映画|ディセントZ -地底からの侵略者-|The Burrowers

19世紀、西部開拓時代のアメリカ。荒野に住む一家が凶悪な『なにか』にダダーと惨殺され、数人がさらわれるという事件が発生した。死体には独特の切り傷があってきもちわりー。なぜ敵は一部の人たちを拉致したのか理由不明。残された者たちは救出チームを結成して行動開始。みんなは日頃敵対しているアメリカンネイティヴの仕業であるとと信じているようすで「わるもんインディアンをブッころせ〜」と威勢をあげていくんだが、どうやら敵はインディアンじゃなくて、地面に潜む補食生物だったみたいよというホラー。ウィリアム・メイポーザーの悲しみ演技を楽しもう。イヤーなじっとり感のあるブキミ演出がなかなかよい。

※感想

この生物は夜になるとウガーと出てきてひとを襲うんだけれど、行動に特長がある。すぐに食うんじゃなくて、いったん人間をさらっておいて、その肉体にへんな毒を仕込む。そして生き埋めにする。犠牲者は毒のせいで仮死状態になる。目を開けたままで自分の肉体が腐敗していくのを見守るという恐怖を味わわされる。こわいですね。やがて肉体が腐敗したところで内臓をすすりにやってくるというこりゃまたきもちわるい生き物なのですな。いやですね。こういうの。

『トレマーズ』ノリのバカ映画を期待したらハズすと思われ。ムードがぜんぜんちがう。暗くて悲しいシーンがまたーりと進行し、その合間にときおりグジャッと出てくる。ホラーシーンはほとんど闇の中なので、クライマックスにいくまでモンスターの全容は見せてもらえない。タルコフスキーほどではないけれど、とにかくゆっくり進む映画なのだ。人間関係とかキャラ描写に多くの時間が割かれるという点もホラーっぽくない。てわけで、ドハデクレイジーな怪物映画がお好きなひとにはこのスローさが辛いかもしれないが、みなさんの演技がよく、最後の絶望的なオチもよかったので私的にはオッケーでした。

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