2008/2/26 (Tue) at 4:42 pm

映画|ダーク・ウォーター|Dark Water

鈴木光司原作『仄暗い水の底から』のハリウッドリメイク。ひたすらに暗ーい雰囲気の心理ホラー。ジェニファー・コネリーアリエル・ゲイドダグレイ・スコット他。監督ウォルター・サレス。2005年。

ダーク・ウォーター / Dark Water DVDDVD画像

母親と幼い娘がボロビルに引っ越した。ルーズベルトアイランドはマンハッタンから地下鉄でわずか数分という便利さながら、街の雰囲気はガラリと異なる。いわば近くて遠い街。ここは元々伝染病患者の隔離島だった。いまでは開発が進んでいるが、島の中には立ち入り禁止エリアがあって、そこにはオバケが出るという都市伝説がある。映画の主人公ダリアは収入の少ない母子家庭だから、安さと便利さに惹かれてここを選んだ。

ふたりが住むことになったビルは古くて陰気である。無愛想な管理人がいて、天井から水漏れするし、エレベーターはしょっちゅう壊れる。部屋の中も廊下もロビーもぜんぶ陰気である。映画の中では常に雨降り。暗ーい。鬱々とする。娘のセシは天使のようにかわいい女の子だが「こんなとこに住むのヤダー」とダダをこねるが、ダリアには選択の余地はない。「ママといっしょにがんばろう。新しい学校で友達をつくろう」と励ますのがケナゲである。ダリアには経済的な困窮に加え、もうひとつ悩みがある。子供の養育権を巡って元夫と係争中なのだ。だからきちんと子供を育てられるんだってことを内外に立証しなくちゃいけないから必死である。ダリアは子供時代に両親から拒絶されたという悲しいトラウマがある。その回想シーンがときどき出てきたりするのでますます暗ーい。

ところがここに引っ越して以来、奇怪な出来事が起こり始めた。それらは小さな出来事だけれど、悩みを抱えるダリアにはひとつひとつが重く感じられ、心にダメージを与えていく。天井の水漏れが直らない。ハローキティのバッグが何度捨てても目の前に現れる。娘のセシはイマジナリーフレンドと遊ぶようになった。ナターシャという女の子がいるんだそうだ。それらの不可解な事象は母娘が住む9階の真上の部屋の元住人の身に起こった事件へと回帰していく。

※感想

ナンとも暗ーい話だ。鈴木光司原作と聞いて『リング』みたいなもんすかと期待したらハズす。グロショッキングな映像は一切ナシ。という観点からすれば期待ハズレだが、なかなかおもしろかった。上質な心理ホラーである。グロ嫌いだけどサスペンス好きというひとは気に入るだろう。この陰気な雰囲気に耐えられればの話だが。とにかく暗くて陰気。ずーと雨降りなんだもん。

心理的に追いつめられていくママを演じたジェニファー・コネリー、天使のようにかわいいセシちゃんを演じたアリエル・ゲイドがよかった。アリエルちゃんはテレビドラマの『インベイジョン』のローズ役がよかった。子役が子役として輝く期間というのは驚くほど短いことを考えると、彼女の愛らしい演技を見れるのはこれが最後かもしれません。と思ったら彼女はAVP2に出てたのですね。そっちは未見なのですが、アリエルちゃんが出てると聞いたので見なくちゃと思いました。元夫役はダグレイ・スコット。彼は憎まれ役だが、映画を観終わるとそんなに悪い父親でもなかったのかなという気もする。

ところで私はこれの原作を読んでないので、どれだけ忠実に再現されているかは知らない。

Spoiler Alert !!!!
ネタバレ注意!!
ネタバレオッケーな方のみこの下をスクロールしてご覧下さい↓

ふたりが引っ越してくる前、その上の部屋にはイカレた夫婦が住んでいたが、彼らは自分たちの子供である小さな女の子を見殺しにした。ドブに捨てるみたいにビルの給水塔に落とした。真相がわからないので事故だったのかもしれないが、その後彼らが逃げちゃったことを考えると殺したのと同じことだ。

セシちゃんにとり憑いたイマジナリーフレンドのナターシャは、このかわいそうな女の子のオバケだったのである。奇怪な事件が連続したことでダリアはここから引っ越すと決めたが、ナターシャは行かせてくれなかった。セシちゃんを殺そうとしたんで、ママは絶叫。「わたしがあなたのママになるから娘を殺さないで」とお願いしたらばセシちゃんは助かった。が、ダリアは死亡。最後はセシちゃんはパパに連れられて悲しくバイバイした。去り際、エレベーターの中でダリアのオバケが出てきて、セシちゃんの髪を三つ編みにしてくれた。ママと最後のお別れ。おしまい。かわいそうだなぁ。

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原題: Dark Water
別題: Agua turbia
Água Negra
Águas Passadas
Dark Water
Dark Water - Dunkle Wasser
Dark Water: Fatum
Dark water (La huella)
Eau trouble
Fekete víz
Karanlik su
Mracne vode
Stoiheiomeno nero
Tumma vesi
邦題(カタカナ): 『ダーク・ウォーター』
制作年: 2005年
制作国: アメリカ
公開日: 2005年6月27日 (アメリカ) (New York City, New York premiere)
2005年7月8日 (アメリカ)
2005年7月22日 (イギリス)
2005年8月26日 (スペイン)
2005年8月31日 (フランス)
2005年9月8日 (香港)
2005年9月22日 (ドイツ)
2005年10月7日 (イタリア)
2005年10月13日 (ロシア)
2005年10月20日 (オーストラリア)
2005年11月12日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Dark Water
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
セット制作
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
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