2016/2/5 (Fri) at 8:56 pm

短編ホラー映画『SHI』がFangoriaで無料公開!監督インタビュー翻訳 by 私!

祝ワールドプレミア!Congrats!

つい先頃、日本在住のイギリス人ホラー監督Pablo Absentoさんの『SHI』という短編ホラー映画のレビューをポストしましたが↓

昨日、本作品がFangoriaからオンライン公開されました。無料です。日本からも観れます。ワールドプレミアです。

すごいRT数ですが、なんとデルトロさんもRTをしてくれたということで、パブロさんも大喜び。おー。

おめでとうございます。これでやっと映画祭に行けないファンの人たちも、この作品を観ることができるようになりました。すばらしぃいいい!

『SHI』ワールドプレミア!

まずはなにはともあれ作品をご覧ください。ジャジャーン!

SHI - Short Horror Film

おそらく最初は「えっ?こんだけ?」ってかんじがすると思うんだけど、2度見3度見するとじわじわーとくるんですよこれが。ミニマムかつソリッドな持ち味の短編ホラーです。短い中にきちっとオチをつけているのが美しい。

監督インタビュー 翻訳 by 私

この良き日を記念し、FangoriaはPablo Absento監督にインタビューをしました。当ブログでは、Pabloさんの了解を得て、インタビューの翻訳を掲載します。このインタビューはFangoriaの以下の記事の翻訳です。

Fangoria - Exclusive Premiere: Pablo Absento’s Chilling Japanese Short Film, SHI
Fangoria - Exclusive Premiere: Pablo Absento’s Chilling Japanese Short Film, SHI

Fangoriaのライターさんは、つい先頃コロラドで開催されたMile High Horror Film Festivalで『SHI』を初めて観たそうです。そこで、監督さんにあれこれ質問をして、彼女が『SHI』の次に取り組んでいるプロジェクトについて興味深く聞きました。

彼女の次なるプロジェクトは『JAPANESE LEGENDS』というもので、日本の神話や民話をベースにしたホラー連作だそうです。定期的に短編ホラーを次々に発表していくという形式のもんらしいです。おもしろそうですね。ではインタビューをどうぞ。

Fangoria「毎月ホラー映画を出すという考えはどうやって思いついたのですか」

Pablo「私は映画を通じて物語をつくるのが好きで、毎日のようにアイデアが頭に浮かびます。それを溜めておくばかりではつまらないので、どんどん映画にしていきたい。さらに、日本の民話や都市伝説を、世界の人々に紹介したいという動機もあります。私がつくる物語は、私なりの解釈が加えられています。長年日本に住んでいる『私』という外国人の目から見た解釈です。

最近はホラーなテレビドラマが流行っているではありませんか。私のような作り手にとって、テレビ番組のように作品をボンボン出していくのは楽しいことです。映画祭巡りに突入すると、相当の期間、一般公開ができません。そこが違います」

Fangoria「あなたがつくろうとしている日本の民話を元にしたホラー話というのは、いったいどんなのですか。少しだけ教えてくれませんか」

Pablo「7つの脚本が既にあります。いまは内緒にしておきたいのですが、少しだけいうと、私たちは本当に呪われた土地で撮影をするんですよ。私はそんな場所のリストを持っています。既にいくつかの場所をロケハンしました。どれも完璧なロケーションです。自殺の名所として知られる青木ヶ原でも撮影します。私たちは生きて帰ってこれるかしら」

Fangoria「イギリス人の女性映画監督として、日本のホラー話の魅力はなんですか」

Pablo「私は外国の民話について研究するのが趣味です。幼少の頃には、世界中の神話や伝説を読み比べて喜んでいるような子供でした。こわいお話が大好きです。日本の民話はとりわけ陰鬱で神秘的ものが多いですが、私が思うに、日本の民話はケルト神話に通じるところがあります。単に『こわがらす』だけでなく、そこには教訓のようなものがあり、行間の合間に、人間の生命の神秘を感じます」

Fangoria「とても野心的な企画ですね。その具体的な制作スケジュールはどんな風ですか」

Pablo「毎月1本づつエピソードを出すのが理想ですが、予算の面からいって、それはむずかしいでしょう。日本で映画をつくるのは本当にお金がかかります。税金その他の経費の高さは本当にいやになりますよ。

スポンサーを得ることも考えていますが、いまは自己資金だけでやっています。私はお金のためにクオリティを犠牲にしない主義です。短編であれ、長編であれ、映画は芸術作品なのですから妥協はしません。つまらないものを出すくらいなら、公開はしません」

Fangoria「『SHI』はこれまでフェスティバルで好評な成果を収めたそうですね。そして、本日、Fangoriaからワールドプレミアです。おめでとう。この映画についてしゃべってください」

Pablo「『SHI』は8分間の短編映画です。日本と西洋の神話のあじわいが混ざりあったオリジナルの物語です。神秘的な超常現象主題の映画で、少しJ-ホラーぽいところもあります。ロケーション/撮影/SFX/CGIには気合いを入れました。

そう。おっしゃる通り『SHI』は世界中の映画祭で上映され、たくさんの賞をもらえました。私の作品を支えてくれるいくつかの映画祭に出席できたのは幸運でした。様々な人々と出会い、いろんな異なる意見を聞きました。「えっ。これでおしまいですか?!もうちょっと見せて!」というリアクションが多いのですが、これは私たちにとって褒め言葉なのですよ。

「もうちょっと見せてヨ!」というきもちにさせるのが、そもそもの狙いでしたから。『SHI』という短編は元々長編映画を前提にしたコンセプトモデルのようなものです。将来、これの長編映画をつくりたいと思っています」

Fangoria「ジャンル映画に特化したホラー映画祭を渡り歩くことにどんな意味がありますか」

Pablo「うれしいことに、ホラーというジャンルはどんどん人気が出ています。幸運にも出会えた人々から得られたものすべてが、私にとっては財産です。ジャンル映画の作家たちとファンのみなさんはすばらしいです。こんな人たちといっしょに映画をつくれるのはとても名誉なことです」

Fangoria「映画の作り手として最も重視する点はなんですか」

Pablo「メッセージです。私は映画を観るのも好きですが、作り手のメッセージが込められた作品を好みます。観客になにかしらの考えるきっかけを与えるようなものが好きです。娯楽映画は多いですが、学べる映画というのは少ない。私は娯楽的な映画をつくると同時に、物語の語り手でありたいです。人々の想像を喚起させたい。人々の想像に任せて扉が常に開けられているような映画をつくりたいです」

Fangoria「日本の民話を元にした連作と『SHI』以外に、この先チャレンジしたいことはありますか」

Pablo「私のこれまでの作品はすべて短編映画ですが、いつか長編映画をつくりたいです。現在『SHI』を元にした長編映画の脚本を暖めています。その他に、もうひとつあります。『CALL MY NAME』というタイトルの脚本に取り組んでおり、こちらはスペインの脚本家/監督であるDaniel M. Caneiroといっしょにやっています。彼はとても才能のあるよい友達です。

CALL MY NAME』はルーマニアの呪いとアメリカの言い伝えを元にしていて、日本の民話とは無関係です。人生において正しい選択をする勇気が出せなかったばかりに、愛する人々が崩壊していく物語であり、ホラーの枠を超えたドラマです。

いつかこれを映画化したいです。これが完成したら、きっと新鮮なホラー体験を楽しんでもらえるでしょう。でも、それは先の話で、今日のところは、『SHI』をFangoriaからワールドプレミアできたという喜びでいっぱいです」

感想

日本の神話や昔話をベースに外国人監督が映画をつくるというのはじつにそそられる話ですね。私は『バフィ』や『Supernatural』といったドラマのファンであると同時に、『やまたのおろち』みたいな昔話がとても好きなんですよ。だから、以前から、才能のある外国人の監督が日本にきて、外国人の解釈で、そういうのをつくったらおもしろいだろうなあと思っていたのです。まさにその通りのことをおっしゃっているではありませんか。ぜひぜひやってください。

Quite good interveiw! I especially loved to know that she's been a researcher of those folklore and urban legends, and even she's now trying to create films based on them. It is absolutely fantastic. Look. I am a big fan of "Buffy" or "Supernatural" that kind of TV shows, and also a big fan of Japanese old scary tales (like YAMATA NO OROCHI) since I was a kid. I've been wondering for a long time how it would be great if any talented Western creator could create some cool scary drama based on those Japanese mythology tales. That's definitely what I've been dreaming of. I would see it!

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