2010/12/4 (Sat) at 6:10 pm

映画|ポゼッション・オブ・ディヴィッド・オライリー|The Possession of David O'Reilly

悪魔憑き男が夜中にやってきて、善良カップルの幸せをズタズタにするホラー映画。ジャイルズ・アルダーソンゾー・リチャーズニコラス・ショウ。監督アンドリュー・カルスティーヴ・アイルズ。2010年。

ポゼッション・オブ・ディヴィッド・オライリー / The Possession of David O"Reilly DVDDVD画像

Based on the true events..

平凡かつ善良なカップルが登場。彼らはアレクス(ニコラス・ショウ)とケイト(ゾー・リチャーズ)という。

ふたりは仲良く晩めしを食って、テレビを見て「そろそろ寝ますか」つったら、深夜の来客がやってくる。ドアを開けたら、アレクスの10年来の友達のディヴィッド(ジャイルズ・アルダーソン)が泣き顔で立っていた。

ディヴィッドさんは、3年越しの恋人サラの浮気の証拠写真を見ちゃったもんで、深く傷心し、絶望し、迷惑を顧みずにやってきたのであった。こんなときに付き合ってくれる友達がいるというのは、ありがたいもんです。アレクスは「さぁ、おはいり」と招き入れ、彼を泊めてあげることにした。

ディヴィッドが見た浮気の証拠写真てのは、サラが全裸に近い格好で笑っているというだけで男は写ってないんだが、それだけでは実際にどうなのかはわからないと思うんだが、とにかく彼は「裏切られた!」と信じており、冷や汗ダラダラで、いかにも「おれは病んでいる」という調子で、翌朝になってもきぶんはなおらず、ますます悲壮になってくる。

アレクスとケイトはそんな彼を気の毒に思うんだが、どうしてやることもできないので、腫れ物に触るように「いつまでいてもいいからね。おれら、こっちでゲームやってるから」なんつってまったりするんだが、そうこうやってうちに、ディヴィッドの狂気がズズガガーと高まっていく。

彼は暗闇に怯え「あいつらがきやがったああああああ!」とわめいて、ナイフを持って走り出すのであった。失恋の痛手にしてはチト狂いすぎではないか。アレクスが「いったいどうしたのか?」と問いただしたところ、彼は自らの身に起きた恐怖談を語り始めた。

「少し前からはじまったんだ。ぼくの回りにウヨウヨしてやがるんだ。視界のはじっこにチラと見えて、でも視線を向けるとそこにはなにもない。ヤツラの正体はわからない。おれは襲われる。闇になるとグジャッと出てくる。こえええよおおお!どうすりゃいいんだよおおおおお!」

こんな話をしながらナイフを振り回す男なんて、おそろしく危険人物に思えるが、アレクスによれば「普段は理性的な人物」なんだそうな。アレクスは半信半疑で耳を貸しつつ、そんなアホな!といいつつ、彼もへんなもんを見たようなきぶんになってくる。「いまの見たか!」といわれると「うーーーん。なにかがいたような。。」みたいな気になってしまうのです。

そうこうやってるうちにほんとにオバケがガガーと出てきて、グログロショッカーな事件が起きる。でもそれはディヴィッドにしか見えないもんらしい。アレクスは判断がつかず、ケイトだけが「なんにもいない!」つって、3人はわーわーと口論になる。

ディヴィッドは悪魔に憑依されているのだろうか。彼はとんでもない災厄を引き連れてやってきて、友達カップルの幸せを引っ掻き回す!うげえええええええ!

※ちょっと追記。「グログロショッカーな事件が」と書いたけど、そういうシーンがあるにはあるんだが、とても少ないです。チョロッとあるだけなんで、ソレだけを期待するとハズす。

トレイラー動画

The Possession of David O'Reilly (2010) trailer

感想

『パラノーマル・アクティヴィティ』と比較しているような記事をどっかで読んだので(ソースなくした。すません)、モキュメンタリ系のヤツかなと思ってたら、ちがってました。手持ちカメラのブレブレ映像なのでソレ風ではあるけど、映画のつくりは普通のヤツ。でも、雰囲気は少し似てるかな。

カメラの視点がキャラの誰かの視点になるときが多いので、観客はその場所にいるような気になる。また、ウェブカムが出てきて、それは動くものに連動して自動的に録画が始まるようになってるヤツなんだが、それがなぜか一晩中動作して、だれもいるはずのない部屋で録画をし続けていた、というシーンがチョロッとありました。

実際にオバケを見ているのはディヴィッドだけで、カップルにはソレが見えないんだが、なんとなく彼の話に耳を傾けてしまうという点が不自然なんだけれども、ディヴィッドを演じたジャイルズ・アルダーソンの冷や汗ダラダラ演技がなかなかのもんなので、あのように鬼気の迫ったようすで「見たか見たか?」と迫ってこられると、押されてしまうかもしれない。

この映画はラストがいいかげんで、なにも明かされないままに終わってしまうんだが、それでも、まぁ、見て損した気にならないというのは、彼の狂演技の功績かなと思われました。彼はとてもがんばったとおもいますよ。一人芝居をやるように最初から最後までハイだった。見るひとによって評価が分かれそうな映画ですが、私的にはオッケーでした。

以下、チョットネタバレ。

「結局なんだったの?」と拍子抜けする方が多いと思いますが、私の個人的な感想ですが、つまり、彼が狂ってただけなんじゃないですかね。悪魔憑依なんか最初からなかったという意味です。

オバケはディヴィッドの妄想。妊婦が殺されるシーンも妄想。その部屋で見た新聞の切り抜きも妄想。ウィジャーボードも妄想。ウェブカムは単なる誤動作。ということなんじゃないかなと思う。彼が狂ってただけ。

アナ(フランチェスカ・ファウラー)ていう妊婦さんが殺されたその後のシーンで、アレクスもケイトもぜんぜんそのことに触れないからそうなのかなと思った。あんな女は最初からいなかったってことかもしれない。

単にディヴィッドが狂ってただけ。それだけ。おしまい。どうすか。ソレだとぜんぶ辻褄が合うでしょう?

と思ったら、imdbのbbsにも同じようなことをしゃべってるひとがいた↓

コレを読んで「やっぱりそうだ!」と思ったんだが、あ、でも、ちょっと待てよ、映画の最初の方のケイトの寝言「Don't open it.」が説明つかないってことに気づいたよ。彼女はディヴィッドが災難を持ち込んでくるってことを不思議な力で察知し、なにか夢を見たのかな。てことは、やっぱり、超常現象的な出来事が起きたってことかなあ。

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原題: The Possession of David O'Reilly
別題: The Torment
制作年: 2010年
制作国: イギリス
公開日: 2010年5月5日 (アメリカ) (Video On Demand)
2010年10月7日 (スペイン) (Sitges International Fantastic Film Festival)
imdb.com: imdb.com :: The Possession of David O'Reilly
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