!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|フランケンシュタインの花嫁|Bride of Frankenstein』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
あらすじネタバレ
冒頭プロローグ。
いきなり貴族衣装の3人組が出てきて、古くさい英語で「おー、あの嵐を見よ」とかいうので「ナンじゃこれは!」とめんくらうが、彼らの会話からその素性がわかる。
小説『フランケンシュタイン』の原作者メアリー・シェリー(美女!エルザ・ランチェスター)、その夫であり詩人のパーシー・ビッシュ・シェリー(ダグラス・ウォルトン)、その友人であり詩人のバイロン(ギャヴィン・ゴードン)というみなさんであった。
バイロンはメアリー・シェリーに「そなたのようなカワイコちゃんがどうしてあのような怪奇話を思いつくのだろう。ほんとにこのきれいな手であれを書いたの?」とかいいつつ、前作の内容がサマリされ、過去映像が出る。
メアリー・シェリーは美女スマイルをしつつ、興味津々の男ふたりに語り始める。「あれでお話は終わりではないんですのよ。続きが気になりますか。うふん」
Mary Shelley: It's a perfect night for mystery and horror. The air itself is filled with monsters.
メアリー・シェリー: こんな嵐の晩にはホラー話がぴったり。ほら、空気のなかにモンスターが満ち満ちているわ。
てわけで、前作『フランケンシュタイン (1931)』のラストの続きが始まります。
風車小屋がぼーぼー燃えている。これを見守る村のみなさんは怪物(ボリス・カーロフ)をやっつけてごきげん。「こーんな盛大な炎を見たのは初めてだ!」と喜ぶオバチャン(ウナ・オコナー。この女性はフランケンシュタイン家の女中さん)の顔つきからして、ケンカと火事を好むのは江戸っ子だけではないようです。と思ったら、じつは怪物はこっそり生きていた。
風車小屋がすっかり燃えつき、ガレキの山となり、野次馬連中が帰ってあたりが静まった頃、前作で殺された少女マリアちゃんの両親(レジナルド・バーロウとメアリー・ゴードン)が残っていたのだが、この父親は怪物の死体を見ないとすっきりしないので死体探しをしていたんだが、そこに怪物が出てきてガオー!彼は殺される。妻も殺される。怪物は再び逃亡。
さて、こちらはヘンリー・フランケンシュタイン(コリン・クライヴ)。彼は風車小屋から落下して重傷を負ったが、家に運んだら目を覚ました。エリザベス(ヴァレリー・ホブソン。前作から女優さんが変わった)は彼の無事を喜び「もうキチガイ実験はやめてくださいね」とお願いする。ヘンリーは前作では大反省をしたのだが、いざ助かるともっとやりたくなってくるようであり、未練たらたらの台詞を述べるが、愛するカワイコちゃんに「やめて」といわれると断りきれないという、やっぱり優柔不断なヤツだと思ったところに、不意の来客が。
しかめつら顔の中年紳士(アーネスト・セシジャー)が入場。プレトリアス博士はヘンリーがいた大学の先生で、彼もまたキチガイ実験をやるもんで大学から放逐されたという過去を持つ。いわばヘンリーと同類。彼はヘンリーが墓泥棒をしたことなどすべて知っていると前置きし、次のようなナイショ話をした。
「じつはわしも同じような研究をやっている。あんたのやつとはちょっと違うんだが、まぁ似たようなもんなのだが、ここでひとつ提案したいのだが、わしの研究とあんたの研究を合わせたらきっとすげえもんができるから、いっちょうコンビでやりませんか?弟子になれなんていいません。対等のパートナーになってほしいのです。いっしょにやろうよマイフレンド」
という話であった。これを聞いたヘンリーはまたもや野望がむらむら。誘われるまま、プレトリアス博士の自宅ラボへと行く。そこで見せてもらった博士の研究成果は驚くべきものであった。それはミニチュアサイズの動く人間たちである。彼は小さなものに命を吹き込むことをやってて、いくつかのサンプルを見せてくれたのだが、その中には人魚もいた。
※このシーンで登場するミニチュア人間のみなさんは以下の俳優さんが演じています。デビルはピーター・ショウ。クィーンはジョーン・ウッドベリ。キングはA・S・ポップ・バイロン。司教はノーマン・アインスレー。かわいい人魚を演じたのはジョセフィン・マッキムという女性で、当時のアメリカの競泳選手。
これを見たヘンリーは「こりゃスゲー!」とおったまげた。大喜びで賞賛するのかと思ったら、それどころか顔をしかめて「こんなもんは科学じゃない!黒魔術だ!」と嫌悪の台詞を述べた。
私、思うに、死体を蘇らせる研究をやっていたヘンリーがそんなことをいうのはちょっとへんではないか。どっちもどっちである。佐川一政が宮崎勤を評して「あいつは変態だ」と呼んだのと似ているかんじがする。
プレトリアス博士も私も同じことを思ったようであり「わしゃ狂ってる?そうかもしれんが、あんただって墓から死体を盗んで縫い合わせていたじゃないの?」と言い返し、自分の思いを熱く語りだす。「聖書にもあるでしょ。男と女をつくって新種の生き物をつくったらすごいとおもわない?わしとあんたでやるの!わしらは神になる!」というような話をぎらぎら目つきで語り、最後に驚きの目的を明かした。
「あんたがつくったアレの... ヨメさんをつくるってのはどうよ」
これを聞いたヘンリーは目をまるくした。
一方こちらは怪物。彼は山に入ってうろついていたところで、羊飼いの娘さん(アン・ダーリング)とばったり出会った。怪物が「ンガンガ!」といったら娘さんは絶叫して滝に落下。これを見た怪物は彼女を助けて介抱するのだが、女はますます絶叫。きゃあああ。ンガンガ。怪物が山にいるという話はたちまち広がり、村人たちは総出で山に突撃。怪物は生け捕りにされてしまう。
村人たちは丸太ん棒に怪物をくくりつけ、わっせわっせと町に運び、厳重警備の地下室に拘禁した。そこには特製の怪物専用拘束イスがあり、重い鎖でくくりつけた。が、怪物はすぐに自力脱出。バカちからで鎖を引きちぎり、重い扉をブッ壊してまたもや逃走。どっかに消えた。
また森に逃げ込んで、いろいろヒデー目に遭ったのち、盲目のバイオリンおじいさん(O・P・ヘギー)と出会って友達になる。おじいさんは目が見えなくて孤独だったので、怪物を怪物と思わず、飯を食わせてやって優しくした。怪物は涙を流して喜ぶ。彼はおじいさんに言葉をならった。BGMはアヴェマリア。が、また村人に見つかり、逃げる。かわいそうだなと思ったら、逃げた先でプレトリアス博士に出くわす。
博士は19歳女子の新鮮な死体を手に入れたところで、やるきまんまん。「おまえのヨメさんをこしらえてやるからな!」と述べ、ワインと葉巻で怪物を手なづけた。この死体に命を吹き込むにはヘンリーの知識が要るのだが、ここにきてヘンリーは協力を拒む。「もうやばいからかんべんしてください」というんだが、プレトリアス博士は目的のためなら手段選ばずという男である。彼はエリザベスをさらって強制参加を命じた。
ヘンリーはいやいやながら協力。嵐が吹き荒れる中、おなじみのアレ、ピカピカどかーん!の実験をやった。全身包帯ぐるぐる巻きの女の死体が動き出す!ジャジャーン!
プレトリアス博士は「おぉおおおお!」と喜ぶ。いやいややらされたはずのヘンリーも「She's alive!」と叫んで喜ぶ。さて、注目すべき怪物のヨメは意外にもスーパーモデルのような顔立ちの美女であった。ヘアスタイルが爆発してるんだが、一昔前のファッション雑誌の表紙モデルみたいでオシャレである。この女怪物はよたよたと立ち上がり、カクカク動きであたりを見回し「ひゃー!」とケモノぢみた声をあげた。
※ヨメを演じたエルザ・ランチェスターは映画の冒頭プロローグで登場した原作者メアリー・シェリーと同じ女優さんだが、髪型メイクが違うので、パッ見るとぜんぜんわからない。
「これがおまえのカノジョであるよ」といわれた怪物はうれしそうに歩み寄り、「フレンド、フレンド」と優しい言葉をかけたが、ヨメは怪物の姿を見てきゃーと絶叫。怪物はフラレる。かわいそう。怪物は「ぼくのこときらい。ほかのみんなといっしょ」と悲しい台詞を述べる。ヤケクソになった怪物は壁のレバーに手をかける。それは自爆装置の起動レバーであった。
そこにエリザベスが駆け込んでくる。「ヘンリー!はやく逃げよう!」「おぉ、エリザベス!でもこのひとたちを置いていけないよ」という会話を聞いた怪物はなぜかヘンリーだけは逃がす気になり「おまえは逃げろ。はやくいけ」といい、プレトリアス博士に対しては「おれたちはしぬうんめい」と述べ、レバーを引く。
ドッカーン!ラボは壊滅。怪物とプレトリアス博士と怪物のヨメはオダブツ。
おしまい。
※ラストで怪物がヘンリーを逃がしたのは、エリザベスを見たからですかね。ヘンリーを殺したら彼女が悲しむからそのようにしたのかなと。
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