映画|Bloodline: Vengeance From Beyond
内臓コレクターの外科医キラーが出てきてびっくりするイタリアのホラー映画。インディーズ低予算。Francesca Faiella、Virgilio Olivari、Marco Benevento。監督Edo Tagliavini。2011年。
ここはイタリア。
カメラマンのマルコ(Marco Benevento)と、ディレクターのサンドラ(Francesca Faiella)のコンビが「ポルノ映画の舞台裏を取材しろ」という仕事をもらう。長距離ドライブをして着いた先は、田舎にある瀟洒なお屋敷であった。
コンビが取材する相手は、最近売り出し中の映像クリエイター集団で、彼らの作品はリアリティに富み、エロティックで、ゴージャスで、フェティッシュで、独自の映像美があるゆえ、単なるポルノではないと世間から注目されている。プロの女優にエッチ好きな素人さんたちを共演させ、アヘアヘ場面を撮影するってことをやってるらしいです。
コンビはさっそくプロデューサー兼メイン男優のトニーさん(Virgilio Olivari)に挨拶をし、映画の関係者たちと出会う。クラウス(Paolo Ricci)は監督さん。ジアーニ(Fabio Rizzuto)はカメラマン。ヴィクトリア(Valentina Del Rio)はポルノスター女優。ジェリー(Francesco Mastrorilli)はトニーの片腕で、ロケハンやらめしづくりやらをやるんだが、彼はただの雑用係ってわけでなく、映画の雰囲気づくりにおいて、重要な役を果たす。
こんなプロのメンツに加え、映画のためにスカウトされたエッチ好きな素人カップルもいる。彼らはお屋敷に寝泊まりし、共同生活をやりつつ、撮影をやる。そのようすを取材するのが、コンビの仕事である。
んで、翌日から撮影が始まるんだが、この家には陰惨な過去があるのであった。こんなの↓
20年前。美しい妻を持つ医師がいた。ある日、妻は病気になり、急に内臓の移植をしなくちゃいけなくなったんだが、ドナーは見つからず、彼女は死んだ。以来、医師は狂っちまって、内臓コレクターになった。そこらへんのひとをブッ殺して、内臓を奪った。彼はたぐいまれな技術を持つ外科医だったので、生きたまま内臓を取り出すことができたそうな。彼の手にかかると、最後に心臓を取りだす瞬間まで、人間は生きていたという。活け造りの板前さんみたいなもんですかね。犠牲者は自分の肉体がからっぽになる過程を目撃し、ウギャーと死んでいったのである。おー、こわいこわい。
という話であるが、じつは、ディレクター女のサンドラさんは、子供時代、この内臓コレクターに襲われ、妹を殺された過去がある。彼女は今回の取材の場所が自分にとって因縁の場所であるという点を承知した上でやってきたのである。
そうこうするうち、死んだ妹のオバケが出てきてびっくり。そして、大昔に死んだはずの内臓コレクターも出てきて、もっとびっくり。そして、さらに、ゾンビみたいな怪物さんも出てきやがるから、ますますびっくりするのである。ひー。
トレイラー動画
Bloodline: Vengeance From Beyond (2011) trailer
感想
お話はおもしろく、設定はよく、俳優さんの演技はよく、グロゴアも低予算ながらがんばっているんだが、絵がよくない気がする。撮影技術が伴っておらず、安っぽい。特にオバケとアクションシーンの絵がよくないように思える。
エロティックでフェティッシュな映像美を売り物にするポルノ撮影隊というくらいなんだから、なにかこう、昔のジャーロ風のアングラ美が漂うような映像だとよかったよね。そこにグジャッとグロが出てきたらすごくいいよね。そこらへんを狙っているのだろうというのはわかるんですけどね。
とまァ、文句はあるけど、最後はどどーんと盛りあがったし、もう少し予算があって技術が向上したらこの監督さんは化けるのではないか、と思えるポテンシャルは感じられたからよしとします。エンドロールの最後にびっくりtwistが入っているから、忘れずに見るといいですよ。
この映画はイタリア語をしゃべっていますが、DVDには英語字幕がついていました。オマケはなんにもナシでした↓
ところで、最近のイタリアのホラーといえば、これがかなりよかったんですが↓
まだ日本版が出ていないのですね。どうして出さないの?おもしろいのに。
画像
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Bloodline | |
Bloodline - Der Killer Bloodline 3D | |
2011年 | |
イタリア | |
2011年6月8日 (イタリア) (ROMA TRE Film Festival) 2011年12月9日 (イタリア) 2013年2月21日 (ドイツ) (DVD) | |
imdb.com :: Bloodline |
- Mario Calamita [imdb]
- Virgilio Olivari [imdb] (story)
- Edo Tagliavini [imdb] (screenplay)
- Taiyo Yamanuchi [imdb] (screenplay)
- Francesco Malcom :: フランチェスコ・マルコム [imdb] (Riccardo)
- Francesca Faiella [imdb] (Sandra)
- Virgilio Olivari [imdb] (Tony)
- Marco Benevento [imdb] (Marco)
- Alessandra Aulicino [imdb] (Samantha)
- Monica Citarda [imdb] (Giulia / Sandra)
- Valentina Del Rio [imdb] (Victoria)
- Roberta Fossile [imdb] (Mother)
- Francesco Mastrorilli [imdb] (Jerry)
- Elena Ravaioli [imdb] (Luana)
- Paolo Ricci [imdb] (Klaus Kinki)
- Fabio Rizzuto [imdb] (Gianni)
- Bruno Valente [imdb] (Christian)
- Mario Calamita [imdb] (executive producer)
- Virgilio Olivari [imdb] (producer)
- Giuseppe Tagliavini :: ジュゼッペ・タリアヴィーニ [imdb] (digital compositor)
- Mario Calamita [imdb] (visual effects)
- David Bracci :: デヴィッド・ブラッチ [imdb] (special effects assistant)
- Sergio Stivaletti :: セルジオ・スティヴァレッティ [imdb] (special effects)