2013/5/8 (Wed) at 10:06 pm

映画|シンドバッド七回目の航海|The 7th Voyage of Sinbad

レイ・ハリーハウゼン追悼。カーウィン・マシューズキャスリン・グラントリチャード・エヤー。監督ネイサン・ジュラン。1958年。

シンドバッド七回目の航海 / The 7th Voyage of Sinbad DVDDVD画像

バグダッドのイケメン王子のシンドバッド(カーウィン・マシューズ)は帆船に乗り、美女を連れて航海旅行中。この娘さんはチャンドラ王国のお姫様で、名をパリサさん(キャスリン・グラント)という。

ふたりはバグダッドにいき、王家同士の盛大な結婚式をやる予定である。美男美女のカップルは平和のシンボル。両国の絆は深まる。万事めでたし。好天吉日。天下泰平。

ところが、航海の途中でコロサ島に寄り道をしたらば、ひとつ目巨人のサイクロプスがガオーと出てきて襲われ、ひーこらいって船に逃げ帰ったんだが、ドタバタの最中で、怪しい魔術師男のソクラ(トリン・サッチャー)と出会い、シンドバッドは彼を助けて船に連れてきた。

ソクラは逃げる途中で大事なランプをサイクロプスに奪われてしまい、それはたいそう価値のある魔法のランプなので「お願いですから島に帰ってください」と述べた。ソクラはすごい宝石をジャラーと出し「島にはもっとすごいお宝があるんですよ。サイクロプスを倒せば、ぜんぶあなたのもの」と誘ったが、シンドバッドは断った。結婚式の方がだいじだから。

バグダッドに着くと、かわいいおよめさんがやってきたというんで、国中が歓迎ムード一色。若いふたりはラブラブ。間もなくパリサさんのパパもやってきて、国王同士も仲良くなる。

が、魔術師ソクラだけはランプのことで頭がいっぱい。彼は国王たちの前で得意な魔術をやって見せ、オバちゃんを蛇女に変身させてみんなをびっくりさせ、「どうすか、すごいでしょう?なかなかのもんでしょう?」てな具合にごきげんをとりつつ、「島にいく船をだしてくれませんかね?」とお願いをしてみたが、やっぱりだめであった。

そこでソクラは強攻策に出る。なんと彼はかわいいパリサちゃんに魔法をかけ、こびとにしちゃう。あれぇえ。モスラのザ・ピーナッツのサイズです。

シンドバッドは嘆き悲しむ。これではチューもsexもできないではないか。困ったなあ。彼はソクラがいたずらをやったなんて知らないので「おまえの魔術でなんとかしろ」といったら、「元に戻せますよ。でもその魔法をやるには、コロサ島に住む巨大鳥、ロックの卵の殻がいるのです」とかいう。

てわけで、シンドバッドは水夫たちを集め、特製の巨大クロスボーを船に積み、航海の旅に出る。ミニお姫様もいっしょ。先に登場したサイクロプスを始め、頭がふたつある巨大鳥だの、火を吐くドラゴンだの、チャンバラガイコツだの、レイ・ハリーハウゼンの手による特撮怪物がたくさん登場します。

シンドバッドとお姫様がピンチになると、魔法のランプからジーニー坊や(リチャード・エヤー)が出てきて助けてくれる。彼のほんとの名前はバラーニというんですけど。

トレイラー動画

The 7th Voyage of Sinbad (1958) trailer

感想

この前、『シー・トレマーズ (2010)』の記事を書いたとき、「怪獣を相手にヤリで闘うところは子供の頃に見たシンドバッド映画みたいだった」と書いたら、そのチョイあとに、レイ・ハリーハウゼンが死んだと知ってびっくりしました。あれはお告げだったんだろうか。不思議なこともあるもんです。

シンドバッドとか、アルゴとか、子供の頃、テレビでやるのが楽しみでした。死んだ父がアクション映画好きだったので、いつもいっしょに見ました。お母さんがココアとかつくってくれてさ、昭和の茶の間の風景です。懐かしいよね。

当時、ウルトラマンなど見てましたが、あれもよかったんだが、子供の目から見ても明らかに「中に人間が入っている」とわかるじゃん?でもここらへんの映画に出てくる、巨人とか、チャンバラガイコツとか、ドラゴンとか、ほんとにそこにいて、うねうねと動いているから、夢中になりました。んで、大人になってから、レイ・ハリーハウゼンていう名前を知って、すごいひとがいるもんだと思いました。

サイクロプスさん、かわいそう

いまこの映画を見返すと、島の怪物さんたちが不憫でなりません。なんにも悪いことしてないのに、人間がズカズカ入ってきて破壊しています。大鳥のヒナを殺しちゃうし。

ひとつ目巨人のサイクロプスさんはお宝を集めてましたが、あれは欲深いんじゃくて、彼は難破船の荷物の中から、きれいなものを探して集めていただけですよね。カラスが光るものを集めたがるみたいな。だって、サイクロプスさんが財宝を売ったり、お店で買い物をしたりできるわけないから。

映画の最後では、カワイコちゃんお姫様は財宝を手に入れて「まぁ」ってにっこりするんだが、おまえ、まだカネが欲しいんか、とおもいました。国王の娘のくせに。

シンドバッドは男前

ところで、いま見て気づいたんだが、シンドバッドってやたらめったら歯の浮く台詞をしゃべってたんですね。こんなの↓

「島に上陸するよ。もう食料の心配は要らないよ」つってキスをする場面で↓

Princess Parisa: I think you invented the island for just this purpose.
Sinbad: For another such kiss, I'd invent a whole continent.

お姫様: あなたはこのために島をつくったの?
シンドバッド: あなたとキスするためなら大陸だってつくりますよ。

さぁ結婚式だ、っていうところで↓

Princess Parisa: Do you love me just to save Bagdad from destruction?
Sinbad: I love you because I cannnot do otherwise. Your eyes are mightier than all your father's armies.

お姫様: あなたはバグダッドの平和のために私を愛しているの?
シンドバッド: 愛することしかできないからですよ。あなたの瞳はあなたのお父上の軍隊をぜんぶ合わせても勝てない。

お姫様がバグダッドの美しさに感動する場面で↓

Princess Parisa: I did not think any place could be more beautiful than Chandra... yet Bagdad is.
Sinbad: The city is made lovely by your presence. Without you it is plain.

お姫様: わたしはチャンドラよりも美しい場所はこの世にはないと思っていましたわ。バグダッドにくるまでは。
シンドバッド: あなたがいなければ、この土地はただの平原にすぎません。

彼女がこびとになっちゃった場面で↓

Princess Parisa: Sinbad, how can you love a tiny insignificant female such as I?
Sinbad: A diamond is a tiny thing... yet it is very precious and beautiful.

お姫様: こんなちっぽけな女をどうやって愛するというのですか。
シンドバッド: ダイヤモンドは小さい。そして、気高く、美しい。

昔の映画ってこういう大げさなロマンス台詞が多かったです。私の父はこういう場面になると、茶碗を箸でチンチン叩いて、「あー、わかったわかった!」「はようドンパチやれ!」とかいって、テレビに怒鳴ってました。

ガサツな男だったなあ。と思うが、もしかしたら、家族の前だから照れくさかったのかもしれない。色々と昔を想いだして懐かしく鑑賞しました。

DVDのオマケはレイ・ハリーハウゼン一色

ジョン・ランディスといっしょ
映画|シンドバッド七回目の航海|The 7th Voyage of Sinbad (1) 画像

私が持ってるのは1999年にColumbiaから出たヤツで、オマケはたいへん豪華です↓

  • Original Theatrical Poster
  • Interviews: "A Look Behind The Voyage" (11:47)
  • "Jason and the Argonauts" (11:48)
  • "This is Dynamation" SFX Featurette (03:28)
  • Ray Harryhausen Chronicles (57:54)
  • Theatrical Trailers
    • The 7th Voyage of Sinbad
    • 20 Million Miles to Earth
    • Earth vs. the Flying Saucers
    • The 3 Worlds of Gulliver
    • Jason & the Argonauts
    • It Came From Beneath the Sea
    • The Goldden Voyage of Sinbad
  • Talent Files
    • Ray Harryhausen (Visual Effects)
    • Nathan Juran (Director)
    • Kerwin Mathews
    • Kathryn Grant
    • Torin Thatcher

Interviews: "A Look Behind The Voyage"は、レイ・ハリーハウゼン本人と関係者のインタビュー。『キングコング (1933)』を見て大感動し、ストップアニメーションの世界を知る。自分ちのガレージで工作三昧。父母は息子にたいへん協力的であり、やがて家族ぐるみのお遊びになった。

ウィリス・H・オブライエンと出会い、『猿人ジョー・ヤング (1949)』にお手伝い参加。1950年以降、数々の有名SF映画を手がけた。『水爆と深海の怪物 (1955)』『世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す (1956)』等々。プロデューサーのチャールズ・H・シニアと出会って黄金期へ。

といったバイオグラフィ紹介のあと、本作『シンドバッド七回目の航海 (1958)』の製作について触れている。当時としては珍しいカラー映画だったので、特撮は困難を極めた。とかなんとか、いろいろしゃべってます。

Jason and the Argonautsもレイ・ハリーハウゼンのインタビューで、聞き手はジョン・ランディス。ランディスさんのヒゲがまだ黒いです。『アルゴ探検隊の大冒険 (1963)』を中心に、よもやま話をしゃべっている。ふたりの前にあるのは撮影に使われたガイコツミニチュア。ハリーハウゼンはいろんなキャラをつくったけれども、このチャンバラガイコツがいちばん苦労が多く、思い入れがあるそうです。このインタビューはすごくいいよ。ランディスさんはうれしそう。

チャンバラガイコツのミニチュア
映画|シンドバッド七回目の航海|The 7th Voyage of Sinbad (2) 画像

これもよかったなあ
映画|シンドバッド七回目の航海|The 7th Voyage of Sinbad (3) 画像

"This is Dynamation" SFX Featuretteは「ダイナメーションはすごいんですよ!」と宣伝する特撮主体の映像。いまでいうBehind the Scenes Teaserですな。

Ray Harryhausen Chroniclesはさらに詳しくて見応えのあるドキュメンタリ。60分近くある。ナレーションにレナード・ニモイ

このDVDのオマケをぜんぶ見ると、ハリーハウゼンさんを他人とは思えなくなってきます。あー。合掌。

Ray Harryhausen: There always be room for good fantasy film. It stretches the imagination. I think it'll be a staple on filmmaking for many years to come.

この映画のDVDは映画本編のみ英語字幕つきです↓

日本版はどうせ高いんだろうと思ったら、意外に安いではないですか。Blu-Rayが1489円ですって(本日の価格)↓

UKから出た新作ドキュメンタリもあるよ

今年3月に出たこのBlu-Rayがたいへん評判いい↓

Ray Harryhausen: Special Effects Titan
amazon.co.uk - Ray Harryhausen: Special Effects Titan [Blu-ray]

私はこれを未見ですが、死んだから評判になってるんじゃなくて、出た時点でファンはわーわーいっていたので、きっとよいドキュメンタリ映画なんだとおもいますよ。

こちらには、ピーター・ジャクソンジェームズ・キャメロンジョン・ランディスティム・バートンテリー・ギリアムスティーヴン・スピルバーグジョー・ダンテギレルモ・デル・トロといったすごい人たちが出てきて、「ハリーハウゼン、ばんざい!」と三唱しているらしい。もちろん本人も出ます。IMDbのページ↓

また、IMDbには載ってないんだが、amazonの紹介ページによれば、エドガー・ライトサイモン・ペッグといった若手も出てくるらしい。

画像

画像をもっと見る (118枚)

twitterのご案内

当ブログをお読みくださり、ありがとうございます。twitterやってます。ホラー映画好きな方はフォローしてくださいませ。サイトの更新や新作ホラーの情報を随時流しています↓

Facebookのご案内

ホラー映画 :: 洋画』の最近のエントリ

ホラーなブログの方はどうぞ
原題: The 7th Voyage of Sinbad
別題: Simbad y la princesa
Sindbads 7. Reise
El septimo viaje de Sinbad
Il 7° viaggio di Sinbad
Le septième voyage de Sinbad
Simbad E a Princesa
Sinbad harikalar diyarinda
Sinbad y la princesa
Sinbads 7. rejse
Sinbads tusen äventyr
Sindbadin uudet seikkailut
Sindbads siebente Reise
Szindbád hetedik utazása
To 7o taxeidi tou Sevah tou Thalassinou
To 7o taxidi tou Sevah
邦題(カタカナ): 『シンバッド七回目の航海』
制作年: 1958年
制作国: アメリカ
公開日: 1958年12月12日 (フランス)
1958年12月23日 (アメリカ)
1958年12月29日 (日本)
1959年1月8日 (イタリア)
1959年2月25日 (スペイン)
1959年3月5日 (香港)
1975年7月19日 (日本) (再リリース)
imdb.com: imdb.com :: The 7th Voyage of Sinbad
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
アートディレクション
セット制作
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
  • 〜追悼・・・。〜 - Paracelsus55の\(^ω^)/

    レイ・ハリーハウゼン(RayHarryhausen、1920年6月29日〜2013年5月7日)さんお亡くなりになられてしまいました。92歳。特撮技術の歴史を作られた方。ストップモーション・アニメーターとし...

    2013/5/9, 11:07 PM

ホラーSHOX [呪](『ほらーしょっくすのろい』と読む)は新作ホラー映画のレビュー中心のブログです。たまに古いのやコメディ等もとりあげます。HORROR SHOX is a Japan-based web site, which is all about horror flicks.

 

すべての投稿 (1543)

CALL GIRL COMIC by DAIJU KURABAYSHIEL GIGANTE COMIC COMIC by DAIJU KURABAYSHI
HORROR SHOX - Horror Reviews, News