2010/9/7 (Tue) at 10:28 pm

映画|ストイック|Stoic

刑務所のセル内で、3人の男がひとりをいぢめ倒して自殺に追い込む映画。刑務所内の陰惨な暴力風景がずーと続く。エドワード・ファーロングショーン・サイポス。監督ウーヴェ・ボル。2009年。

ストイック / Stoic DVDDVD画像

ここはどっかの刑務所。4人の男たち(エドワード・ファーロングショーン・サイポスサム・レヴィンソンシュテフェン・メネケス)が狭いセルにいる。彼らは仲良くポーカーをやって遊んでたんだが、子供のケンカみたいなくだらない口論をきっかけに、いぢめが始まる。標的にされるのはショーン・サイポス演じるアンちゃん。

汚い水を飲ませる/床に吐いたゲロを舐めさせる/カマを掘る/モップの棒をケツの穴に突っ込む/血塗れの棒を舐めさせる/オシッコをぶっかける。といった所業の果てに、アンちゃんは首吊り自殺に追い込まれる。最初から最後まで、ひたすらにいぢめの風景が続く密室暴力ドラマは、実際にドイツの刑務所で起きた出来事を元にしている。

この映画は『ザ・テロリスト / Rampage (2009)』のいっこ前に出たウーヴェ・ボルの映画です(US版は2010年4月に発売)。『ザ・テロリスト / Rampage (2009)』は日本語版が出てからずいぶん話題で、うちのブログもたくさんアクセスがありますが(読んでくれてありがとう!)、こちらはアレに比べると小粒な内容ですが、でもなかなかよかったですよ。あっちでかわいそうな友人男を演じたショー・サイボスが、こちらでは徹底的にいぢめられる役を演っています。

トレイラー動画

Stoic (2009) trailer

感想

いぢめのきっかけはじつにくだらないです。アンちゃんが「おれがポーカーで負けたら、ハミガキ粉をぜんぶ食ってやらー」などというアホな約束をしてしまったからというのがその理由で、最初のうち、いぢめていたのはひとりだけでした。他のふたりはドン引きで「なにもそこまでやらんでも」的な顔つきで眺めているだけだった。このときのエドワード・ファーロングの「あなたってこわいひとだったんですね」顔演技が秀逸でした。

でも、いぢめられ男が看守を呼ぼうとしたので、他のふたりも「オイコラ」つって怒りはじめて、輪をかけてヒデーことをやりだす。すると、こんどは、いぢめを始めた男が「ちょ、それはちょとやりすぎじゃないですか」なんて我に返ったりする。いわれたほうは「おまえが先にやりだしたんだろーが!いまさらイイコぶるんじゃねーよ!」と怒る。

という調子から想像がつくように、この連中はだれがリーダーというわけでもないのです。行き当たりばったりにヒデーことをやって、それがエスカレートしていく。こんなことをしたら自分たちも罰を受けるなんて、だれが考えてもわかりそうなものなのに、どんどんいっちゃう。

ときどき映像が変わり、事件発覚後の取り調べの映像が出てきます。こちらではカメラに向かってなにが起きたのかをしゃべります。その内容は、事実をベースに一部を歪曲して自分の都合のいいようにしゃべっています。

この映画は脚本ナシでつくられたそうです。ウーヴェ・ボル監督が俳優さんたちに「このシーンはこーであーで」と説明し、俳優さんたちはそれを自分なりに咀嚼/理解し、即興演技で表現をした。みんなでわーわー話し合いながらシーンをつくっていったようすがメイキングに入っています。

後半にひとつ「あ、そうだったんですか」的なtwistがあるものの、ほとんど物語もヘッタクレもなく単調な内容です。が、『脚本ナシの即興演技』という手法のよさがかんじられ、よかったと思いました。ドキュメンタリを見ているような生々しさがありました。

エンディングで4名の刑期が明かされます。それを見ると「おまえら、ほんとにバカ。哀れとしかいいようがない」という寂寥感があります。

この映画は単調さゆえに評価が低いみたいですが、演劇的な密室心理ドラマという風に割り切ってみればおもしろいと思うのですよ。

以下メイキングより。

即興演技(improvise)という手法について、ウーヴェ・ボルはこのようにいってますが↓

If one of the actors sucks, the movie is over.

俳優のひとりがだめだと、映画ぜんぶがだめになる。

なんていわれたら、俳優さんたちにとって恐怖かつチャレンジですよね。力量が試されるというか。エドワード・ファーロングも「こわかったですよー」といってました。

ところで、このエドワード・ファーロングですが、変わってしまった容貌についてさんざんいわれていますが、ちとかわいそうな気がします。ダルビッシュが江夏豊になったと思えばいいじゃん。がんばってるんだから、優しく見てあげましょうよ。

という湯加減で見始めたんだけど、映画が進むうち、なんかへんだと思い始めて、それはなぜかといえば、声が昔と同じだからなんですね。あの顔で声がジョン・コナーなんですよ。んー、やっぱ違和感あるなー。見続けていれば馴れるんでしょうか。

DVDのExtra

  • Commentary With Director Uwe Boll
  • The Making Of Stoic
  • Deleted Scenes
    • Mitch Buys Back In
    • The Letter

Deleted Scenesもおもしろかったですよ。ひとつめはポーカーのシーンの別バージョン。ふたつめはエドワード・ファーロングショーン・サイポスがママに書いた手紙を読み上げてバカにするシーン。

ウーヴェ・ボルの他の新作

ウーヴェ・ボル監督の、同時期に製作された『Darfur』もよさそうです。ビリー・ゼイン、エドワード・ファーロング、クリスタナ・ローケン、マット・フルーワーなどが出ていて、内容はスーダンを旅するジャーナリストの話。他にもたくさんあって、製作中も含めると新作ラッシュです。『ザ・テロリスト / Rampage (2009)』はとても評判がよかったので「ウーヴェ・ボルはゲームネタをやらないほうがいいんじゃないか」というコメントがよく見られますが、本人はどこ吹く風と思ってるかどうか知りませんが、『ブラッドレイン』のパート3もチャッカリつくっています。この気合いというか、精神力はすごいですね。

『Darfur』はimdbによれば、ロシア版DVDはすでに発売されているそうですが、USもUKも未発売。UK版は2010年11月発売予定。US版は2010年10月発売予定。USではDVDのタイトルが『Attack on Darfur』になった模様。こちらも楽しみです。

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原題: Stoic
別題: Siegburg
制作年: 2009年
制作国: カナダ/ドイツ
公開日: 2009年6月22日 (イギリス) (DVD)
2009年7月 (カナダ) (Fantasia Film Festival)
2009年7月13日 (カナダ) (Fantasia International Film Festival)
2009年10月9日 (韓国) (Pusan International Film Festival)
2009年10月28日 (フランス) (Sainte Maxime International Horror Film Festival)
2009年11月5日 (ドイツ) (DVD)
2010年4月13日 (アメリカ) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: Stoic
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