PV2,813

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

本ページは『映画|オープン・グレイヴ 感染|Open Grave』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓

ネタバレ結末

色々あるが、簡単にいうとこういうオチでした↓

この世は謎のウィルスが蔓延する死の世界。ウィルスに感染するとゾンビみたいになっちゃう。んで、死体の山で寝ていた男はジョナといって、治療法を研究する科学者だった。唖のアジア人女性は、この世でたったひとりの免疫を持つ人間で、だから彼女の肉体を研究すれば、治療法が見つかる、と信じてやってたんだが、不幸な事故が起きて、みんなはドタバタと襲われてしまった。他の連中は科学者仲間 + 患者さんだった。

なぜ彼らが記憶をなくしていたかというと、生き延びるためにへんな薬を自らに注射したから。それを射ったお陰で死なずに済んだんだが(仮死状態になるらしい)、その代わり、副作用として記憶を失ってしまうのである。

というびっくりオチが明かされたあと、気の毒なジョナさんは再び同じ運命をたどってしまう。ピンチの後、またもや自分に注射をし、生き残る。こんどはアジア女とふたりきり。彼は彼女を守り、治療法を確立し、世界を救わなくちゃいけないんだが、その記憶は戻るんでしょうか。

2人の眼前には、見渡す限り死体の風景。死体死体死体死体死体死体死体死体死体。視界の届く限り、地平の彼方まで死体が広がっているというギョギョギョな光景に、あなたは胸を打たれるだろう。

おしまい。

感想再び

この映画では、ほとんどの細かい話が未説明のまま終わってしまう。軍隊みたいな連中はナニモノかとか、死体をカカシ代わりに使う設定についてだとか、他にも不明点がたくさんある。「わからないことは想像しろ!」という潔い脚本だが、なんとなくわかるようになってるからえらい。

世間の評価を見ても「『28日後... (2002)』のプリクェルってかんじだよね」「いや、『ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖 (1973)』に近いのではないか」なんて会話が聞かれるくらいなので(ココとか)、この映画は想像をかきたてるようにつくられているのである。

思えば「ウィルスが蔓延する終末世界」という設定のホラー映画は定番物語なので、いっそのこと「ありきたりな説明はハショッてしまえ。その方がミステリアスでいいじゃん」という風に考える人が出てきてもおかしくない。これからはこういう映画が増えるのだろうか。『THE DAY ザ・デイ (2011)』もそういう雰囲気があったなあ。

このような方式は、単に「説明をしなければよい」というものでもない。観客に謎めいた印象を与えつつ、結末まで興味を持続させる演出力が求められるから、これもひとつの高度なワザなのだろう。『オープン・グレイヴ 感染 (2013)』においては「ジョナという男は悪いひとなの?どうなの?」という演出もあったりして、観客はやきもきさせられる。そこがおもしろい。

でも不満な点もある。こんなに頭のよい科学者なのだから、後から記憶を戻せるようになにか残しておけばいいじゃんね。アワを食ってそれどころではなかったのかもしれないけどもさ。でも、せめて、メモをポケットに入れるくらいのことはしろと思った(見た人には意味がわかる)。

この手の『説明しない系ホラー映画』はたまに見るのがいいな。いつもこの調子でやられると、すぐに倦きそう。と、私なんかは思うんですけどね。

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