2015/5/29 (Fri) at 1:47 pm

映画|デス・ノート|Let Us Prey

人間の魂を翻弄する謎男の出現。話題作。おすすめ。独創的。アクションもいいよ。リーアム・カニンガムポリアンナ・マッキントッシュダグラス・ラッセル。監督Brian O'Malley。2014年。

デス・ノート / Let Us Prey DVDDVD画像

夜。

どっかの田舎の警察署。

新任カワイコちゃん警官(ポリアンナ・マッキントッシュ)が初出勤したらば、不思議な夜に迷い込む。

ここは田舎警察なので、おまわりさんの顔ぶれはこじんまりとしています。

署長さん(ダグラス・ラッセル)は暇な夜をエロサイトを見て時間を潰し、パトロール中の警官コンビ(Bryan Larkin + ハンナ・スタンブリッジ)は仕事をほったらかして、カーセックスに夢中。

馴れ合いと無気力の雰囲気が漂う警察署に、やるきまんまんの新人警官がやってきたところで事件が起きた。

事件の発端は、貝のように口を閉ざす、謎男(リーアム・カニンガム)の出現であった。彼は夜道で車にドカーンと轢かれた後、誠に不思議なことに、煙のように姿を消した。その後、フラリと再び現れた。

警察署に連行された男は、なにを訊いてもしゃべらない。名前も素性もわからない。さては事故のショックでおかしくなったのかな。困ったおまわりさんは医者(ニール・グレイグ・フルトン)を呼んだ。

男は医者を相手にしたらば、急にべらべらとしゃべりだすから、ますます変な野郎だと思ったら、こんどは医者が狂っちまって、「おまえこのやろう」つって、おそろしい形相でその男に襲いかかるのである。

さっぱり意味がわからない。警官は、とりあえず、謎男も医者も留置した。留置場には先客がいて、妻を殴る常習DV教師男(ジョナサン・ワトソン)と、不良チンピラ(ブライアン・ヴェルネル)がいる。

警察は謎男の指紋を調べてみた。すると、1983年に73歳で死んだ男と指紋が一致するではないか。はて面妖な。

男の所持品を調べたら、小さな手帳が出てきた。中には人の名前がびっしり書かれてあって、名前の横になにか記号がある。なんだかきもちわるい。

夜が更けてきたらば、奇怪な出来事がじわじわーと起きる。この謎男には不思議な能力があり、誰彼なしに悪夢のような記憶を強制的に思い出させるのである。人間の記憶スイッチを操る能力っていうんですかね。これはかなりおそろしいですね。

忘れていた過去の出来事や、誰にもナイショにしてきた恥部の記憶が、男と言葉を交わしただけで、ぐわわーんと幻視を伴って、強烈に思い出されてしまうのである。「な、なんだー、これはーーー!」とおののいた瞬間、謎男は謎のニンマリ顔でセセラ笑っている。なんでもお見通しだよ。

この攻撃を食らうと、たいていの人はアワワと狼狽し、羞恥と怒りにとらわれ、「お、おまえはどうしてそれを知ってるんだー!ナニモノなんだー!」とわめいて、ハチャメチャになってしまう。ブラウザの履歴をいきなり晒されるようなもんですからね。これは嫌ですね。

この男は神なのか悪魔なのか天使なのか。見ている私らには判然としない。人間に罰を与えているのか、単に苦しめて喜んでいるのか、あるいは懺悔の声を聞きたがっているのか。その目的はなんなのでしょう。

この映画はたいへん結構です。おすすめです。いいです。

トレイラー動画

Let Us Prey (2014) trailer

感想

人間が過去にやらかした過ちを主題にしたホラー映画はすごく多いが、たいていつまらない。西洋の人は『原罪』ってのをことさらに重んじるから、そういうのがウケるんだろうが、私は好きじゃない。

デス・ノート (2014)』も基本的にソレ系の、いわゆる「やらかしたことを反省しろ」路線なんだが、これは今まで見たヤツとはぜんぜんちがう。おもしろい。手法が斬新。演技がいい。撮影がうまい。ゴアゴアもかなりいい。アクション場面の撮り方が神懸かり的にうまい。低予算ホラーではあるが、劇場公開クオリティだと思う。

良い点がたくさんあるが、私がいちばん気に入ったのは、謎男の存在理由が最後までわからないという点です。そこがきもちわるくて、おそろしい。

子供の頃、なにかの絵本だったかな。天使の絵を見て、うわー、と思ったことがある。その本では、天使ってもんを生々しくグロテスクに描いてあった。それを見て「天使ってのはこういうものかもしれん」と子供心に納得した。理屈抜きで、すぅーっと頭に入ってきた。あの感覚を思い出す。

「なにが善でなにが悪なのかわからない!その奥底にあるものを知りたい!」そんな質感が私はとても好きなのだ。揺れ動く精妙さというものを、的確な映像で見せてくれたと思う。最近のDarkSkyFilmsは良作をボンボン出してくるからえらい。

画像イロイロ

このひとの顔演技、一等賞!
映画|レット・アス・プレイ|Let Us Prey (20) 画像

このヒキツリ顔もいい!
映画|レット・アス・プレイ|Let Us Prey (20) 画像

これはもう顔とはいえなくなっていますね
映画|レット・アス・プレイ|Let Us Prey (20) 画像

こんなのや
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こんなのとか
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こんなのもあるよ
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この人の大暴れ演技もよかった!
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US版Blu-Rayも発売中

私は『デス・ノート (2014)』をiTunesUSで見ましたが、US版Blu-Rayも発売中です↓

Memorable Quotes

Beswick: That evolutionary ladder just will not climb itself, will it son?

Six: We are not in the salvation game here, Rachel, just the retribution.

Six: People like to blame me, but I'm just a witness. The things that I see would make angels weep. And they have wept. This is about you. Now you can deny me all you want, but I am the fire in your eyes. I can give you every corrupt and wicked soul, who will ever walk this earth. You can have your vengence and I will burn their souls. Because the truth is, it's a cold place without you.
Rachel: Heaven in Hell for ever and ever.
Six: Just say the word.
Rachel: Yes!
Six: That's my girl.

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原題: Let Us Prey
別題: Ας προσευχηθούμε
Давайте поохотимся
邦題(カタカナ): 『デス・ノート』
制作年: 2014年
制作国: イギリス/アイルランド
公開日: 2014年5月15日 (フランス) (Cannes Film Festival)
2014年6月 (カナダ)
2014年6月 (韓国)
2014年6月19日 (イギリス) (Edinburgh International Film Festival)
2014年8月27日 (ドイツ) (Fantasy Filmfest)
2014年10月24日 (カナダ) (Toronto After Dark Film Festival)
2014年11月8日 (スペイン) (Festival de Cine de Terror de Molins de Rei)
2015年3月27日 (ドイツ) (Blu-ray & DVD premiere)
2015年6月12日 (アイルランド)
2015年9月30日 (フランス) (Absurde Seance)
2016年1月5日 (日本)
imdb.com: imdb.com :: Let Us Prey
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
シネマトグラフィ
編集
キャスティング
プロダクション・デザイン
アートディレクション
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup

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