映画|ボディ#19|Body #19
グロ残虐オバケがぐえええええと出てきておったまげるタイのホラー映画。ゴアありミステリーあり。めんたまドローン!化けネコがウギャー!アーラック・アマラスパシリ、Ornjira Lamwilai、パタラワリン・ティムクン。監督パウィーン・プーリジッタパンヤー。2007年。
チョンくん(アーラック・アマラスパシリ)はきさくな大学生というかんじのアンちゃんだが、ある日を境に超絶リアルな残虐白昼夢を見るようになった。知らない女のひとがブッ殺されて体を切り刻まれるというグロシーンがしょっちゅう見え、それは幻であるが、おそろしくリアルであり、彼はヘロヘロになる。
理不尽に殺された女の怨念が彼にとり憑いてなにかを伝えたがっているようであるが、彼はその女を知らないし、どうしていいのかわからず悶々とする。いろいろやってるうちに、悪夢に登場する女は復讐オバケと化して関係者をブッ殺し始める。チョンくんはどうしていいかわからない!この女オバケってのが、ザンバラ頭に血塗れハダカ、そのおなかが割れて内臓が見えているという、おっかない外観で責めてくるのだ。
関係者のみなさんをざっと紹介すると、チョン君の姉(Ornjira Lamwilai)はアイドル顔のカワイコちゃんで、彼女は弟を心配してあれこれ世話を焼きつつ、なにか秘密を隠している。その姉が勤務する大学病院のえらい教授はいつも悩み顔のワケアリムード。教授の美人妻(Kritteera Inpornwijit)はセラピストをやってて、彼女はチョンくんを患者として迎えるのだが、こちらもなにやらワケアリである。彼女はチョンくんと初めて会ったとき、ひとめ見るなり「なぬぅうううう!」という驚愕顔をした。彼女は彼を知っているのだろうか。
そして気になる女オバケの正体は、Dararai(パタラワリン・ティムクン)ていう名前の女性で、彼女はこの大学病院で講師をやってたが、その専門は精神医学だったが、生徒たちから「魔女!」呼ばわりされる変人だったそうな。彼女は急に姿を消したらしい。どこでだれに殺されたのだろうか。
映画は謎解きミステリー風に進行し、ときおりチョンくんの見る悪夢がグジャッと出てきます。きもちわりー。化けネコ、ぐじゅぐじゅ胎児、そして、グログロ血塗れの女オバケがわーわー出てきて、彼はもう逃げ出したいんだが、逃げられない!最後にびっくりするオチが待っています。
トレイラー動画
感想
よかったところ。
こわがらせ手法が凝ってておもしろい。安っぽい部分もあるが「どやっ!」というクリエイターの気合いが感じられるので見ていて楽しい。これはとてもよいことです。ラスト近くの「トラックどかーん!ばらばらーーー!ずどーん!うおおおりゃあああ!ぐにゅーーー!グサッ!がくっ!」ってのもかなりよかった(見た人はわかる)。
パウィーン・プーリジッタパンヤー監督のホラーを見たのは『4Bia / See prang (2008)』『Phobia 2 (2009)』に続いて3本目です。私は特に『Phobia 2 (2009)』の『Novice』が気に入ってて、あれのトカゲさんヘビさんの「ズダーン!」が絶妙だなあと感動したんですが、この映画でも動物ネタのグロ描写が出てきました。このひと、こういうのがとてもうまい!
よくないところ。
「○○さんがじつは××だった!」というtwistは要らないんじゃないだろうか。てか、そもそもの話、チョンくんとその姉は必要なんだろうか。ネタが明かされてみれば、彼らははたまたまそのときそこにいたというだけで、部外者だったんじゃないかなと思われた。このふたりのキャラはいいんだけど、物語として邪魔者のようにかんじられたのですね。
殺された女、Dararaiさんてのがすごくよかったので、彼女の出演時間がもっと多くしてほしかったなと。彼女は学生たちに魔女扱いされている変人女で、授業中にケータイをならす無礼な女子学生をおびえさせるシーンなんか、スゴくよかった。つまり、映画の本筋として、「彼女はアレ的なことを○○さんにもやったった!復讐ミッション!」ということですよね。メタファとしてあのシーンはとても意味があったと思うし、じつによかったので、彼女のキチガイぶりをもっとたくさん描いて、じとじと粘着系の湿度200%の男と女の愛憎ドラマもうねちょねちょ的なノリにして、その合間にガガーとオバケが出てくる!なんていうほうがよかったんじゃないかなあと。余計なお世話ですか。すません。
この監督さんは謎解きtwist系に走るよりも、タイホラーの王道的な脚本(呪いとか、いぢめとか、そういうの)で勝負してくれたほうがいいんじゃないかなあ。またまた余計なお世話ですか。すません。
画像
画像をもっと見る (17枚)twitterのご案内
当ブログをお読みくださり、ありがとうございます。twitterやってます。ホラー映画好きな方はフォローしてくださいませ。サイトの更新や新作ホラーの情報を随時流しています↓
Facebookのご案内
『ホラー映画 :: アジア』の最近のエントリ
- ゴンタウ|Gong Tau - An Oriental Black Magic (2007)
- ロング・ウィークエンド|Long Weekend (Thongsook 13) (2013)
- 9-9-81 (2012)
- ザ・タワー 超高層ビル大火災|Ta-weo (2012)
- 水野美紀 サム・ヘイゼルダイン in 甲冑師団 コマンダー731|Dead Mine (2012)
- 23:59 (2011)
- Modus Anomali (2012)
- ゴースト・フライト407便|407 Dark Flight 3D (2012)
- TAICHI/太極ヒーロー|Tai Chi Hero (2012)
- TAICHI/太極ゼロ|Tai Chi 0 (2012)
Body sob 19 | |
Body Body #19 Body - Every Little Piece Will Return... Reencarnação da Vingança | |
2007年 | |
タイ | |
2007年10月8日 (タイ) 2008年5月29日 (韓国) 2011年2月25日 (イタリア) | |
imdb.com :: Body sob 19 |
- Arak Amornsupasiri :: アーラック・アマラスパシリ [imdb] (Chonlasit)
- Patharawarin Timkul :: パタラワリン・ティムクン [imdb] (Dararai)
- Ornjira Lamwilai [imdb] (Ae)
- Kritteera Inpornwijit [imdb] (Usa)
- Siwakorn Suklankarn [imdb] (makeup department head)