映画|Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼|Mr. Brooks

ミスター・ブルックスは成功した実業家でみんながうらやむ大金持ちだが、じつはシリアルキラーだった。彼は慎重に殺人を続けていたが、ある晩カップルを射殺した瞬間を他人に目撃されてしまう。翌日、相手は証拠写真を持って会社に乗り込んできた。ゆすられるかと思ったら、その男は「おれも殺しをやってみたいからいっしょに連れていって」という不思議な要求をするヘタレ野郎なのだった。彼を相手にしつつ、こんどは娘が登場。スクールをドロップアウトして家に帰ってきた彼女に自分と同じ血が流れていると知って衝撃を受けた。娘が逮捕されそうだっていうんで、焦って彼女のためにこっそりカバーアップをしたり、じぶんがやらかしたミスをカバーしたりしつつオタオタのし通しである。一方、彼を追うタフな女刑事のプライベート話が同時に進行する。

パッとしないなぁ。ケヴィン・コスナー、デミ・ムーア、ウィリアム・ハート、マーグ・ヘルゲンバーガー、ダニエル・パナベイカーなんていう豪華なキャストを組んでおいてコレはないんじゃないか。いろんな伏線が絡んで同時進行するというパターンなのだけれど、それぞれアッチとコッチで勝手にやってますみたいな調子で、グワーと相乗的に攻めてくる盛り上がりがないんだよね。私は映画の制作現場のことなんかなにも知らないけれど、こんだけのセレブな方々に出演していただくとなると、監督としては、それぞれの顔を立てて見せ場シーンを公平に盛り込まなくちゃってことばっかり考えちゃうんだろうか。なにがいいたいんだかよくわからない映画でした。デミ・ムーアのプールで泳ぐシーンとかムダムダだと思った。女優のコマーシャルじゃないんだから。彼女はワンパターンでつまんない。

唯一よかったのは、ケヴィン・コスナー演じるMr.ブルックスが「シリアルキラーになりたい」といってくっついてきたヘタレカメラマンにシリアルキラーの心得を伝授するところ。「殺す相手を見つけたときってのは恋に落ちるようなもんだ」という台詞はsexyでよかった。そんだけかい！わずか10秒くらいのシーンだったですけどね。

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