持ってきた敵側の兵士はスクリーマーズに瞬殺されたが、そのメッセージは伝わった。みんなのリーダー役であるヘンドリクソンは「信じてよいのか?」といぶかるが『Alliance』のエラいさんであるグリーンからもホログラフィ電信がきて、ソレによればこうである↓

「惑星トライトン4でベリニウムが発見された。そっちじゃ放射能汚染はゼロである。だからもう戦争はヤメにしようって話がまとまりつつある。いまこっちじゃ和平交渉をしているところで、たいへんデリケートな時期なんだから、そっちでドンパチするなよ!」

なんていうから、ホエーとおもった。NEBの目的は金儲けである。戦争で浪費するよりもサッサと和平をしたほうがよいという選択はいかにも真実くさい。「戦争が終わるのかー。そりゃすばらしい」と信じかけたんだけど、不意に空から身許不明の船が落ちてきた。乗員は1名を除いて全死亡。民間船を装っていたが、中を調べたら武器があった。隠密行動中の攻撃部隊だったのか。

生き残りのマイケル・ジェファーソンていう男を尋問したらば、彼は『Alliance』の新米兵士であると名乗り「自分らはトライトンのNEBを攻撃しにいくところだった。おれらはだめだったが、このあとも続々と『Alliance』の攻撃艦が向かっているのだ」と教えた。

ヘンドリクソンたちは混乱する。さっき『Alliance』のエラいさんのメッセージを聞いたばかりなので、おかしいなーといったら、なんとグリーン氏ていうオッサンは2年前に死んだのだとジェファーソンが述べた。つまり、彼らが見たホログラフィはつくりもんだったのか。

これじゃ和平どころか全面戦争突入ではないかと知ったヘンドリクソンはむむーとうなり、招待状に書かれてあった通りにあっちに乗り込んでやろうじゃないかと結論する。「ほんとにほんとに戦争なんかやめようではないか」と敵側を説得するために、惑星にある敵の基地にいくことにした。ジェファーソンも連れていく。彼は優秀なスナイパーらしいので。他のみんなは留守番。

こういう経緯でヘンドリクソンが危険ゾーンをてくてく歩いていったら、その途中で進化型の『スクリーマーズ』に遭遇してオヨヨとおののくというあたりから本格アクションスタート!文章で書くとダラダラしてますが、映画ではサクサク進むよ。

途中で民間人のみなさんに出会って、いっしょに行動してたら、新しいスクリーマーズは人間ソックリの外観でじつは機械っていう、サイロンかターミネーターみたいなもんだとわかって、人々は疑心暗鬼になり、だれが敵でだれが味方かわからないという状況でスリリングに進行。ヘンドリクソンが最初に遭遇したヤツは幼い子供の外観だったのでコロリとダマされた。

殺戮マシンと闘いつつ、敵方の基地についたら、そこは『スクリーマーズ』がウヨウヨ。くそォ。しょうがないので自分の基地に戻ったらそこも全滅。子供スクリーマーズがワンサカでてきた。ひぇええ。最後は2名だけが生き残る。ヘンドリクソンとジェシカっていうおねーちゃんである。ヘンドリクソンはここで秘密を明かす。司令官だけに使用が許された緊急用の脱出船があるそうな。それに乗ってふたりで地球に逃げようとする。

したらば、ジェシカも人間型の『スクリーマーズ』だったと明かされるが、この展開はこの種の映画を見馴れているひとにはお約束パターンであろう。オヨヨとおののいて、これまたお約束のアクションどっかーんの末にギリギリ敵を粉砕!ヘンドリクソンのみ脱出成功。彼は地球に向かった。コックピットには、子供の顔した『スクリーマーズ』がダッコしていたテディベアがこっそりまぎれこんでいる。アレレ?ま、まさかー。

おしまい〜。

※ところで最初のほうでヘンドリクソンが親友チャックとしゃべってる場面で、彼らは戦争が終わると信じてるあたりで「地球に帰ったらナニがしたい?あの女にあわねーの?」「会ってどうする?昔の話だヨ」なんていう短い会話があった。ヘンドリクソンは地球に残してきた家族がいた模様。彼の娘っていうのが次にレビューを書く予定のパート2で登場します。

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邦題(カタカナ): 『スクリーマーズ』
制作年: 1995年
制作国: カナダ/アメリカ/日本
公開日: 1995年9月8日 (カナダ) (Toronto International Film Festival premiere)
1996年1月26日 (アメリカ)
1996年4月25日 (スペイン)
1996年5月2日 (オーストラリア)
1996年5月17日 (イタリア)
1996年6月28日 (イギリス)
1996年7月10日 (フランス)
1996年7月25日 (ドイツ)
1996年11月30日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Screamers
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