2011/1/24 (Mon) at 12:06 am

映画|[リミット]|Buried

イラクで生き埋めになったアメリカ人があせりまくってジタバタするホラー映画。最初から最後まで一人芝居。ライアン・レイノルズ。監督ロドリゴ・コルテス。2010年。

[リミット] / Buried DVDDVD画像

男(ライアン・レイノルズ)が暗闇で目を覚ますと、そこは棺桶の中だった。彼は生き埋めにされたのである。ZIPPOライターに火をつけ、な、なんだこれは!?とおののき、あたりを見回したら、ケータイを見つけた。やったぜ。

彼はすがるきもちで電話をかけまくって、救助を要請する。その会話からこの男の背景が明かされていく。

彼はコンロイさんといって、在イラクの民間アメリカ人。トラック運転手の仕事でイラクに来た彼は、仕事中にテロリストに襲われ、気絶し、気がついたら生き埋めにされていたということであった。

奥さんやら、警察やら、自分の雇い主やら、FBIやら、アメリカ国務省やら、あちこち電話するんだが、ボイスメールになったり、タライ回しにされたりで、頭にきちゃって、ファックファック!こっちは死にかけてんだぞ!と怒っていたところ、彼を埋めたテロリストから連絡がきて「500万ドル払え」と身代金要求される。犯人はコンロイさんが外部と連絡を取れるように、ケータイを残していったらしい。

彼はテロリストとしゃべりつつ、すったもんだして、やっとこさ、ダン・ブレナーという男とつながって希望を見い出す。そいつは在イラクアメリカ政府機関の人物で、人質救出をやってるそうで、既にコンロイさんの状況を把握していた。

コンロイさんはダンとしゃべって一時的に落ち着くが、でもやっぱり信用できないなという気もする。政府のえらいさんは自分の保身だけを考えているにちがいない!と疑い、やるきあんのかこのやろう!とわめくのであるが「落ち着いて落ち着いて。私たちは最善を尽くしてあなたを探しています。きっと救出します」といわれて、気を取り戻す。ハァハァ。

最初から最後まで一人芝居の棺桶映画。主人公以外の登場人物は電話の声だけ。生き埋めコンロイさんが狭い空間でジタバタするシーンがえんえん続きます。

なんでもいいからとにかく助けてくださいよおおおおおおおおあぁああああああああ!生き埋めはいやああああああ!

トレイラー動画

Buried (2010) trailer

邦題は[リミット]

この映画は『[リミット]』という邦題で2010年11月に劇場公開されたそうですが↓

私は今月リリースされたUS版を観ました↓

日本版DVD/Blu-rayは2011年4月にリリース予定だそうです↓

感想

残念賞。

私はひとつひとつの会話をよく聞いて、たくさん想像しました。じつは彼は気絶しているあいだに国外に移送され、驚く場所に埋められているんじゃないか、とか、彼と電話でしゃべっている相手はじつはすべてグルで、彼がそうと信じている人たちとはまるきり違う人たちなんじゃないかとか。

でも最後まで観たら、そんな深読みをするもんじゃなかった!と知らされました。そんなややこしい話じゃなかったよ。んで、オチがわかったら、別の意味で混乱してしまった。

いや、あのオチはいいのです。

最後の最後はじつに気の毒な結果に終わるんだけど、私、思うに、救出されてよかったよかった感動してくださいのハッピーエンドにするよりも、企業のずるさや政府機関の無能さなどを冷徹に表現したかったのかなとおもう。ダンという男があることについて嘘をついていたと最後に明かされるが、それも主題に合致する。

が、よくわかんないのは、前半の会話パートで明らかになにかの伏線と思えるようなラインがあったと思うんですよ。ママとの会話とか。それがうまく頭の中で結線しないのでスカッとしないです。いろいろと細かいことに考えが及んで、なぜあのシーンはああでなければならないのか!と考えてしまう。映画って観る者に考えるヒマを与えずに「いかにもありそうだ」とだまくらかすのが妙技だと思うんだが、それがうまく機能しなくて、私は、考えるひと、になってしまったよ。

棺桶の中だけで進行するソリッドな一人芝居映画だよ!というユニークさがあり、凝縮感を持たせる工夫はされていたと思うが、私の脳ミソにはフィットしなかったのでした。だから残念賞。

なぜイラクからcall 911して、オハイオのポリスにつながるんですかね。パニクって国外にいることを忘れてしまうという心理はわかるが、ほんとにつながっちゃうからびっくりした。あのシーンで「これはなにかの伏線であるな」つって深読みモードに入ってしまったのが間違いだった。大した意味はなかった。てか、なにかあるのだろうか。よくわからない。

最後のエンドロールのあとに『あるもの』が映るんだが、ソレがじつに意味深なので、IMDbのBBSなどではこの意味についてたくさん議論が続いているんだが、まぁ、どうでもいいや、とおもってしまった。

好きなひとにはすません。

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原題: Buried
別題: Enterrado
Buried
Živ zakopan
Погребенный заживо
Élve eltemetve
Buried (Enterrado)
Buried - Lebend begraben
Buried - Sepolto
Enterré
Enterrado Vivo
Haudattu
Kavur
Limit
Pogrzebany
Sepultado
Toprak altinda
Ziv zakopan
邦題(カタカナ): 『[リミット]』
制作年: 2010年
制作国: スペイン/アメリカ/フランス
公開日: 2010年1月23日 (アメリカ) (Sundance Film Festival)
2010年9月7日 (フランス) (Deauville American Film Festival)
2010年9月11日 (フランス) (L'Étrange Festival)
2010年9月14日 (カナダ) (Toronto International Film Festival)
2010年9月18日 (スペイン) (Donostia-San Sebastian International Film Festival)
2010年9月19日 (フランス) (Strasbourg European Fantastic Film Festival)
2010年9月24日 (アメリカ) (limited)
2010年9月29日 (イギリス)
2010年10月1日 (カナダ) (Toronto)
2010年10月1日 (スペイン)
2010年10月1日 (アメリカ) (Milwaukee Film Festival)
2010年10月3日 (ドイツ) (Hamburg Film Festival)
2010年10月7日 (オーストラリア)
2010年10月8日 (カナダ) (limited)
2010年10月14日 (ロシア)
2010年10月15日 (イタリア)
2010年10月26日 (フランス) (Fantastique Semaine du Cinéma)
2010年11月3日 (フランス)
2010年11月4日 (ドイツ)
2010年11月6日 (日本)
2010年12月2日 (韓国)
2012年2月23日 (香港)
imdb.com: imdb.com :: Buried
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脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
視覚効果(Visual Effects)
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Makeup
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