日本のホラー映画のVHSコレクターのガイジンさん!日本人もびっくりのコレクション!
ジェイソンさんはおもしろいよ。
twitterでうだうだしていたら、Jayson Kennedy (@ghoulbasement) というひとと知り合って、彼はVHSコレクターで、中でも古いホラー映画の日本版VHSばかりを集めているという珍妙な趣味のガイジンさんで、このスジでは有名人なので、私が紹介するまでもないんだが、彼を知って以来、感動しちゃったもんで、彼のお許しを得てこのエントリを書いています。
世の中、VHSコレクターは多いが、日本の字幕は無用にも関わらず、わざわざ手間をかけて日本版VHSを収集するガイジンさんっていうのが珍しいからびっくりした。twitterで彼と日本人のコレクターのみなさん(@yu131、@LucioFulci74、@OxygnDstryr、他にもたくさん)の会話を見ていると、スゲー楽しそう。
私はみなさんほど根性がないのでVHSコレクターではないが、でもあの時代は懐かしいので、いろんなことが思い出されます。VHS → DVDの過渡期の頃って「クソいまいましいガチャガチャテープからやっと開放されるわ!」と大喜びしたもんです。そういう人は多かったんじゃないかな。当時、大量のVHSテープが不法投棄されているのをよく見た。VHSは用無しのクソメディアだと思われていた。
他にも画像たくさんある → imgur
ところが、そんな風にゴミ扱いされていたものが、いまではお宝。こんなことになるなんて想像もつかなかった。コレクターさんたちが楽しげに収穫物のパケの絵を見せっこしているところは、下校時の小学生の会話みたいです。ほほえましい。そして、その中にガイジンさんが混じっているではないか。いったいナニモノ?と思ったらこんなひとだった↓
ジェイソンさん Q&A
Q1. “Where are you from?”
Q1「どこの方ですか?」
“Baltimore, MD USA”
「アメリカ。ボルティモアです」
Q2. “Do you speak Japanese?”
Q2「日本語できますか?」
“Unfortunately no, I'm still trying to master the complexities of the English language! (haha)”
「残念ながらできません。大人になっても英語という言語の難しさに悩んで勉強しているくらいなんですよ(ハハハ)」
Q3. “It sounds weird because we know that you don't need Japanese subtitles and a lot of old horrors' DVDs/Blu-Rays are already available in US. They're cheaper and easier to get than getting Japanese version for you. Why is Japanese version VHS so special to you?”
Q3「アメリカなら古いホラー映画のDVDやBlu-Rayが安く簡単に手に入るでしょう?日本語の字幕が必要ってわけでもないのに、日本版VHSのどこがそんなに魅力なのですか?」
“Years ago, before the DVD format, Japanese VHS (and LaserDisc) provided a valuable resource to horror/cult fans in North America and other countries because they were usually always uncut, English-friendly, and easily playable in our VCRs. I have great memories of buying bootlegs (unauthorized copies) that were copied from Japanese videos (complete with Japanese subtitles!). Take Scott Spiegel's Intruder (1989) for example, the Japanese VHS is 100% uncensored while the US VHS was heavily cut of five minutes of gory footage! Also I grew older, I really began to appreciate the amazing artwork that Japanese studios and distributors would create to promote both Japanese movies and movies from other countries, so I love the fantastic artwork for most Japanese VHS releases. I'm always discovering more-and-more, so there is almost an "adventure" aspect to collecting Japanese tapes!”
「その昔、DVDが出る前、北米その他各国のホラー/カルトファンにとって、日本版VHS(レーザーディスクも)は垂涎のブツでした。日本版はノーカットで、英語音声がついてて、一般的なVHSデッキで再生できたからです。当時、日本のビデオのコピー品、いわゆるブートレッグ(日本語字幕つき)を買って楽しんでいたのはよい思い出です。アメリカ版VHSでゴアシーンが5分もカットされていたのが(Scott Spiegelの『Intruder』)、日本版VHSではノーカットでうれしかった。以後、年齢を重ねるにつれ、日本の愛情のこもったパッケージデザインに惹かれるようになりました。日本映画であれ、外国映画であれ、日本のVHSのパケのデザインが大好きです。毎日が発見です。日本版VHSを集めるのは、私にとって『冒険』なんですよ!」
Q4. “Are there more people like you around the globe?”
Q4「世界にはあなたみたいなコレクターがたくさんいるんですか?」
“Yes, the Japanese VHS collector's market is slim in America, but there's many collectors throughout Europe and I have personally done buying/selling/trading with many. I even have a friend in Australia who has around two hundred tapes from Japan (mostly hard to find action movies!) And of course I've bought/sold/traded with collectors in your country.”
「います。日本版VHSコレクターはアメリカでは少ないが、ヨーロッパに多い。私は彼らとしょっちゅう売ったり買ったりトレードしたりします。200本のレアな日本のアクション映画のVHSのコレクションを所有するオーストラリア人の友達もいます。そしていうまでもなく日本人のコレクターもたくさん。みなさんにはいつもお世話になってます」
Q5. “Give your message to my blog's readers.”
Q5「うちのブログを読んでくれている方々にメッセージください」
“I'd just like to say that I appreciate Japan's vast contribution to cinema. Not just the incredible value of the country's own film industry, but just how "ravenous" film appreciation seems to be there. Japan might have the largest total VHS catalog of any country. It's amazing how many titles are available! Plus Laserdiscs and DVDs from Japan often have me drooling! Be proud!”
「日本はシネマに計り知れない貢献をしている。日本の映画産業のすばらしさはもちろんだが、加えて、日本人には映画に愛情を注ぐ『どん欲さ』があるように思える。日本のVHSカタログの巨大さは世界トップかもしれない。こんなにたくさんのタイトルがリリースされているなんて驚くよね。VHSだけでなくときにはレーザーディスクやDVDに対してもヨダレが出ちゃいますよ。日本はすごいすごい!」
Q6. “Provide us your contact information.”
Q6「連絡先を教えてください」
“Please feel free to contact me at sehnzeleid[atmark]gmail.com and visit my blog Basement of Ghoulish Decadence.”
「メールはsehnzeleid[atmark]gmail.com。ブログはBasement of Ghoulish Decadence。お気軽に連絡ください」
ジェイソンさんのブログを読もう!
こんな彼のブログはこちら↓
Basement of Ghoulish Decadence
ジェイソンさんのほしいものリスト
おもしろいでしょう?
彼としゃべっていると、外から見た日本の姿というものを気づくきっかけになる。ゆえに、彼を紹介したらおもしろいかなと思って、このエントリを書いてみたというわけです。「友達になりたい」とか「持ってるVHSを売ってもええよ」というような人は、連絡をしてみるといいですよ。
以下、ジェイソンさんの『ほしいものリスト』です。ブツを売ってもいいという人は是非連絡してみてください。このリストは本記事を書いた時点(2013年9月29日)のものなので、時間が経つと変わっている可能性があります。
このリストは彼が書いたものですが、邦題は私が調べてくっつけました。もしかしたら違うのが混じっているかもしれない。VHSとDVDとではタイトルが違うヤツがよくあるから。だから、もしわかんないのがあったら、英題を優先して判断してください。
ビデオの邦題について@yu131さんからアドバイスを頂いて一部訂正しました。ありがとう!
- 『アマゾネスボンバー』
War Victims (Albatros) - 『ゴリラ・コマンドー』
Sergeant Clarin (Albatros) - 『フランケンフッカー』
Frankenhooker (TCC Video) - 『悪魔のえじき』
Day of the Woman (TCC Video) - 『殺戮謝肉祭/屍肉の晩餐』
Grapes of Death (TCC Video) - 『猟奇!処女残酷史』
World Virgin Report (TCC Video) - 『ローズマリー・キラー』
Rosemary's Killer (The Prowler) (Vestron Video International) - 『ブラッド・ダイナー/悪魔のメニュー』
Blood Diner (Vestron Video International) - 『裸の復讐』
Naked Vengeance (Vestron Video International) - 『クラス・オブ・1999』
Class of 1999 (Ascii Vestron Pictures) - 『エンゼルターゲット』
Fatal Games (DaieiVideo) - 『砂漠の戦士/テロ・ファイター』
Trident Force (Herald Videogram) - 『地獄の魔女狩り』
Mark of the Devil (Toho) - 『ハウス』
House (Hausu) (Toho) - 『恐怖の火あぶり』
Don't Go into The House (Toho) - 『ザ・スティック/悪夢の戦場』
The Stick (Tohokushinsha) - 『ブロンクス・ウォリアーズ/1990年の戦士』
Bronx Warriors (Eion Video) - 『ラッシュ 地獄からの脱出』
Rush (Eion Video) - 『マッドマン・マーズ』
Madman (Eion Video) - 『SFサイキック・ウォーズ/怒りの標的』
Miami Golem (Toshiba) - 『真夜中の狂気』
House on the Edge of the Park (Toshiba) - 『ゴア・ゴア・ガールズ』
Gore-Gore Girls (Midnight Video/VAP) - 『ダークナイト』
Dark Night of the Scarecrow (King Video/VAP) - 『悪魔の死体蘇生人』
Return of the Zombies (King Video/VAP) - 『黒魔術のいけにえ』
Brutal Sorcery (Nippon) - 『呪怨の魔術』
Blood Sorcery (Nippon) - 『欲情の血族』
Death Smiles at the Murderer (Sony Exciting) - 『危険な事情』
L'amante del demonio (Sony Exciting) - 『デビルズ・ウェディングナイト』
The Devil's Wedding Night (Sony Exciting) - 『悪魔の入浴・死霊の行水』
Le vergini cavalcano la morte (Sony Exciting) - 『吸血のデアボリカ』
Il conte Dracula (Sony Exciting) - 『地獄のシャイニング』
Something Creeping in the Dark (Sony Exciting) - 『怨霊/女帝エリザベスの復活』
Night of the Werewolf (Clarion) - 『テラービーチ/髑髏軍団美女虐殺』
Terror Beach (Clarion) - 『傴僂男ゴト/戦慄の蘇生実験』
Hunchback of the Morgue (Clarion) - 『ナイト・オブ・ソーサー/性霊・魔女伝説』
Night of the Sorcerers (Clarion) - 『ネモ船長と海底都市』
The Underwater City (Clarion) - 『ナイトメア』(硬いケースの再販)
Nightmare (1980) (TDK Super Video) (Clamshell Version) - 『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』(硬いケースの再販)
Hell of the Living Dead (TDK Super Video) (Clamshell Version) - 『サイコ・キラー』
Formula for a Murder (Pack-In Video) - 『アマゾンの腹裂き族』
Emanuelle and the Last Cannibals (Pack-In Video) - 『美女のはらわた』
Entrails of a Beautiful Woman (Nikksatu) - 『処女のはらわた』
Guts of a Virgin (Nikksatu) - 『近未来戦士テキサス2020年』
2020 Texas Gladiators (Cinema Land) - 『スローター・ハウス/13日の仏滅三隣亡』
Slaughterhouse (Cinema Land) - 『悪魔の祭壇・血塗られた処女』
Cataclysm (Nightmare Never Ends) (Cinema Land) - 『魔島』
The Slayer (MIMI Video) - 『ドリラー・キラー』
Driller Killer (MIMI Video) - 『ファンタズム』
Phantasm (SHV) - 『レディ・ジェイソン/地獄のキャンプ』
Sleepaway Camp 2 (SHV) - 『炎の戦士ストライカー』
Striker (Columbia) - 『グール』
Dangerous Seductress (Columbia) - 『メガフォース』
Megaforce (Pony Video) - 『タッチ・オブ・デス/死の感触』
Touch of Death (Maxam) - 『ガイアナ人民寺院の悲劇』
Guyana: Crime of the Century (Toemi Video) - 『吸血処女イレーナ』
ErotiKill (Inferno/Network Video) - 『イントルーダー 侵入者』
The Intruder (Morubeni Video) - 『デビルスピーク』
Evilspeak (Warner) - 『コブラ・ミッション』
Cobra Mission (Teichiku Video) - 『トロル2/悪魔の森』
Troll 2 (AV NEC Avenue) - 『死霊の罠』
Evil Dead Trap (JHV) - 『ブラディ・ムーン/血ぬられた女子寮』
Bloody Moon (Victor) - 『ホウリー・マウンテンの秘宝/密林美女の謝肉祭』
Mountain of the Cannibal God (Tokuma Video)
免責事項
私はジェイソンさんのことが好きだからこんなエントリを書いたんだが、金銭授受を伴う取引は自己責任でお願いします。なにが起きても私は責任を取らない。
ジェイソンさんの連絡先
ジェイソンさんに連絡したい人は以下からどぞ。英語で書く必要がありますが、彼は親切な人なんで多少はへんな英語でもわかってくれると思います。要は真心ってことで。
- サイト: Basement of Ghoulish Decadence
- メール: sehnzeleid[atmark]gmail.com
- twitter: @ghoulbasement
- VHSコレクション画像(imgur.com)
あと余談ながら、VHSコレクター関係のサイトをいくつか紹介。
ジェイソンさんと仲良しのネズミツオさんのブログはホラー愛の奔流↓
あとこちらは『Slaughter Tales (2012)』を書いたときに知り合った↓
VIDEO VENDETTAは15歳で監督デビューした(ほんとまぢで)ジョニー坊やのサイトです。彼はVHSコレクター。LunchMeatVHSはこのスジの老舗です。サイトもおもしろいが、ここんちのJoshはスゲー親切で楽しいヤツです。
To Jason. Thank you so much for allowing me to write this entry. I'm pretty sure Japanese horror fans would love you. You're the best.
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