2010/5/12 (Wed) at 7:15 pm

映画|プレイグ・タウン|Plague Town

アイルランドの田舎。謎の畸形子供集団がガオーとひとを襲うホラー映画。ジョスリン・デクロスタエリカ・ローデス。監督デヴィッド・グレゴリー。2008年。

プレイグ・タウン / Plague Town DVDDVD画像

14年前。

アイルランドのどっかの村。異形の赤ん坊がオギャーと産まれる。神父がやってきて殺してしまえと銃を出す。が、赤ん坊のパパにガガーとブッ殺される。異形ベイビーは生き延びた。

現在。

アイルランド系アメリカ人の家族4名(パパ + ママ + 娘2名)と部外者のアンちゃん1名というみなさんが登場。この家族は自分らのルーツを知る旅をしようとアイルランドにやってきたんだが、なにやら雰囲気が悪い。ド田舎の風景を見た年長の娘は「あー、やってらんねー!ホテルのほうがマシだわ!ぶちぶち」と文句をいえば、妹が「おねえちゃんはうるさい!」と言い返し、パパは「こらこら、仲良くしろ」という。

これを見守る傍観者アンちゃんは、姉と知り合ったばかりのアイルランド人ボーイフレンドである。一般的な話、男の立場からすれば、知り合ったばかりの女の家族イベントなんて逃げたくなるものだが、この男は図々しいというか、まったく気にしない性格のようであり、ニコニコ笑顔でくっついてきて「ほんとになんにもありませんねー。あっはっは」とかいいつつ、パパの前で娘とイチャイチャするのだ。このあけっぴろげな性格はアイルランド人というよりブラジル人気質ではないか。

彼らはてくてく歩いて、結局、なんにもナイということを知るんだが、その合間の会話から、ママは娘たちのほんとのママじゃないという点が明かされる。再婚したいパパが、自分の恋人と娘たちとを会わせ、みんなは親睦を深め合うというのがこの旅行の目的だったらしい。おそらく、パパ的には、祖国アイルランドの美しい風景を見て感動するファミリーはしみじみとしあわせをかんじ、家族はひとつになる、きてよかったー、いやー、よかったですよまぢで。パパとしてはこんな展開を想定していたみたいだが、それ、甘すぎ。

娘のぶちぶち文句はとどまらず、これに腹を立てた妹は姉を「カント!」と罵り、怒る姉は「おねーちゃんにそんな口を叩くなんて、ピルが足りないんじゃねーか。サイコ女め!」と言い返し、義理ママが思わず「ちょちょ」と口を出したら「ママぶってんじゃねーよ。ひっこんでろ!」といわれて涙目となり、パパはなすすべなく呆然とし、これを見守るアンちゃんは「なんかいろいろたいへんっすね」といったら、パパはムス顔で「おまえはサイドラインに引っ込んでおれ」と答える。

こんな調子でなんだかんだやってるうちに、最後のバスが走り去る。彼らはこの土地に取り残され、野宿するしかないのかと思ったら、そこに、あれだ、フリークスなガキどもがガオーと出てきて、こわい目に遭わされるのであった。きゃー。

Plague Town trailer

感想

姉は妹を狂人扱いするような発言をしてずいぶんヒドいんだが、この妹はじっさいに心の病気があるらしい。姉は「妹の性格は母譲りなのだ」といっていました。という点からして、冒頭プロローグとこの家族の過去はなにか関係しているのだなと思ったもんで、ホームドラマ的な描写をくどくど書いちゃったんですけど、結局、なんも関係なかったよ。彼らはたまたまそこにやってきて運悪く襲われただけでした。

フリークス村の連中がひとを襲う理由ってのがこういうことらしいんだが↓

この村は代々奇形児が産まれることが多くて、村のひとたちは外部の人間の血液を混ぜることによって、呪われた一族を『浄化(cleanse)』できると信じ、ふらりと入ってきた人間を繁殖目的に拉致監禁している。

てことかなと思ったんだが、すぐに殺すときもあった。どういう理由で選んでいるのか謎でした。なんで?

ローズマリーって女の子が出てきます(ミア・ファローのアレのオマージュ?)。彼女は目がない。あれが14年前に産まれた女の子っていうことですね。盲目の彼女は目の代替物としてへんなのを顔にくっつけているんだが、あれは少し笑っちゃったが、でも、じっさいに知らない土地に置き去りにされてあんなもんが出てきたらやっぱりこわいわなと。

この映画では子供たちがたくさん出てきます。白塗りのキモメイクでジャジャーンと出てきて、ウスラ笑いを浮かべて大人たちを襲う。どう見ても頭の足りない子供たちなんだが、その割にはきちんとした身なりをしていました。ちゃんと靴を履いているし、手がアップになるシーンでは爪切りもしているとわかった。

子供たちのめんどうを見ているオカミサンがいたので、大人たちが世話を焼いているみたい。でもあんなキチガイ子供なんだから、もっとソレらしい演出、たとえば、靴を反対に履くとか、シャツを後ろ前に着てるとか、中にはフリチンで走り回ってるガキもいるとか、いかにもアンポンタンな格好をさせた方がソレらしくていいんじゃね?なんて余計なお世話ですません。

デヴィッド・グレゴリー監督のインタビュー

監督のインタビューがありました↓

元々ドキュメンタリが専門だったのが、ある日とつぜんホラー映画をつくってみましたよということだそうです。imdbを見るとすごくたくさん作品があります。この映画に関しては、「よくあるホラーの筋書きなんだが、ちょっとちがうぶぶんもある。そういうのをやってみましたよ」みたいなことをしゃべっています↓

I don't really see Plague Town as a conventional horror film but it does have a formula that we’re familiar with. A group of people lost in rural area and that’s where I try to twist things and make it different.

まぁほんとにそんなかんじの映画だったですね。ソツなくつくってあるホラー映画。ゴアゴアはチョロッとあります。

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原題: Plague Town
別題: A Slaughter in Plague Town
Plague Town - It's in the Blood
制作年: 2008年
制作国: アメリカ
公開日: 2008年10月28日 (イタリア) (Ravenna Nightmare Film Festival)
2009年4月3日 (アメリカ) (Phoenix Film Festival)
2009年11月1日 (イギリス) (Gorezone's Weekend of Horrors)
imdb.com: imdb.com :: Plague Town
監督
脚本/原案
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プロデュース
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