2011/5/21 (Sat) at 12:20 pm

映画|ザ・ライト 〜エクソシストの真実〜|The Rite

バチカンのエクソシズムを描いたホラー映画。コリン・オドナヒューアンソニー・ホプキンスアリシー・ブラガ。監督ミカエル・ハフストローム。2011年。

ザ・ライト 〜エクソシストの真実〜 / The Rite DVDDVD画像

マイケル・コヴァク(コリン・オドナヒュー)は、父(ルトガー・ハウアー)とふたり暮らしで、家業である葬儀屋を手伝っていたんだが、将来を考えて神学校に入学する。

成績優秀で学業を修めたが、聖職者になるのは気が進まず「信仰がないのでそっちの道はやめます」と先生(トビー・ジョーンズ)に申し述べたところ「きみは自分で思ってるほど無神論者じゃないとおもうヨ」と引き止められ「エクソシストになるのはどうよ。バチカンで勉強しておいで」といわれる。

はるばるローマにいってエクソシズムの授業を受けるが、ここでも先生(キアラン・ハインズ)相手に議論をフッかけて、変人ぶりをアピール。彼を見た先生は「きみにうってつけの場所があるよ。そっちにいきなさい」つって、ルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)を紹介される。「ルーカスさんはすごく変わってるけど、きみにはイイんじゃないか」なんだそうな。

ルーカス神父てのは、ノラネコだらけの田舎の家にひとりで住んでて、村人相手に悪魔払いをやっている風変わりな年配の神父さんであった。マイケルは彼に弟子入りして、悪魔払いを見せてもらう。

という一連の流れを見てわかるとおり、マイケルという青年はどこにいっても安住できないのであるが、その都度、先輩神父から「あそこにいけ」と示唆を与えられるんですな。

彼は自ら「ぼくには信仰がない」と公言している通り、聖職者らしからぬマインドの持ち主なんだが、決して、教会を冷笑している、というスタンスではなく、自分自身が求める答えを欲しがっているだけなんだと思われます。

実際、彼は他者に対して思いやりのある性格です。『ハートウォーミングなニヒリスト』なんですな。そんな彼の善良さというものが先輩の神父さんたちにはピピッとわかるみたいで、ゆえに「首だ!」とか「おまえはけしからん!」とか、怒られることはなく「あっちにいっておいで」と新たな居場所をつくってもらえる。ある意味、幸運なヤツです。

さてさて、ルーカス神父に弟子入りしたらば、さっそく、お腹の大きな若い娘さんがやってくる。彼女は悪魔に憑かれているんだそうで、何度もルーカス神父のセッションを受けている。マイケルも同席させてもらって、人生初の悪魔払い儀式を目撃する。

ほんとかなー。なんかうそくせえなー。てな調子で見守るのであるが、この先えれーことが起きる。

悩めるマイケルの前にジャーナリスト女(アリシー・ブラガ)が出てきて、取材をさせろといわれる。彼女はこの先、彼を助けてくれるようになります。

トレイラー動画

The Rite (2011) trailer

感想

この映画は先月(2011年4月9日)『ザ・ライト 〜エクソシストの真実〜 (2011)』という邦題で劇場公開されましたが、私は、今月発売されたUS版DVDを観ました。

さて、感想ですが...。

期待して見たんだが、おもしろくなかったです。

以下、文句です。

最初のほうで、ルーカス神父がこのようにいうんだが、

Choosing not to believe in the devil won't protect you from him.

悪魔の存在を信じない選択をすることが、すなわち、悪魔から無防備になるのです。

なんだかわけのわかったようなわからないような、禅問答みたいな話だが、これがこの映画に通底するテーマなのかなとおもいました。かつて、散々言い尽くされ、書き尽くされ、語り尽くされてきたこの主題をどのように料理するのであるか、という点に注目したんだが、ぴんとこなかったよ。

『バチカンの真実』というわりには、よくあるビジュアルに頼りすぎではないか。赤い目の犬とか、講義のシーンで出てくるスライドとか。教会の教義というコンテクストの中での『悪魔』というからには、もっと別のありようが望ましいように思える。それがなにかって聞かれても困るわけですが。

この映画で一番悪魔的に思えたシーンは、ルーカス神父が子供をペシッとブン殴るところです。あれはギョッとしましたねえ。あれはいい。ああいうのが悪魔的なんだよね。アンソニー・ホプキンスはさすがアンソニー・ホプキンスで、いくつかいい場面はあったけれど、それでぜんぶオッケーということにはならなかった。

マイケルさんが最後に悪魔払いをやるところ、結局、彼がやったのは、「名を名乗れ!」と叫んだだけではないか。あの経験を通じて、彼の内面においてどのような心的変化があったのか、という点が私にはよくわからない。そこを如実に描くべきだと思うんですけれど。

悪魔に憑かれた○○さんが、卑猥な言葉をいったりとか、Dude呼ばわりするとか、ああいうのはもういいってかんじ。もっと根源的に悪魔的なありようをdisgustingにやってもらわないといかん。

SMプレイでも単に相手をぶん殴るだけじゃ興奮しないじゃん。人間の精神を揺さぶる情感があって初めて『愛』の境地に達することができるわけですよ。この映画のエクソシズムは、単にムチでバシバシぶん殴ればSMいっちょうアガリと定義している、と同じに見える。

そんな調子で「パッとせんなあ!」と文句をいいつつ、最後まで見たんだが、ラストのラストで、ルーカスさんがスッキリ顔で出てくるところを見たらば、これはやっぱりだめだとおもいました。すべてが軽すぎる!Light rite! It's NOT right...... sigh...

いやー、文句タラタラになっちまって、すきなひとにはすません。私は期待しすぎてしまったのかもしれない。

最後に、よかったところもチョロっと書きます。

憑依妊婦を演じたイタリア人の女優さん、マルタ・ガスティーニというひとがよかった。と思ったら、このひと、ダリオ先生の新作『Dracula 3D』のミナ・ハーカー役にキャスティングされているではありませんか!おぉおおおお!はやくみたい!もうきぶんはそっち!

ついでにいうと『Dracula 3D』には、マイケルのパパを演じたルトガー・ハウアーがヴァン・ヘルシング役で出るんですよ。おもしろそうだなあ。

もっとついでにいうと、ルトガー・ハウアーのバイオレンス話題作『Hobo with a Shotgun』は来月(じゃなくて7月だった!失礼!)US版DVDが発売予定。こちらも楽しみですな。私も予約したよ↓

うわーとなっちまって2-Disc Collector's Editionの方を注文したんですが、なにが違うのかよくわからない。まぁくればわかるからいいんですが。

映画と関係ない話になっちゃったんだが、感想おしまい。

DVDのオマケ

  • Deleted Scenes (12:38)

『Deleted Scenes』にはギョッとするヤツがいくつか入っていましたよ。このDVDは、本編/Special共に英語字幕つき。

Blu-rayだともっとイロイロ入っているらしいんだが、私は持ってないからわからないです。

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邦題(カタカナ): 『ザ・ライト -エクソシストの真実-』
制作年: 2011年
制作国: アメリカ/ハンガリー/イタリア
公開日: 2011年1月26日 (アメリカ) (Hollywood, California premiere)
2011年1月28日 (カナダ)
2011年1月28日 (アメリカ)
2011年2月24日 (香港)
2011年2月25日 (イギリス)
2011年3月9日 (フランス)
2011年3月10日 (ハンガリー)
2011年3月11日 (イタリア)
2011年3月17日 (ドイツ)
2011年3月18日 (スペイン)
2011年4月9日 (日本)
2011年4月20日 (韓国)
imdb.com: imdb.com :: The Rite
監督
脚本/原案
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