映画|バックヤード|Backyard (El traspatio)

Based On Actual Events.

1996年。

メキシコ、シウダフアレス。アメリカと隣接する国境の町。

「貧乏人と、チンピラと、私腹を肥やす金持ちしかいませんよ」という雰囲気のシウダフアレスでは、しょっちゅう女性の惨殺死体が発見される。ガガーとレイプされ、ムシケラのようにブッ殺され、砂漠に捨てられるというのが日常的で、警察の捜査はぜんぜん追いつかない。刑事たちは犯罪件数さえまともに把握していないという始末。

「犠牲者何人になった？」「さぁ、60人？」「行方不明者も入れたら600人を超える」「わかってるだけ」という調子のダルダルで、つまり、ここじゃわるもんは完全に野放し状態で、好き勝手にブッ殺しまくっているのである。

そんなおっかない町に若い女性刑事（アナ・デ・ラ・レゲラ）が赴任してくる。「まぁ、ひどいもんですな」とあきれてしまうのであり「わたしがなんとかせねば」とがんばるんだけど、無能な上司だの、慢性的な人手不足だの、といった障害に苦労する。

女刑事の奮闘を中心に、工場労働者をドレイとしか考えない日系企業の冷血日本人／隣国アメリカにへつらう政治家／無能な警察官僚、といったよくあるみなさんの風景が進行しつつ、この町にやってきたひとりの女の日常がサブストーリーとして描かれる。

貧乏村を脱出し、従姉妹を頼ってシウダフアレスにやってきた貧乏ネーチャン。彼女は従姉妹と同じく日本企業の工場で働きだす。安い工賃でコキ使われるんだが、本人は大喜びで「ここじゃ1日に9時間働くだけでいいんだ！おまけにおカネももらえる！」つって喜ぶが、この純情田舎娘が、初めての給料をもらったら、たちまち色気づく。男とダンスして、ドライブに連れていかれて、というおなじみのパターンにハマってヒデー目に遭う。

トレイラー動画

感想

メキシコのこの町じゃ、実際にこんなヒデー事件がばんばん起きているそうです。こわいですね。この映画は話題になってたので「どんなもんかえ」と観てみたけど、政治的な話はおいといて、映画としてはつまらなかったなあという印象でした。

資本家 = 冷血なわるもん。警察官僚 = 無能。政治家 = これまた無能。貧乏人 = かわいそう。善良刑事 = がんばる。

これだけ！

善人も悪人も、すべてがステレオタイプなキャラ設定で、個性がかんじられなかったのですね。実際にこうだからこう描くしかないんですよ、ということかもしれないけど。

主役の女刑事さんはがんばってるのはわかるんだが、結局、あまり大したことはやってなかったし、最後は感情的に銃をばんばんっていうのがつまらなかった。やたら長いわりには（2時間）、印象的なシーンがなかったなあ。と私は思うんだけど、この映画をおもしろいと考えるひともいるみたいだ。わからない！

ところで、主役のアナ・デ・ラ・レゲラていう女優さん、私、ぜんぜん知りませんでしたが、スゲー美女だったんだ！こんなんですよ↓

• Ana de la Reguera - 画像検索

この映画では、完全スッピン顔の、泥臭い雰囲気の田舎女刑事という風だったですが、こんなセレブなひとだったとは驚きました。がんばって役づくりをしたのですね。

ちょと追記。

メキシコ映画をよく観てる人のレビューがあった↓

• 愛と情熱のスペイン語映画 - Backyard/El traspatio

たいへん詳しく書かれてあって勉強になりました。どうもありがとう。

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