ジル・ガヴァーギジアン監督の短編映画『The Stylist』がEtheria Film Nightで6月プレミア!
おー。長かったですねえ。Finally!
『The Stylist (2016)』はこんなお話↓
Claire is a lonely hairstylist with an unnerving desire to escape her disappointing reality. When her final client of the evening arrives with the request to look perfect, Claire has plans of her own.
クレアは孤独な美容師。失望が積み重なる現実から逃避したい彼女は、素っ頓狂な欲望を心に隠している。ある夜、お客さんがやってきて「完璧にきれいにして」とヘア仕事を頼まれた。彼女はいったいなにをやらかすんでしょうか。
狂った美容師を美人女優のナジャラ・タウンゼントが演じます。わー。おもしろそう。
『The Stylist (2016)』は、
- Call Girl (2014)
- Grammy (2015)
- The Luhrmanns (2016)(WIH Massive Blood Drive PSA 2016の中のsegment)
しかもEtheria Film NightというBIGな映画祭でプレミアされるというのだから、最高の晴れ舞台だ。ご存知の方が多いと思うが、Etheria Film Nightてのは、近年ホラー界隈で話題の「女監督によるジャンル映画!ショーケース!」を標榜する映画祭の元祖であり、ジャンル映画をつくる女性監督からすれば夢の舞台である(以前は Viscera Film Festivalという名前だった)。
Etheria Film Nightの短編部門はおそろしく競争率が激しい。STARBURSTさんの記事にも書かれてあるが↓
The Etheria Film Night is a very competitive showcase for female-directed genre films. This year, they have selected only nine shorts out of over 1000 submitted.
応募総数1,000作品以上の中から、選ばれたのはわずか9作品。ジルさんは、
“I have admired this festival for a few years and am beyond proud - and shocked - to have the film accepted. This is a dream come true”.
と述べている。いやー。すばらしい。おめでとうございます。
Etheria Film Night Announces 2016 Lineup! https://t.co/T9OoMVWHhV via @dreadcentral pic.twitter.com/8HBHTJ43ve
— EtheriaFilmNight (@EtheriaFN) April 19, 2016
近年の短編ホラーはおもしろいよ
近年、ホラー界隈で短編映画がどどーんと盛り上がっているが、たしかに最近の短編ホラーはおもしろいのが多い。短編ホラーというのは、一昔前には、スポンサーを得たいインディーズ監督が「自分のワザを見せる」ためにつくるもんであって、いわばポートフォリオ的なものが多く、果たして『作品』として成立しているのか微妙だと思われるようなものが多かったが、近年の優秀作品はちがう。短い中に、きちっと概念が織り込まれており、最後にゾゾゾーと落としてくる。『Call Girl (2014)』もそうだし、この前レビューを書いた『SHI (2015)』もそうだし、いま倉林さんと私で漫画をつくっている『El Gigante (2015)』もそうだ。他にもおもしろいものがたくさんある。
よく倉林さんと話すのだが、おもしろい短編ホラーてのは、奇妙な余韻を観る者の心に残す。なにかこう、名状しがたい闇の世界をチラ見せし「ン!ナニナニ?!」と思ったら、「おしまい!」というのが多い。観客はしばし呆然とさせられる。おれはなにを見たのだろう。という問いが頭に湧く。がびーん。
倉林さんは『Call Girl (2014)』の漫画をつくり、独自のプロローグ + エンディングを追加したが、これはたいへん好評だ↓
ジル監督からは「映画よりおもしろい!」という、最上の(ていうか、わたしらを萎縮させるほどの)褒め言葉をもらった↓
CALL GIRL COMICをリリースしたのは1年前だが、いまでもこうやって褒めてくれる人たちがいる↓
@horrorshox @CALLGiRLfilm @kurabayakurabay You are most welcome. The extra storyline and panel designs are amazing. I'd love to see more! ??
— Keyz Keyzworth (@armygirl181) April 9, 2016
倉林さんが独自のお話を思いついたのは、映画の余韻が彼の頭に染み渡り、摩訶不思議な化学変化が生じて、新しい背景話が産まれたということで、よい短編映画というのは、常にこんな魔法を引き起こすのである。
ジル・シックス・ガヴァーギジアン経歴
さて、ジルさんの経歴を見ると、『Call Girl (2014)』でFreightfestデビュー。 『Grammy (2015)』でCryptTVにピックアップ。『The Luhrmanns (2016)』はソスカ姉妹の『WIH Massive Blood Drive PSA 2016』の一角を占め、そして、今回、『The Stylist (2016)』がEtheria Film Nightでオフィシャルセレクション決定!という次第で、こうやって並べてみると、なんだかものすごい華麗な経歴である。近年の短編ホラー界の競争の激しさを考えると、彼女の実績はスローペースではあるが、着実に地位を高めているといえよう。
彼女の詳しい経歴等については、過去の私のインタビュー記事をみてください↓
これを読めばわかるが、彼女自身、美容師さんの仕事をやってるのだ。だから『The Stylist (2016)』という映画は自分の経験から産まれたお話である。以前から「完璧主義の美容師が狂っちまうお話ですよ」と聞いていたが、そう、ジルさんはけっこう細かい性格なのだ(私の印象)。きげんよくチャットしているときには、「やさしいおねえさん!ムーミン谷に住んでるひとみたい!」という印象だが、実務的な話になると、わりと細かい。きちっと準備をたてて物事を進める人で、そんなところからしても、彼女のプライベートな部分が赤裸々に盛り込まれているのだろう。
CALL GIRLのポスター売ってます
So honored to have @CALLGiRLfilm posters sold in Japan at @bakenekoyasiki!! ???? pic.twitter.com/Gk3JxGDMAK
— Jill Gevargizian (@JillSixx) March 29, 2016
ちょっと宣伝を。
私が普段お世話になっている名古屋のホラー雑貨店『THE DEAD PIT』で、ただいま『Call Girl (2014)』のサイン入りポスターを売っている。また、彼女がプロデューサーをやっている『Pity (2014)』のBlu-Ray(監督サインつき!)も売ってる。『Pity (2014)』の監督のJohn Pataというアンちゃんは、『The Stylist (2016)』では編集にクレジットされてます。
いくら短編ホラー業界が大流行だといっても、短編映画は短編映画なので、長編映画に比べればオマケ的な印象はぬぐえないもので、彼女のホラー界における知名度はまだまだだと思うが、いずれこの人はたいそうな長編映画をつくって、ばーんと飛躍をするだろうから、そのときになったら、このポスターやBlu-Rayはものすごいお宝になるでしょう。だから買うといいですよ。
『ABCs Of Death 2』『Frankenstein Created Bikers』
I love my Japanese import of @ABCsofDeath 2! Thank you @horrorshox! Was an honor to work on this film. ??2?????? pic.twitter.com/rdFMGpy6wr
— Jill Gevargizian (@JillSixx) March 16, 2016
『ABCs Of Death 2』の最後の最後にローレンスさんが出てきて馬鹿なことをやらかす小さな映像が入ってますが、あれをつくったのはジルさんです。彼女はソスカ姉妹のsegmentのsecond unit directorをやっていたが、ちょうど『Call Girl (2014)』の撮影中にローレンスさんがアメリカにきたときに、あんなビデオをつくって、プロデューサーに送った。でも、ぜんぜん連絡はなかった。その後、映画がリリースされて、自分の目で見たらば、ソスカ姉妹のところにはそれは入ってなくて、「あー。ボツになったかー」と落胆したんだけど、最後の最後であれが出てきたもんで、狂喜乱舞したそうです。
OMG. have you seen the new Frankenstein Created Bikers poster?! Wow! Look real close to find my name at the bottom!? pic.twitter.com/zzmEJvgbhg
— Jill Gevargizian (@JillSixx) April 15, 2016
あと、余談ですが、今年の話題作『Frankenstein Created Bikers (2016)』のアシスタントディレクターもやっていて、こちらは最近ジャジャーンとアトランタでプレミアされて、超話題です。私、まだ見せてもらっていませんが、たいへん楽しみです。Kickstarterでお布施をしたひとは日本語字幕で見れることになっていて、私が字幕をやることになってるんですが、まだ監督からの連絡待ちです。いつかそのうち見せてもらえると思うんで、そしたら大急ぎで字幕作ります。こちらもよろしくお願いします。この映画について詳しくはこちら↓
Lou Rusconiさんの絵はいいよ
『The Stylist (2016)』のプロデューサーにクレジットされているLou Rusconiという人をご存知だろうか。彼は画家で、私はこの人の絵をものすごく好きなのである。だからついでに紹介する。彼はおそろしく強烈な色使いで、狂った絵を描くんですよ。
Our retro poster designs by @Lourusconi were inspired by Roman Polanski's Repulsion poster. https://t.co/mGR3dnG7WV pic.twitter.com/eyrYS8bMgL
— The Stylist (@TheStylistFilm) April 10, 2016
他にもたくさん作品がある。へんな絵を見て喜ぶ癖のある人はぜひチェックしてみてください。びっくりするよ。
さらに、ついでながら、倉林さんといっしょにつくった私らの『The Stylist (2016)』の絵もあるよ。こっちも悪くないと思うんですが。。
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