映画|渇き|Thirst

善良実直まじめな神父様（ソン・ガンホ）が殉教者になることを決意する。彼はどっかの外国にある研究ラボに行く。そこでは謎の致死性ウィルスEV (Emmanuel Virus) てのを研究しているんだが、彼は開発途上ワクチンの実験台にボランティア志願する。「これは自殺ではない。尊い殉教行為なのだ」という決意である。んで、彼は死ぬ。と思ったら、ヒョイと復活。おぉおお。ザッツ・ミラクル！

包帯ぐるぐる巻きで帰ってきたらば、人々がワンサカ押し寄せて「奇跡の神父さま〜」とアイドル扱いされる。やがて顔のブツブツが消えると、ぜんぶ元通りになった。ところが日数が過ぎて忘れた頃になったら、また顔にブツブツができて苦しくなってきた。やたら血液を飲みたいのでちょっと飲んでみたら、ブツブツは消えた。彼はヴァンパイアになったのだ！

根っからの謹厳実直くそまじめ神父様であるからして、その苦悩は並大抵ではない。わたしにひとを殺せるわけがない。でも血液を飲みたくってたまらない。どうしよう！それだけでも大きな悩みなのに、さらにカワイコちゃん（キム・オクビン）が出てきて人生初の恋に落ちる。彼はますます悩む。

※感想

『恋する童貞神父様じつはヴァンパイア - 苦悩編』である。基本的にはシリアス話だが、お笑い要素もある。HBOのTrue Bloodぽいかんじもした。少しは影響を受けているのかもしれない。

神父様は自分が居候している家で出会ったカワイコちゃんと恋仲になるんだが、彼はなにしろくそまじめなのでキスをするのも初めてだし、ヴァンパイアだし、誘惑と罪悪感のはざまで苦悩しつつ「熱いふたりはとまらない〜」ってかんじでブチューーとなるんだが、あの初キスのシーンは童貞神父様がカワイコちゃんにレイプされているようであった。なかなかおもしろい。ああいう設定に興奮するフェチ体質の人はそこだけ見たらいいかも。その後、ふたりが病院でナニするシーンはベロベロチューチューで、じつにヤらしい。神父がこんなことしていいのか！

神父様は考えた末に人を殺さずに血液をゲットする方法を編み出すんだが、これは冒頭プロローグで出てくるデブ男の台詞に関係があるので、これからご覧になる方は、いちばん最初の病院シーンの台詞を聞き逃さないようにしてください。

ところでこの映画におけるヴァンパイア定義はクラシックなそれとだいたい同じだが、キバはなかった。ナイフなどで肌を傷つけてそこから吸うのです。チューチュースタイルです。怪力、驚異的なジャンプ力、空中浮遊、自然治癒といった能力を持つ。おひさま苦手。感覚が鋭敏になります。

全体としておもしろかったが、よくわからない点もあった。神父様以下キャラのみなさんの行動が突発的なんですよね（特に後半）。ポケーと見てると「なんでそうなる？」と疑問がわいて置いていかれたような気になる。「あんたらも頭をひねって考えてみ」という監督の問いかけなのだろうか。以下にネタバレを書きますが、なんかハズしているところがあったら教えてください。

ネタバレです

!!!! SPOILER ALERT !!!!
！ネタバレ注意！

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