PV5,100

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

本ページは『映画|パペット・マスター2|Puppet Master II』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓

ネタバレあらすじ

最初に襲われたのは、オカルト研究家(?)のカミーユていうオバさん(ニタ・タルボット)だが、パペットたちはその死体を隠しちゃったもんで、みなさんは「怒って家に帰ってしまったのだろうか」と心配する。ヒロインのキャロリンちゃん(エリザベス・マクレラン)がオバさんの家族に電話をしたら、その息子マイケル(コリン・バーンセン)てのがやってくる。彼は行方不明のママを探しにきたんだが、いろいろやってるうちにキャロリンちゃんと仲良くなって、助けてくれるようになる。

マイケルが到着したときには次の犠牲者も出ていて、それはキャロリンの兄であった。このときには廊下をうろつくトネラーの姿が監視映像にばっちり映っており、これに気づいたチームがナニゴトかーと助けにいったのだが、間に合わなくて死んだ。が、キャロリンたちはトネラーを捕獲することに成功する。捕獲してみたものの、それはただの人形だから彼らにはわけがわからないのだが。パペットの服を脱がしてコンピュータで調べるシーンはなかなかおもしろい。

さて、トゥーロンがパペットたちに命じて人間の脳ミソを集めさせていたのは、自分と愛する妻を復活させるためであった。等身大のカップルパペットが2体隠してあって、めでたく妻と一緒に人形として復活し、永遠の命を手に入れようとしていた。それに必要な魔法ジュースをつくるために人間の脳ミソが要るんだそうです。

パペットたちはいわれた通りにせっせと働いたが、その過程でリーチウーマンが死亡(ていうの?)。ストーブに放り込まれて燃えちゃったのである。元々リーチウーマンというパペットはトゥーロンが妻を想ってつくった人形なんだが(次の『パペット・マスター3/ナチス大決闘 / Puppet Master III: Toulon's Revenge』でそれが明かされる)、つまり妻の分身ともいえる存在なのだが、トゥーロンは大して悲しがることもなく "So, another lost.(またひとり減ったか)" というだけであり、さらに、持ち帰った脳ミソが焼け焦げていることに腹を立て「使えんヤツラだのう」と冷たい台詞を述べ、ぐちぐちと文句をいうのだ。パペットたちは悲しそうです。

ところで科学者チームのリーダー、キャロリンちゃんはトゥーロンの妻エルサにそっくりだったもんで(エリザベス・マクレランが一人二役)、トゥーロンは彼女に惚れてしまう。が、彼女は途中参加のマイケルくんとラブラブであり、ブキミ博士に勝ち目があるわけないのだが、なにしろ自分の妻とそっくりだから、嫉妬心がメラメラ〜。若いふたりにいやがらせをするセクハラオヤジのようなことをします。もうイメージ台無し。

そうこうやってる合間に、1912年のカイロのフラッシュバックがあって、大昔のトゥーロンのようすがわかります。彼は妻エルサといっしょにドサ回りの人形劇をやってたんだが(題目は『ファウスト』)、ある日、ショーの最中にへんな男が現れ、そいつは魔術でパペットたちをぜんぶ燃やしてしまう。その後、男はトゥーロンを呼びだし、親切ゲに提案をする。「先日の事故はお気の毒でした。あなたによいものをあげます。ラムセスの墓以来の驚きですぞ」なんつって、へんな人形(てか生き物)を見せる。それは生きてるように動くのでトゥーロンはびっくりした。男は「この秘法を教えてあげます」と申し出た。トゥーロンは「ぼかあ、アーティストです。魔術師じゃない」と断ったが、奥さんエルサに「人形劇を楽しみにしている子供たちのため」とうながされてそれを教わった。

このシーンで登場した動く人形は悪魔みたいに邪悪な外観だった。ゴブリンみたいな。トゥーロンはそれを見て顔をしかめたが、相手のオッサンは「この造型はわたしの趣味だから気にしないで。あなたに教えたいのは秘法だけです」なんつってたので、あんな外観を好むという点からしてこのオッサンは悪魔なのかも。

この映画だけ見てると、トゥーロンが秘術を得たのはこのときなんだなと思ってしまうけれど『Retro Puppet Master (1999)』を見ると、どうやら違うみたいです。パペットが燃やされるシーンをよく見ると、3体あるうちのひとつ、メフィスト役のパペットはヒモなしで動いている。ゆえに、トゥーロンはこの時点で、すでに秘術を得ていたのではないかと思われます。詳しくはこちら↓

トゥーロンが秘術を得た経緯についての考察

現在のお話に戻ります。

トゥーロンの魔法ジュースはついに完成する。彼はキャロリンを捕まえて、彼女の見てる前で儀式を行う。顔の包帯を取り、グジョグジョの怪物顔をさらし、ジュースをごくごく飲む。そして自分のノドを切る。あふれる血液を等身大パペットに飲ませる。彼はバタンと死亡。代わりに人形がわははと生き返った(風間杜夫似)。「かんたんでしょ。ちょっと痛いだけです。次はきみのばん」つって、彼女にも同じことをやらせようとするんだが、そこにマイケルが突入してくる。

という状況を、パペットたちは神妙顔で見物していたのだが、彼らはご主人様に裏切られたと知る。トゥーロンはパペットたちをコキ使い、お疲れ気味の彼らに「もうちょっとがんばってくれえ。あとでご褒美やるから」とかいってたのだが、いざとなったら「おまえらが働いてくれたおかげで、妻は復活する。えらいえらい。おまえらは木クズになっちゃうけど、おれの役に立てたのだからうれしいだろ」なんていうのだ。この言葉を聞いて怒ったパペットたちはガガーと攻撃開始。トゥーロンは死亡。キャロリンとマイケルはピンチ脱出しました。

ラスト。

キャロリンとマイケルはカミーユ(マイケルのママ)の死体を埋葬。なぜかその死体の首には、死後相当経ったのちにつけられたと思われる切り傷があった。ふたりは疑問を感じつつホテルを去る。

パペットたちは余った魔法ジュースを使って、カミーユを復活させたのであった。カミーユはトゥーロンが妻のために用意した等身大パペットの外観で復活し、パペットたちを連れてバンを運転して旅に出る。みなさん、楽しそうです。バンのバックには次の文字がある。

『ミス・カミーユの楽しいパペットショー! / Miss Camille's Happily Ever After Puppet Shows』

てわけで、旅の人形劇一座になったのです。おしまい。

この映画に登場したパペットたち

パペット・マスター - キャラクター図鑑

なぜトゥーロンはわるもんであるのか?

トゥーロンが魔法ジュースを飲んだとき「コラ、動物の脳ミソが混じっておるぞ!おまえらは手抜きをしたな!まぁしょうがねえ」と怒っていたので、このぶぶんを拡大解釈するならば、パペットたちが冒頭で行った蘇生復活はどこか不完全だったわけで、そのせいでトゥーロンはわるもんトゥーロンになってしまったのではないかと思われるわけです。最初の方で出てきた農場夫婦の「ラバが殺されて、脳ミソが食われた」という台詞もあったでしょ。だからそうかなと思うのですが、かなりコジツケっぽいですが、いちおうそれで説明がつくかなと。でも、てことは、最後に蘇ったカミーユは不完全ではないかという疑いが出るわけですが、そこらへんがどうなんだか私にもわかりません。

農場の太ったオバさん

農場夫婦のオバさんはリーチウーマンを火あぶりの刑にするという健闘を見せました。彼女は出てきたときには「あのホテルに行ったら内臓を焼かれるよ!」と警告してましたが、その後、彼女はリーチウーマンを丸焼きにし、さらにトーチに火炎放射をくらって焼死という、まさに燃えるづくしの燃えるオバさんキャラでした。

キャロリン = エルサ?

トゥーロンは『キャロリン = エルサ(の生まれ変わり?)』と完全に信じていたが、このふたりの女性の相似は偶然を超えたなにかがあるのかも。早起きに関する台詞でそれが暗示されていた。キャロリンが「寝坊すると一日を損した気になる」といったら、そのあと別シーンで、トゥーロンが妻の口癖としておなじようなことをいっていたから。でも結局わかんないわけですが。

墓場のシーンで出てきた墓碑

ボデガ・ベイ・インに隣接する墓の墓碑銘がチラと見えた↓

John Bocca 19** - 1985(伏せ字のところは見えなかった)
Zeke Kern 1844 - 1894
Kern Ezra Toulon 1941

ボデガ・ベイ・インの由来

キャロリンがホテルの書斎で見つけた本を読み上げるシーンの台詞によれば、ボデガ・ベイ・インは不思議なものが大好きな変人の老女がつくったホテルだそうです。ホテルをつくったひとのお言葉↓

"I was told of the hill's mystical aura by a fascinating Egyptian and so I built my hotel hereas a heaven for all spiritual wayfarers who long to escape this imperfect, worldly plane."

てことなんで、このホテルの初代所有者はオカルト全般に理解があり、トゥーロンみたいな人たちをパトロンみたいに助けてあげていたのだと思われます。ただのホテルではなかったのですね。

この映画の記事に戻る↓