2010/6/19 (Sat) at 11:51 pm

映画|ふくろうの叫び(クライ・オブ・ザ・オウル)|The Cry of the Owl

不幸男がストーカーになったら、逆にストーキングされるはめになり、どんどん不幸になっていく話。原作はパトリシア・ハイスミスの同名小説『ふくろうの叫び』。パディ・コンシダインジュリア・スタイルズカロリン・ダヴァーナス。監督ジェイミー・スレイヴス。2009年。

ふくろうの叫び(クライ・オブ・ザ・オウル) / The Cry of the Owl DVDDVD画像

ロバート・フォレスター(パディ・コンシダイン)はこんな男である↓

  • みため安サラリーマン風の30男
  • でもじつは優秀な工学設計者
  • NYで結婚生活をやってたが、奥さんと相性が合わず離婚調停中
  • 都会暮しがいやで、田舎に引っ越した
  • いまはひとりぼっち
  • 不幸な孤独男

という調子の彼は、不幸ではあるが、技術者としてはなかなかのもんであり、会社では有能な人材としてだいじにされている。お金の心配をしなくていいという点からして、世の貧乏人から見れば「こんなの不幸のうちに入らないよ!」という声もあるだろうが、本人が不幸だと思ってる限りこの男は不幸であり、だからやっぱり不幸なのだと思う。

さて、彼は仕事の行き帰りで見つけた純朴そうなカワイコちゃんに魅了され、ストーカーになる。その女は森の一軒家にひとり暮しなんだが、定期的に訪れる恋人男がいる。ふたりは平凡かつ幸福そうであり、そのうち結婚するんだろうというムード。ロバートは仕事の帰りにクルマを止め、こっそり木の陰から彼女を見ている。かなり怪しい。見つかったら即ポリスを呼ばれるだろう。

ある晩、いつものようにやってたら、彼女が外に出てきて見つかる(この晩はカレシはきてなかった)。ロバートはしどろもどろになり「す、すません!もうぜったい来ません!いや、ほんと、ごめんなさいでした!」と立ち去ろうとするんだが、なぜかこの女は悲鳴を上げることもなく、警戒しつつも彼を家に招き入れ、友達になろうとする。彼女はジェニー(ジュリア・スタイルズ)という。

「コーヒーいかが」といわれたロバートはめんくらうのであり、恐縮しつつ家に入り、会話をする。自分の名前や勤務先などを正直に明かし、クッキーをもらう。ジェニーは「あなたは運命を信じますか?」と質問したり、子供時代のへんな話をする。「15歳のとき、父の友人の男が家にきたら、その1週間後に弟が死んだ。だからあの男は死を持ってきたのだと思う」といった電波話を、ロバートは黙って聞く。「わたしってキチガイかしら?」と聞かれた彼はますますめんくらい「ぼかあ、ひとのことをどうこういえる立場ではありません」と答える。

へんな女だなーと思ったら、こんどはジェニーがロバートをストーキングし始める。仕事先の前で待ち伏せし「あなたとわたしは出会う運命だったのだわ」とかいいつつ、強引に誘ってくるようになった。「カレシが怒るでしょ?」といったら「別れたわ。わたしにはあなたしかいない」とおめめきらきらさせてきやがるもんで、ロバートは逃げ腰となる。

こうなると、元々自分がストーカーだったなんてことはもう関係ないのであり、彼は困ってしまうのであるが、ジェニーの攻撃はやまない。朝起きると家の前にクルマが止まってて「これからハイキングに行くからいっしょにおいで。わたしの友達にも会ってね。うふん」とかいうので「今日はおてんきがわるいかも」といったら「わたしのしあわせを台無しにするつもりか!」とかいわれて、仕方なくついていったら、ジェニーは喜んでいるんだが、その友達ってのが明らかにロバートを嫌っており「なんで彼女があんたなんかを選んだのかさっぱりわからない」とかいわれる。はははははは。

そうこうやってる合間に、離婚調停中の奥さん(カロリン・ダヴァーナス)も出てくる。こちらはいかにもNYの都会女なんだが、こいつもまた変人であり、自分から離婚をいいだしたくせに、いまになったら未練が出てきたらしい。それが本気なんだか、からかっているんだかよくわからない魔女キャラである。ロバートは「もうかんべんしてくださいよ」という顔なんだが、この奥さんは夜中に電話をしてきて「あなたに出会わなければよかったわ、ぐずん」といって電話をガチャンと切ったりする。

「きれいな女ふたりにおっかけられていい思いをしてるじゃないか」という人もいるだろうが、ロバートにとってこの状況は苦痛である。彼は人生をなんとかしたいとがんばるのであるが、ここにまたまたややこしいことが起き、えれー事件が起き、ますますヒデー目に遭うのであった。

ちょと追記。

1987年公開の同名の映画『ふくろうの叫び / Le cri du hibou』のリメイクってことでした。こちらは監督クロード・シャブロル。私はそっちを見てないので比べてどうなんだかわかりません。

トレイラー動画

The Cry of the Owl (2009) trailer

パトリシア・ハイスミス著『ふくろうの叫び』

私は原作を読んでないのですが、アマゾンのレビューを見るとなかなかおもしろそうです。


ふくろうの叫び (河出文庫)

感想

原作との違いはわからないので、映画のみの感想になります。

私があらすじを書くとコメディみたいになっちゃうんですけど、これはお笑いでなく、シリアスタッチのサスペンスです。推理ドラマ的な要素もあります。ラストがいいかげんだなあという点以外はおもしろかったですが、好みによって評価がわかれるかもですね。

登場人物たちの行動動機が意味不明に思えるひとは、この映画をつまらなく思うでしょう。ストーキング男を家に招き入れる女とか、自分で離婚したいといったくせにあとからくっついてくる奥さんとかですね、でも、人間って、そういう意味不明の行動をしてしまうときってあるんじゃないかなあと思うので、私的にはオッケーでした。

SPOILER ALERT!!!
ここから先、ネタバレ度中です!

個人的な話題ですませんが、私はこの奥さんみたいな女をじっさいに知っています。彼女の行動は読めません。自分から男をフッてまたあとからくっついていくというパターンを何度も繰り返すので(serial dumper!)、回りもあきれています。真性トラブルメーカーなんだけど、どこか憎めないところがあり、いつもだれかが助けてくれるのでなんとか生きているという調子の女です。いくつになっても自傷少女みたいな。

とつぜん夜中に首吊りをするといいだしたり、ナイフで男をおっかけまわしたりとか、いろんな話題を提供してくれるので、そういうひとはみんなの娯楽ネタを提供しているわけですから、それも自らの人生を賭けてやってるわけですから、だれかが助けてあげないといけないんじゃないですかと私は思っています。彼女を見ていると、世の中うまくできているなあといつも思うのですよ。

この奥さんもそういうひとだったんじゃないかな。この奥さんはとんでもないイタズラをやってそれが最後に発覚してしまうんだけど、暴れる男ふたりを前に「みんな、落ち着いて!」という台詞が笑えましたね。あんたのせいでこうなったんだろうに!ま、詳しくは映画でどうぞ。

てわけで、私的には、このお話はconvincing(日本語でなんといえばいいのかな。『わけがわからなくはない』というような意味合い)だったですが、でもフクロウが死の予兆であるという点だけはよくわかりませんでした。『THE 4TH KIND フォース・カインド (2009)』でもフクロウが意味深シンボルになっていましたが、なんでアメリカ人はフクロウをわるもん扱いするのだろう。フクロウってかわいい動物なのに!

Memorable Quotes

Nickie Grace: I really wish I'd never met you.

Jenny Thierolf: Are you gonna tread on my happiness, Robert?

Jenny Thierolf: Good morning! Are you hungry? I'm naking blueberry pancakes. If I were on death row...
Robert Forrester: Death row?
Jenny Thierolf: Yeah, if I were on death row, I'd want my last meal to be blueberry pancakes. What would yours be?
Robert Forrester: I don't know. I haven't really thought about it that much. Strangely enough.
Jenny Thierolf: Come on, it's easy. You just say what your favorite food is.
Robert Forrester: I'd probably have Chinese. Yeah, Chinese. But I don't think there'd be much point in reading the fortune cookie on death row, huh?
Jenny Thierolf: You know, I was thinking the other day that there's gonna come a point where we experience everything for the last time. I mean, I wonder what my last meal is gonna be, the last book I'll ever read, the last song I'll ever hear. You never think about these things? I mean, I'm just saying it would be quite nice to choose.
Robert Forrester: Because people on death row get to choose their last meal, you think that's nice?
Jenny Thierolf: If you could choose, what would your last song be? Mine would be A Kiss To Build A dream On by Louis Armstrong. You?
Robert Forrester: I don't know.
Jenny Thierolf: Come on, you're not playing.
Robert Forrester: Real Life, Joan as Policewoman. I gotta go, I'm very late. I'm sorry.
Jenny Thierolf: Okay.

Nickie Grace: I can't believe I'm single again, can you? Do you want to go on a date with me?

Nickie Grace: You know Robert, he wants to be everyone's friend, but to be honest with you, I don't really think he likes anybody.
Jenny Thierolf: I don't think that's true.
Nickie Grace: The man's cursed, if you ask me. I've come to realize that some people are poison for you in this life. It's not always clear who they are, but when you find out who it is, you have to cut them out.

Jenny's letter: Dear Robert, I've always had this feeling about you ever since we first met. I know you represented something for me, like my father's friend did for my brother, I just couldn't work out what it was. The signs have been all over the place. It was impossible to ignore them and now I know what I'm supposed to do. I hope you find your way back to the real world if that's where you want to be.

Robert Forrester: I feel so responsible. I feel like I botched something, a person.

Robert Forrester: You know, the first time I saw you, Nickie, I fell for you straight away. You were standing so still in that gallery. You looked like a statue, looking at that awful painting. And then you moved, and I guess it was fucking downhill from then on. I can't help you. I won't help you.

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制作年: 2009年
制作国: カナダ/イギリス/ドイツ/フランス
公開日: 2009年2月7日 (ドイツ) (European Film Market)
2009年6月22日 (ドイツ) (DVD)
2009年8月19日 (フランス)
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2010年3月12日 (アメリカ) (Los Angeles, California)
2010年4月19日 (イギリス) (DVD)
2010年5月21日 (カナダ) (limited)
2010年6月8日 (カナダ) (DVD)
2010年6月8日 (アメリカ) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: The Cry of the Owl
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