2010/8/28 (Sat) at 2:09 pm

映画|エヴィレンコ|Evilenko

旧ソ連に実在した猟奇シリアルキラーを元にしたスリラー映画。マルコム・マクダウェルのキラー演技をたのしもう。マルコム・マクダウェルマートン・チョーカシュロナルド・ピックアップ。監督デヴィッド・グリーコ。2004年。

エヴィレンコ / Evilenko DVDDVD画像

1984年。ゴルバチョフのペレストロイカまっただ中の時代。

アンドレイ・ロマノヴィッチ・エヴィレンコ(マルコム・マクダウェル)はキエフの学校教師で、ゴリゴリの共産主義者。厳格な口調で理想社会の実現を説く男であるが、その深い内面においては、幼児性愛変態者であり、殺人者であり、猟奇者であり、人肉嗜食者であった。

彼は少女にいたずらしたのがバレて学校をクビになる。その後、妻と共に居場所を変え、職を変え、当局の捜査を巧みに逃れつつ、8年のあいだに55件の殺人を犯した。犠牲者は幼女または若い女ばかり。彼は犠牲者をレイプし、死体を切り刻み、その肉を食った。『子供を』『レイプして』『食う』という悪魔の所業はまさしく『キング・オブ・社会の敵』である。

このキチガイキラーがついに拘束され、すべての殺人を自供し、死刑になるまでのお話。エヴィレンコを追う捜査当局の現場責任者にマートン・チョーカシュ(男前!)、彼をアシストするプロファイラー精神科医をロナルド・ピックアップ(頭いい!)というキャスティング。

※「私は警官ではなく、magistrateなのです」という台詞があったので、マートン・チョーカシュの役どころは正確には警察官ではないらしいんだが、私は旧ソ連の警察官僚機構及び司法制度をよく知らないし、magistrateというワードをどう訳していいのかわからないのだが(辞書を引くと『判事』とか載ってるが、こういうのは国によって違うからこれでいいのかわからない)、まぁ、映画を楽しむぶんには『刑事みたいなもん』と考えてよいと思われ。彼は結婚していて、きれいな奥さんがいて、かわいい女の子の子供を持つパパでもあるので、このキチガイキラーをぜったい捕まえてやるぞとがんばります。ハダカになってがんばっちゃうのですヨ!

このお話は、旧ソ連時代に実在したシリアルキラー、アンドレイ・チカチーロが元になっています。

トレイラー動画

Evilenko (2004) trailer

感想

冒頭5分がすばらしいです。凝縮のツカミです。アッという間に、心を持っていかれます。この5分間のシーンだけで、映画を観る私たちは、1) この男がゴリゴリの共産主義者理想主義者であること、2) でもじつはおそろしい変態であること、という映画の要点を滑らかに知ることができます。さらに加えて、この冒頭ツカミは非常にスリリングでもあります。きっとだれもが、この5分で「この映画はヨサゲだ!」と確信するのではないかな。こういうの、いいですね。とても尊敬します。

そして映画は進んで、まぁいろいろあるんですが、詳しくは映画でどうぞと思うのですが、最大の見せ場はマートン・チョーカシュがついにエヴィレンコをとっつかまえ、自供させるシーンです。彼は「もっと証拠を固めてから逮捕せよ」という上司の指示に逆らい「こんなキチガイを野放しにできない!」と反対して、強行逮捕をしたのです。だから、自供をさせないとぜんぶパーになっちゃうから、ある意味、ここからが捜査の本番なんだけど、これがまた、びっくりするシーンがありましたよ。あー、びっくりした!

そのキモとして、エヴィレンコというキラーが催眠術みたいなワザを使うっていう設定があるのです。彼が殺しをやるシーンでは、町をぶらりと流してカワイコちゃんを物色し、「オッ」と目をつけると、巧みに接近し、ギロリとドラキュラのように凝視するのです。すると相手はフワーとなっちゃう。また、目撃者のアンちゃんは記憶がトンでしまう。というシーンがありました。

なんて書くと「ちょっと都合よすぎなんじゃね?」「それじゃSFじゃん?」と思うかもしれませんが、このワザは完全ではなく、状況や相手によって効かないときもあり、また、マルコム・マクダウェルの目ぢから演技はただならぬものがあるので、映画の演出として不自然であるようには思えませんでした。あんなこわい目でギロリと睨まれたら、おしっこチビって記憶がトンじゃうなんてあるかもしれないと思えてしまうのです。

残虐なゴア描写などはないですが、とてもスリリングだし、こわいシーンはこわいし、これはきっとだれが観ても気に入るんじゃないですか。マルコム・マクダウェルの役づくりが迫真です。すごいすごい。いいもん観た。

この映画は、かつて旧ソ連に実在したシリアルキラー、アンドレイ・チカチーロが元になっています。ウィキペディアより引用↓

アンドレイ・ロマノヴィチ・チカチーロは、ウクライナ生まれの連続殺人者。ロストフの殺し屋、赤い切り裂き魔などの呼び名で知られる。1978年から1990年にかけて、おもにロシア・ソビエト連邦社会主義共和国内で52人の女子供を殺害したとして殺人罪を言い渡された。
http://ja.wikipedia.org/wiki/アンドレイ・チカチーロ

同じテーマでつくられた映画『ロシア52人虐殺犯 チカチーロ / Citizen X』てのもある。1995年製作。こちらは監督クリス・ジェロルモで、キラー役ジェフリー・デマン、これを追う善玉男がスティーヴン・レイで、ドナルド・サザーランドが共演。

私はこちらは未見なのですが、アマゾンのレビューを見るとたいへん評判がよいですね。いつかこっちも観てみようとおもいます。

『Marton Csokas』のカタカナ表記

ところで、Marton Csokasという俳優さんのカタカナ表記ですが、ぐぐってみると『マートン・チョーカシュ』『マートン・コーカス』『マートン・ソーカス』という調子でバラバラです。

本人のMySpaceはこう書かれてあり↓

Marton Csokas(Pronounced Cho-kas)
MySpace - Marton Csokas

ファンサイトにはこう↓

Actor Marton Csokas (pronounced CHO-kash), has enjoyed an exciting and eclectic fifteen year-plus career in movies, in television, and on stage, both at home in New Zealand and worldwide.
marton-csokas.net

Wikipediaにはこう↓

Marton Csokas (Hungarian pronunciation: [maːɾton t∫oːkaː∫]; born June 30, 1966) is a New Zealand film and television actor.
Wikipedia - Marton Csokas

という次第なので『マートン・チョーカシュ』と書くのが正しいようです。あるいは『チョーカス』かな。うちは『マートン・チョーカシュ』にしました。

こういうのって、どっかのえらいひと(文部省とか朝日新聞とか)が共通辞書みたいなのをつくってくりゃいいのになあ。ホイとカタカナに直してくれるAPIみたいなもんがあればいいのになあ。

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原題: Evilenko
別題: Anthropino teras
Evilenko
Rosztovi rém
制作年: 2004年
制作国: イタリア
公開日: 2004年4月16日 (イタリア)
2005年8月1日 (ドイツ) (München Fantasy Filmfest)
imdb.com: imdb.com :: Evilenko
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
プロダクション・デザイン
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
Makeup

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