映画|パウダー|Powder

ジェレミーは色素欠乏症で、異能的な天才で、サイキックである。テレキネシス／他人の心を読む／あらゆる電気に反応する／動物（自然）と交流できるといった能力を持つ。肌がマッシロで目の色は赤という特異な外見ゆえに、近隣からいぢめられることを心配した祖父母がジェレミーを地下室でこっそり育てた。祖父母が死んだことをきっかけに彼の存在が明るみになった。ジェレミーはオドオドと外の世界に出てきた。ヴァンパイアみたいだという台詞が映画の中であったが、クラウス・キンスキーが演じたノスフェラトウにちょっと似てるかんじがする。見ためが似てるというだけで彼はモンスターじゃないのだが。

親切女性に引き取られて、世界との交流を初体験する。気味悪がられたり、いぢめられたり、センチメンタルな出会いがあったりといういくつかのエピソードが淡々と続く。彼の孤独と純真さはとても壊れやすいように見え、また同時に強靭であるようにも見える。それぞれのシーンで彼が語るいくつかの台詞は、確実にラストへの伏線となっていく。

※感想

サイキック異能者の孤独を描いた映画はいろいろあるがダントツにすばらしい。彼はきっと "everything" になったんだな。ジェレミーのことを心配して、アレコレと世話を焼いていたひとが何人かいたが、きっとジェレミーはそのひとたちには想像もつかないような悲しみを携えて "everything" になったのだと思う。仙人みたいだったな。生まれた時代が違ってたらイエス様になったかも。

Lindsey: What are people like on the inside?
Jeremy: Inside most people there's a feeling of being separate. Separated from everything.
Lindsey: And?
Jeremy: And they're not. They're part of absolutely everyone and everything.

Sheriff Doug: If you're gonna go, you better go now. Jeremy.
Jeremy: She didn't go some place. Your wife.
Sheriff Doug: What?
Jeremy: I felt her go. Not away. Just out. Everywhere.

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