!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|ザ・トンプソンズ|The Thompsons』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
ネタバレ結末
映画の中では時系列が頻繁に入れ替わるのであるが、まとめるとこうである。
前作『パニック・ゲーム (2006)』の後、5人兄弟はトンプソンと名前を変え、落ち着く先を求めて仲良く旅をしていたが、カリフォルニアで強盗事件に巻き込まれ、末っ子のレニーがショットガンで撃たれて重傷を負った。これに怒ったみなさんはガオーとキバを出し、強盗どもをブッ殺したが、その様子がばっちり警備カメラに写っていた。
テレビニュースにデカデカと顔が出て、お尋ね者になってしまったもので、もうアメリカはいられない。国外逃亡。ヨーロッパへ。が、国際指名手配された彼らに安住の地はなく、安ホテルに潜伏。
フランシスと長男デヴィッドは重傷レニーを連れてロンドン、双子コンビはパリにいる。いろいろやってるうちに、ロンドンの北東に位置するルドロー(Ludlow)ていう町に行けば助けてもらえるという情報を得る。フランシスだけが先行し、偵察にいく。デヴィッドはロンドンに残ってレニーの看病。双子コンビはパリで連絡を待つ。
フランシスは求める相手に出会うことができたが、これが助けてくれるどころか、とんだ悪人だったのであり、だまされてヒデー目に遭わされる。
彼が出会ったのは、父母息子x2娘x1の5人家族で、スチュアート家といって、こちらもヴァンパイア一家であるが、そのマインドは大きく異なる。スチュアート家は家柄を重んじる家風であり、たとえヴァンパイア同類といっても、他のファミリーをコバカにしているのである。なにかこう、自分らは生まれながらに優勢なのだ、と信じるイヤミなやつらなのですね。
スチュアートの狙いは、フランシスの姉、ダーレーンである。繁殖目的。家柄を重んじるスチュアート家は、代々、計画的に他ヴァンパイアの血を入れて跡継ぎを産ませていたが、ヴァンパイアなんてそう簡単に見つからないから大変なのである。早く女ヴァンパイアを調達しないと血筋が断絶してしまうと危惧していたところに、フランシスが迷い込んできた。これはカモネギ。歓迎し、めしを食わせ、だまくらかす。パリにいる双子を呼び寄せるようにうながし、ロンドンにいるデヴィッドとレニーの元に殺し屋(ショーン・クローニン)を送る。用済みになったフランシスを生き埋めにした。
なぜ女ヴァンパイアでなければならないか、娘がいるんだから男でもいいだろ、という疑問が出るが、それには理由がある。スチュアート家の末娘(エリザベス・ヘンストリッジ)はヨメとして使えないのである。彼女はライリーちゃんという名のカワイコちゃんで、性格もよく、頭もいいが、致命的な欠陥がある。彼女はヴァンパイアの実子でありながらヴァンパイアでないという特殊体質なのだ。理由は謎。ゆえに、彼女はファミリーの面汚しであり、できそこない娘なのである。父からも兄からもヒデーいわれよう↓
Father Stuart: Remember what you are! A disgrace! You're not part of this family. You're weak. You're a burden. I could smell it the first day you were born! We'll keep our family lineage. Everything else is expendable, including you!
Cole Stuart: She doesn't have a fucking say in our family!
んで、まぁ、いろいろあるんだが、ドタバタアクションの末にフランシスと兄弟のみなさんは、スチュアート家の者たちと闘い、すったもんだの末に、勝利する。ここで加勢をしてくれたのが、ヴァンパイアの家に生まれたくせにヴァンパイアでない、ライリーさんである。
彼女は父母兄たちに愛されてたくて、でもいつも「おまえはできそこない娘」なんていわれて、悲しかったのですね。家族の役に立ちたい一心で一度はフランシスをハメたが、やはりこんなのはよくないのではないか、と悩み、最後には自分の家族を泣く泣く裏切るのである。
また、彼女の加勢に加え、重傷を負って動けないと思われていた、ちびっこヴァンパイアのレニーの起死回生の攻撃も大きかった。あのブルブルシーンはすごかった。デヴィッドはレニーくんが回復していると知って、スチュアートにワナを仕掛けたのですね。どういうワナかっていうと ... 詳しくは映画でどうぞ。
レニーはロンドンで殺し屋に襲われたとき、その殺し屋にカミカミして吸血した。その結果、回復したんだそうな。ヴァンパイアがヴァンパイアを吸血すると傷が治る。という新たな公式が得られたわけだが、これはレニーだけの特殊体質なのかもしれない。詳しくはわからないんだが、もしかしたら、(あるかどうか知りませんが)次なるPART3の伏線になるのかもしれない。
エンディング。
全滅したスチュアート家のみなさんがお墓に埋められるところ。ライリーさんはひとりぼっち。そこにフランシスがきて「いっしょにいこう」と誘う。彼女は自分の家族を裏切った罪悪感でいっぱいなんだが、迷った末、いっしょにいくことに同意する。5人家族にできそこない娘が加わって、6人のみなさんは旅を続けるのであります。
おしまい。
※映画の後半で、Mandersonというのはフランシス兄弟の母の旧姓だったと明かされた。彼女は大昔にスチュアートのひとたちに繁殖目的で監禁されていたが、好きなひとができて逃げ出した。そしてアメリカに渡ったのでした。兄弟たちは両親の悲しみに思いを馳せ、そしていま自分が共にいる家族に深く感謝をするのである。感動したー。
この映画の記事に戻る↓