映画|レッド・サンズ 呪われた兵士たち|Red Sands

イラク戦争。7人の兵士チームが砂漠を移動中。途中で岩の中に隠されたへんな石の像を見つけた。通訳の兵士は「イスラム教は偶像崇拝を固く禁じているから、きっと彼らにとってスゴくヤバいものなのだ」と真剣顔で述べたが、ふーんといいつつ、冗談まじりにその像を壊した。そのせいでオバケが出てきてヒィヒィいわされるハメになるんだが、いまはまだぜんぜん気づいてない。

その後も移動を続けて、目的地点に到着。そこは砂漠のド真ん中にポツンと建つ小さな民家である。家の中に入ったら白リン爆弾にヤラレた民間人の死体があった。「ここに待機してタリバンがこないかどうか監視しろ」ていうのが彼らの任務なんだけど、近くに道路があるわけでもなく、タリバンどころか回りにはなーんにもナイ。みんなはよっこらしょうと落ちついた。

レナード・ロバーツ演じるSSgt (= Staff Sergeant) だけは「コラー！ケツを動かせ〜！」とオニ軍曹ぶりだが、部下たちは「めんどくせーなー」とダラダラムードである。こんなところに敵がいるのかなとだれもが不思議なのだ。

みんなの予測を裏切ってドドーンと攻撃されるなんていう出来事はまったく起こらず、まったりムードで進行する。ただそこにいればよいという禅のような仕事ぶりになってくる。兵士たちはワイ談をするか、寝るか、オシッコするしかやることがない。砂だらけだし、不潔だし、あーつまんねー。

と、思ったら、砂嵐といっしょにイラク人女性が現れた。通訳の言葉が通じない。このへんにはたくさんの言語があって、彼の知ってる言葉はぜんぜんだめなのだ。話ができないからなにも聞けない。女子供を使った自爆ボムなんてタリバンの得意ワザだから、むむぅと緊張が高まるが、結局、なにも起こらない。この女性はどこからきたんだろうか。

この出来事をきっかけに、兵士たちがちょびっとづつ狂っていく。どうやら謎の女性が妖怪電波を放っていると思われるが、最後には彼女はウギャーとバケモノに変化して本性を露呈するが、そこにいくまでけっこう時間がかかる。男たちはちょびっとづつ頭がへんになり、幻視と幻聴に怯え、同士撃ちをするようになる。

※感想

場所は砂漠の一軒家だけど、ムードとしては密室サスペンスホラーってかんじがした。回りになーんにもないからなんとなく密室の雰囲気なのですね。じとーっとした粘着質のきもちわるさがよく表現されていて、なかなかおもしろかったです。

SPOILER ALERT!!!!!
ネタバレ！

暗闇に潜むオバケは自ら殺戮をするという風でなく、兵士たちの心に入り込んで悪夢を見せたり、彼らが仲違いをするようにへんなもんを見せるという陰湿手法で責めてくる。これはなかなかおっかなくって、男たちは心臓バクバクで殺し合いを始める。ラストではオバケ自らウギャーと正体を現し、最後のひとりに襲いかかる。彼はヒィヒィと反撃し、なんとか逃げ延びることができた。ふぅ。こわかった。

キャンプに戻って上官に報告したらば、相手は「こまったなぁ」という顔つきである。そんなの報告書に書けないから。「タリバンが50人出てきて襲われたってことにしようじゃないの」と結論し「きみは気絶してて運良く逃れたっちゅうことにしておこう。家に帰っていいよ。生き残ってラッキーだったなぁ。おつかれ！」とニコニコ顔なのだった。「ああ、そうすか」と素直に従って母国に帰還したその男は、じつは妖怪変化によって憑依されていたのであった！

おしまい〜。

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