2010/3/19 (Fri) at 12:00 pm

映画|DCスナイパー|D.C. Sniper

ホワイトハウス周辺で無差別テロ殺人事件が発生!脚本/主演ケン・フォリーの犯罪映画。監督ウリ・ロンメル。2010年。

DCスナイパー / D.C. Sniper DVDDVD画像

ワシントンDC。ホワイトハウス周辺のエリアで連続無差別テロ殺人事件が発生する。犯人は2人組コンビ。彼らは車で町を流し、適当な場所で停車する。スナイパー役の男が後部シートからトランクに移動。テールランプがヒョイとはずせるようになってて、そこからライフルを突き出し、一般人をズドンと射殺。逃走。という単純手口である。

犯罪ドラマだが、アクションシーンはほとんどなし。犯人コンビが犯行を重ね、彼らが捕まるまでを描く。その合間に独白長台詞などがあり、その動機やら関係者の証言などが明かされる。このキラーは市民テロリストといえばいいのかな。不遇な境遇ゆえに社会への恨みを募らせ、無差別テロが世界を救うと信じるようになったというアレですね。

キラーのお話と同時進行して、彼らを追うFBI捜査官のサブストーリィがある。こちらは一匹狼スタイルの老FBI捜査官なんだが、自分の娘が家出したことをきっかけに、「この国はナンだ!テロリストが白昼堂々と人を殺し、普通の娘が売春婦になり、このおれは金持ち連中を守ることを命じられている。なんかおかしくね?」的な感想を持つようになり、国家への忠誠が揺らぎ始めているというような内的葛藤が描かれる。

感想

あとから訂正お詫び。

この映画を観たときは以下のような調子でケチョンケチョンに書きましたが、その後、これは実話ベースの話と知りました。2002年にこういう事件があったそうな。映画なのでフィクションの部分はあるでしょうが、じっさいにDCでこのような無差別狙撃殺人事件があったという話でした。「ありえんだろ!」と書いたけど、じつはありえる話だったのですね。映画を観ている最中は完全にフィクションだと思ってしまいました。という点を知ったから映画の印象が変わったということはないのですが、そんなことよりも、私が無知だったせいで、この映画の背景に関して間違った印象を与えるような書き方をしてすませんでした。これから気をつけます。すませんでした。

陳腐!冗長!つまらない!

SPOILER ALERT!!!!!
以下、ネタバレ度中です!

この映画ではケン・フォリーがキラーを演じています。映画の冒頭。ケン・フォリーと黒人少年が車のなかにいる。その雰囲気からしてふたりは張り込みをしているのかなと思わせといて、じつは彼らはキラーだったのでした。という驚かせが冒頭に仕込んであるので、ネタバレのほうに書きましたよ。この映画を楽しみにしているひとが1000人にひとりくらいはいるかもしれないですから、いちおう。

さて、感想ですが、あまり期待してなかったので、予想通りというか。

ケン・フォリー演じる男はイラク戦争から帰ってきたら性格が変わり、サイコパスになった。ムスリムに入信。テロが世界を救うと信じるようになる。17歳の少年を引っぱりこんで洗脳。「ヒトラーやスターリンやケネディやマーティン・ルーサー・キングみたいになりたいだろ?」とかいって、彼をスナイパーに仕立てあげ、無差別殺人に走る。こんなこといってました↓

Tyranny rules in this world. Tyranny always rules the world.

という話なんだけど、映画では、長台詞ナレーションやらカメラ目線の独白などがしょっちゅう流れます。子供の頃に人種差別されて握手してもらえなかったとか、その種の話をダラダラとしゃべる。『Dawn of the Dead (1978)』のあの有名台詞「When there's no more room in hell...」みたいな台詞を、あの調子のタメタメ演技で90分やってるようなかんじ。

FBI捜査官のほうも似たようなもんで、こちらは娘の家出をきっかけに国家への忠誠に疑問を感じるようになり、ポトマック川の風景を見つつ、米英戦争の歴史に思いを馳せつつ、

War is the terror of the rich, and the terror is the war of the poor.

なんて台詞をつぶやきつつ「それでもわたしはアメリカを守るのだ」とかなんとか長々としゃべる。

さらに、このテロリストの手法ってのが、これまた陳腐です。上に書いたようにテールランプをはずしてそこからライフルを突き出して、というんだが、あんなの目立ちすぎる!ドーナツの仮装をしてドーナツ屋に潜入したわるもんスパイじゃあるまいし(『Black Dynamite (2009)』)。ホワイトハウスの近所であんなことやってたら、3秒で射殺されるんじゃないかな。

長々と文句を書きましたが、バカ設定のゾンビ映画は笑って見ていられるけど、こういう犯罪映画は多少はリアリティを持たせてくれないとつまらないなってことがよくわかりましたです。

ケン・フォリーはこの映画では脚本にもクレジットされているので、こういう演出は彼のアイデアなんでしょうか。だとしたらよほどこの種のヤツが好きなんだなと。これをやりたくてしょうがなかったということかな。これを好きなひとっているのかな。

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原題: D.C. Sniper
制作年: 2010年
制作国: アメリカ
公開日: 2010年3月16日 (アメリカ) (DVD)
imdb.com: imdb.com :: D.C. Sniper
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞

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