2010/3/2 (Tue) at 1:05 am

映画|運命のボタン|The Box

善良夫婦の元に謎ボックスが送られ、究極の選択を迫られる不思議ミステリー。原作はリチャード・マシスンの短編小説『Button, Button』。キャメロン・ディアスジェームズ・マースデンフランク・ランジェラ。監督リチャード・ケリー。2009年。

運命のボタン / The Box DVDDVD画像

1976年。バージニア州リッチモンド。クリスマス間近の某日。

早朝。善良かつ平凡かつ幸せな3人家族(妻キャメロン・ディアス + 夫ジェームズ・マースデン + 少年息子)の家の玄関に、だれかが木製の箱を置いていった。箱には大きなボタンがついているんだが、その由来/用途/意図などまったくわからない。メモが添えられており「5時にスチュワード氏がご説明にあがります」とだけ書かれてあった。夕方、メモの通りにスチュワード氏がやってきた。彼は礼儀正しい紳士なのだが、ほっぺたがスプーンですくったアイスクリームのように凹んでいるという怪奇な顔をしている。なにか気の毒な事故にあったのだろうか。氏は挨拶をして家に入り、次のような説明をした。

「このボタンを押すと、2つの出来事が起こります。ひとつめ。だれかが死にます。ふたつめ。あなたは100万ドルをもらえます。そんだけ。おしまい」

だそうである。妻はぽかんとした。スチュワード氏はブリーフケースの中身を開けてみせた。そこには100ドル札がぎっしり。妻は目をまるくした。

「ボタンを押す押さないはあなたの自由です。ご主人と相談して決めたらいいです。24時間後にわたしが回収にきますので、押すんならそれまでに押してください。このことはご主人以外のひとにはないしょです。それがルール。だれが死ぬかはあなたには関係ありません。奥さんの知らないだれかが対象になります」「はぁ」「わかりましたか?」「はい... んで、もし押したら、あなたはわたしにお金をくれて、んで、どうするの?」「この箱を回収したら、中身をプログラムし直して、また他のだれかに同じことをします」

謎の老紳士の口調はよどみがなく、百万回も同じことをやってきたのかなと思える調子である。妻は返答に困ってしまう。すると、紳士はぴかぴかの100ドル紙幣を1枚渡す。「これは、わたしの話を最後まで聞いてくださったことに対するお礼です。無条件でさしあげます」「ボタン押さなくても?」「ええ。もちろん。これはお礼ですから。では、さようなら」

スチュワード氏は去っていった。夜になって帰宅した夫に妻はぜんぶ話した。夫婦の苦悶が始まる。うそにきまってるだろ。でももしほんとだとしたら?どうする?どうしよう。ああああああ、100万ドルだよ!どうしよう!

The Box trailer

原作はリチャード・マシスンの短編小説『Button, Button (1970) 』

リチャード・マシスン (Richard Matheson) 原作の短編小説『Button, Button』を元にリチャード・ケリーが脚本を執筆。原作の風味は活かされているが、物語は大幅に脚色/付加されている。同小説は『Playboy (July, 1970) 』に掲載された。その後、集英社の『月刊プレイボーイ1979年11月号』にて『死を招くボタン・ゲーム』という題名で日本語の翻訳が掲載された。訳者は伊藤典夫。また、この短編小説は『トワイライト・ゾーン / The Twilight Zone (1985-1989 on CBS)』のシーズン1の#50のエピソード『Button, Button』としてドラマ化された(1986年3月7日オンエア)。『トワイライト・ゾーン』のエピでスチュワード氏を演じたバジル・ホフマン(Basil Hoffman)が『運命のボタン / The Box』にチョイ役で出演しています。

小説について以下のページの情報を参考にさせて頂きました↓

てわけで、この小説は雑誌に掲載されただけ(らしい)ので、手軽に本を取り寄せて読めるもんではないみたいなんですけど、あらすじを簡単に書いてくださっている人のブログがありました。参考になりました。どうもありがとう。以下にリンクしますが、映画と小説は結末を含めてずいぶん違うので、小説のあらすじを読んでも映画のネタバレにはならないと思います↓

またCBSのドラマについての詳しい情報を知りたい方はこちら↓

感想

『笑ゥせぇるすまん - リチャード・ケリー・バージョン』でした。『ドニー・ダーコ』のリチャード・ケリーなので、いろんな難解/意味深/謎解きからくりが随所にあります。忍耐が要ります。『ドニー・ダーコ』は私はかなり好きで、何度もDVDを観て、以前、超ロングなレビューを書いたんですが↓

『運命のボタン / The Box (2009) 』はそこまでハマるほどのもんではなかったような。ネタバレのサイトを見てると「○○の数字をぜんぶ足したら13になってどーのこーの」なんて調子のセオリがいろいろ出てますが、もうそういうの疲れちゃうから私はいい!ってかんじです。結末ラストはわかりやすかったですが、そこにいくまでのお話がいろいろあってですね、とにかく冗長なんですよね。これ、日本でシアター公開されるそうですが、軽いノリのミステリーホラーだと思って観に行くとハズした気分になるのではないかしらん。こういう映画はゆっくりDVDで鑑賞して、いちいちポーズして台詞の意味を考えたりしつつ観るもんじゃないですかね。あるいは謎解き好きな人はパッとわかるのかな。私はいちいち考えながら観ていたので、時間がかかってしまいました。疲れました。

『ドニー・ダーコ』でドニーのパパを演じたホームズ・オズボーンが出てました。奥さんの父親で刑事というrole。ドニーパパはナニゲに瞬間ギャグを放つソリッドなキャラでしたが、こちらも同じくよかったです。重苦しい映画なんだけど、彼のところだけはポケーと観てておもしろかったです。これ↓

Dick Burns: Yeah, who are you, Lynyrd or Skynyrd?

ところで、もう映画はどうでもいいから、キャメロン・ディアスについて私は書きたい!

キャメロン・ディアス老けすぎ

みなさんもご承知の通り、ハリウッドのアンチエイジング技術というもんはおそろしく高度な先端技術が結実する分野であり、美容整形ばかりでなく、メイクアップとか、特殊な化粧品とか、映像的Photoshoppingとか様々なハイテクがあると聞きます。一般的な話、アメリカ人女性は見ためがババァ化するのが早いですが、ハリウッドのセレブのみなさんに限り、その法則はあてはまりません。30過ぎの女優さんがギャルギャルのroleを違和感なく演じるというのもよくあるじゃないですか。しかるに!この映画のキャメロン・ディアスはヒデーなあ。

映画の冒頭。ホームドラマ的シーン。朝、キャメロン嬢演じる奥さんが息子と夫を「いってらっしゃい」と送りだすところ。息子との会話で「いやん。ママはまだ35ヨ!」なんてぬかすので、私は驚きました。てっきり40過ぎだと思っていたのです。imdbで誕生日をチェックしたら、実年齢37歳と知って驚きました。絶句。んで、次は夫を送りだします。ここではニターリとオバサン顔で笑って「わたしら、まだまだmidlife crisisなんて早いわよね〜。テヘッ」なんていうのです。年齢に関する台詞が連続するという点からして「おまえ、相当気にしてるだろ!」といいたくなります。じっさいは監督さんがやらせてるわけですが。

さらに次のシーンになったら、教師である彼女がどっかの教室で子供たちに哲学を教えているんだけど、その内容がサルトルの地獄定義なのです。『息子との会話 → 夫との会話 → サルトルの地獄』という展開に、私はメロメロになってしまいました。やはりリチャード・ケリーはただものではないなと。キャメロン・ディアスに連続でこんな演技をさせて、フィルムを編集して、イヒヒできたできたと喜んでるくらいだから、彼はサディストにちがいない!

夫役のジェームズ・マースデンといっしょにいると姉弟にしか見えません。役づくりと衣装メイクを工夫したら母息子でもイケそう。ジェームズ・マースデンはFOXの『Ally McBeal』で青年弁護士を演じていたのをよく覚えていますが(『I Only Want To Be With You』がヨカッタ!)、あの頃に比べると少し老けたけど涼しい目元は変わらないかんじで、こちらは普通にハリウッドボーイです。女優キャメロン・ディアスの心中を察しつつ映画を見ていると、人生の冷酷さというものがひしひしとかんじられました。リチャード・ケリーは意味深謎解き要素を盛り込むのが大好きな監督であるという点からして、そこを狙った意図的なキャスティングなのかも(なわけない!)。

ほっぺたがえぐれた怪紳士よりも老け顔キャメロンの方が私にはインパクトがありました。

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邦題(カタカナ): 『運命のボタン』
制作年: 2009年
制作国: アメリカ
公開日: 2009年10月29日 (オーストラリア)
2009年11月4日 (フランス)
2009年11月6日 (カナダ)
2009年11月6日 (スペイン)
2009年11月6日 (アメリカ)
2009年11月19日 (ロシア)
2009年12月4日 (イギリス)
2010年2月18日 (ドイツ) (DVD)
2010年5月8日 (日本)
2010年7月21日 (イタリア)
imdb.com: imdb.com :: The Box
監督
脚本/原案
出演
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音楽
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編集
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