2012/11/27 (Tue) at 9:21 pm

映画|野蛮なやつら/SAVAGES

マリファナ栽培ビジネスで大儲けしたイケメンコンビが、メキシコギャングに脅されてひーこらするアクションサスペンス映画。アーロン・ジョンソンテイラー・キッチュブレイク・ライヴリー。監督オリヴァー・ストーン。2012年。

野蛮なやつら/SAVAGES DVDDVD画像

カリフォルニア、ラグナビーチ。

ショーン(テイラー・キッチュ)とベン(アーロン・ジョンソン)は金持ちイケメンコンビ。大きな家に住んで、毎日ごちそうを食べています。

なんでこんな暮らしができるかというと、マリファナ栽培ビジネスで大成功しているからである。ショーンは元Navy SEALsの武闘派。ベンは大学で植物学を勉強したインテリ。各自の長所を活かし、かつてない上質のブツを製造することに成功。独自の供給ネットワークを築き、トップブランドの地位を得た。

息の合った仲良しコンビに加え、もうひとりメンツがいる。こちらはチャラチャラ娘のオフェリアさん(ブレイク・ライヴリー)。彼女はみんなに『オー』と呼ばれている。このネーチャンはコンビの共通の恋人である。つまり、あれだ、ひとりの女をふたりの男が共有しているのですね。

映画に出てくるドラッグ密造者といえば、散らかり放題の部屋に住む、汚いTシャツを着たラリラリ男か、あるいは、売女や孤児を食い物にする冷血ギャングと相場が決まっているが、彼らはどちらにもあてはまらない。

クリーンなビジネスを標榜する彼らはスティーブ・ジョブズかマーク・ザッカーバーグみたいで、知的で創造心があってやり手でかっこいいのである。さすがにオリヴァー・ストーンの映画に出てくる連中はひと味ちがう。

しかし、彼らがいかにかっこよくても、アングラはしょせんアングラである。アメリカのヤクバイ市場を一手に仕切るメキシコカルテルに「取引しよう」と誘われる。相手はビジネスマンのような顔つきだが、一皮剥けば野獣のギャングであるからして、これは明らかに『恫喝』である。やつらと関わったら、いいように搾り取られてポイ捨てされるだろう。

こんなときのために、彼らは悪徳警官(ジョン・トラヴォルタ)に毎月カネを払っているんだが、ぜんぜん役に立たない。「あいつらを敵に回さないほうがいいよ」といわれただけであった。くそぉ。

もう逃げちゃおか。うん、そうしよう。

こいつらは頭がいいし、カネもあるから、別のビジネスをやっても食っていける。ヤバい仕事はそろそろ潮時。だからオサラバ。へっへっへっ。

ところが、そうは問屋がおろさない。ギャングはこいつらが従わないと知るや、オフェリアさんを拉致監禁。ギャングをナメるとろくなことにならないと反省するコンビであるが、もう遅いのである。ここはいっちょう腹を決め、愛する女を救出せねばならない。イケメンコンビは強大な組織力を誇るギャング軍団に戦争をしかける。

ギャングを率いる冷血女ボスにサルマ・ハエック。その子分にベニチオ・デル・トロ。といったみなさんが登場します。

トレイラー動画

Savages (2012) trailer

感想

映画の最初の方で「あんたら、ポール・ニューマンロバート・レッドフォードみたい」「ブッチとサンダンス?」てな会話があり、私はあれを聞いたら「このノリからして、むしろ『スティング』のような痛快娯楽オチにいくのではないか」と期待し、確かにびっくり仰天の大逆転twistになった。

イケメンコンビのテイラー・キッチュアーロン・ジョンソン。悪徳警官のジョン・トラヴォルタ、冷血ラティーノのベニチオ・デル・トロといったあたりは無難にオッケー。

だから、普通のアクション映画としてみればおもしろかったと思うが、オリヴァー・ストーンの新作として期待したらハズしたきぶんがする。サルマ・ハエック演じた冷血女ボス、ブレイク・ライヴリー演じた人質女、この2名がおそろしくつまらなかったなあ。

冷血女ボスはぜんぜん冷血でなく、ただの泣き虫女だった。最初にどどーんと出てきた首切り処刑の動画はいったいなんだったのだろう。あの調子でいくなら、めんたまえぐりとるとか、手足をチョン切るくらいのことをやるべきではないか。しかるに、このボスは人質娘を優遇し、いっしょにめしを食ったりしていた。あれでは子分に裏切られて当然ではないか。

女ボスに増してつまらないのが、人質ネーチャンだった。あの女はただのチャラチャラ娘ではないか。なんでみんなはあれに優しくするのかよくわからなかった。ふたりの男は命を賭けて助けようとするし、冷血ボスは彼女を優遇するし。なんで?

あの女は、馳星周の『漂流街』に出てきた売女ルシアみたいに、連日ボッコボコにレイプされ、マンコから流血して狂死すべきです。三池崇史の映画『漂流街』でなく、小説『漂流街』です(映画と小説では内容がぜんぜん違う)。

私が大声で「〜すべきです」とわめいてもしょうがないですね。はい、すません。ま、あれだ、この映画のどこがどうSavagesなんだか、私にはよくわかりませんでした。

DVDのオマケ

US版DVDには、theatricalとunratedの2種類のバージョンが入っており、unratedの方が10分程度長いです。私はunratedしか観てないんだが、もしかして、theatricalを観たら多少は印象が変わるのかもしれない。

theatricalのみ、2種類のコメンタリがついている。オリヴァー・ストーンのコメンタリと、一方はプロデューサーのエリック・コペロフモリッツ・ボーマン、原作者のドン・ウィンズロウ、他の制作クルーのみなさん。オマケはそれだけ。英語字幕つき↓

『Bong Of The Dead』もおもしろいよ

余談でありますが、この前観た『Bong of the Dead (2011)』もマリファナ栽培をやってるラリラリコンビのお話です。こいつらはゾンビの脳ミソを使ってハイパーなマリファナを栽培することに成功するんですよ↓

Bong of the Dead

Bong of the Dead (2011)』の制作総予算は『野蛮なやつら/SAVAGES (2012)』のメイクさんのアシスタントのギャラより安いかもしれない。でもおもしろいよ。私、こっちの方が好きかも。こっちは3ドルで観れるよ。

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邦題(カタカナ): 『野蛮なやつら/SAVAGES』
制作年: 2012年
制作国: アメリカ
公開日: 2012年6月25日 (アメリカ) (Westwood, California premiere)
2012年7月6日 (カナダ)
2012年7月6日 (アメリカ)
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2012年10月18日 (オーストラリア)
2012年10月25日 (イタリア)
2012年10月31日 (韓国)
2013年3月8日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Savages
監督
脚本/原案
出演
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編集
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