PV3,699

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

本ページは『映画|メカニック|The Mechanic』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓

ネタバレ結末

アーサーはナポリでの暗殺指令を受けたのち、スティーヴの持ち物の中に自分のファイルを発見して驚く。つまり、知らないあいだに自分は暗殺されるべきリストに載っており、そしてその暗殺者はスティーヴである、てことを知るんだが、アーサーはなに食わぬ顔でスティーヴを連れてナポリにいく。

どうしてアーサーが狙われるかというと、自分ルールを貫く彼を組織が危険視したゆえかなと思われるが、スティーヴが暗殺の指令を受ける場面はなかったので、もしかしたらスティーヴは自分で勝手にアーサーの身辺を調査したのかもしれない。どちらにせよ、スティーヴがアーサーにいえない秘密を隠している点は確かなんですな。

ふたりはナポリで殺しの任務を完了しようとがんばるのであるが、これは組織が仕掛けた罠だったと知る。ドタバタアクションの末にピンチ脱出。追ってくる敵をぜんぶやっつけた。ふぅ。

ふたりはホテルに戻り、さてさてアメリカに帰るかと思ったら、スティーヴが「こんどいつナポリに来れるかわからないヨ」つって、アーサーの好きなワインを注ぐ。アーサーはそれを飲む。

ところが、グラスの内側にブルシンが塗られており、心臓発作を偽装する策略に落ちたのであった。スティーヴはアーサーから伝授された殺しの哲学を、そっくりそのまま、アーサーを相手に実践したのである。

以下は死にゆくアーサーとスティーヴの最後の会話↓

Arthur Bishop: Was it because of your father?
Steve McKenna: You killed him? I thought he just died. You see? There you are. They told you who to hit. It kept the whole idea from being what we talked about. You needed a licence. Their licence. I'm gonna pick my own mark. Hit when I want. Just like you said. Standing outside.
[Aurther dies]
Steve McKenna: See Naples and die.

アーサー: おまえの父を殺したからか?
スティーヴ: (興味ナサゲに)あぁ、あなたが父を殺したなんて知らなかったよ。(勝ち誇った調子で)あなたはだれを殺せと命じられてそれをやり続けた。あなたにとって、組織のお墨付きを得ることが重要だった。でも、ぼくはちがうよ。殺したいときに殺す。それがアウトローってもんさ(ニタニタ)。
[アーサー死亡]
スティーヴ: (コバカにする口調で)ナポリに死す、だね。

"Standing outside" は "Standing outside of the law" のことをいってると思うんで『アウトロー』と訳しましたが、『だれにも頼らず自立する』みたいな意味合いかなと思います。

アーサーはスティーヴの秘密を知っていたはずなのに、チョイと気を許して、あるいは、運命に身を任せてしまったのかもしれないが、どっちにしてもヤキが回って若造に足元をすくわれたという結果になる。

ところがその先にもういっちょうtwistがある。

スティーヴはアメリカに帰り、アーサーの家にいく。勝ち誇ったきぶんで家の中をぶらついたのち、ガレージに行く。ムスタングをもらってそのままトンヅラ。しようと思ったら、アーサーの置き手紙を読んで青くなる。

Steve, if you read this, it means I didn't make it back. It also means you've broken a filament controlling a 13-second delay trigger. End of game. Bang - you're dead.

ムスタングはドッカーンと爆発。スティーヴは爆死。

おしまい。

アーサーは弟子スティーヴにまんまとヤラレちゃったが、タダでは済まさなかった、というオチは、結局のところ、ふたりの殺し屋は両方とも死んじゃったよ、おしまい、てことなんだが、もしかしてアーサーは生きているんじゃないか、こんなに用心深い彼のことだから、ギリギリでピンチを脱出したんじゃないか、という気もする(私の想像だが)。

もしそうであるなら、彼は、裏切り者を消すと同時に、自分の死を偽装したということになるわけで、とってもカッコイイなあと思うんだが、実際のところ、どうだったのか誰も知らない。いや、彼はナポリで死んだのだろう。たぶん。

このなんともいえない余韻がこれまたいいのである。

ちなみにリメイクの方の結末は、似てるけどちがう。どっちがいいかはお好み次第ですな↓

殺し屋さんはイメプレ好き

書くのを忘れちゃったので付け加えます。アーサーがハリーを殺したあと、癒しを求めてかわいい売春婦さんに会いに行くところ。そこには意外なオチがあるんですよ。こんなの↓

アーサーが部屋をノックすると、女が待ってて迎え入れる。「あー、会いたかったわ」とかわいく身をくねらせ「あなたのためにラブレターを書いたのよ」つって、手紙を読んで聞かせるのです。アーサーは「よしよし」つってベッドにいく。

このネーチャンは彼にメロメロなんだなと思ったら、翌朝、びっくりすることをいう。帰り支度をするアーサーに背中を向けて「今日はチョット多めにお願いします。手紙を書くのに時間がかかったのよ」なんてプロの売女の台詞をいうの。アーサーは「うむ。あれはなかなかよかったぞ。次も同じ調子で頼む」つってカネを置いて去る。イメージプレイ好きな殺し屋さんだったんですなあ。切ない。てか、哀しい。

余談ながら、この女の部屋の壁に飾ってあるポスターがすごいです。いろんな古い映画(『King Kong (1933)』『City of Missing Girls (1941)』『Blood and Sand (1941) 』他にもイロイロ)のポスターがいっぱいあってびっくりするよ。あれもイメージプレイの一貫なんだろうか。

この映画の記事に戻る↓