!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|トランス・ワールド|Enter Nowhere』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
ネタバレ結末
3名が各自バラバラの土地にいるつもりだったというのはびっくりだが、さらに、驚くことに、彼らは別々の時代に属する人々だったのであります。わー。
若奥様のサマンサは「今年は1962年だ」といい、強盗娘のジョディは「1984年だ」といい、イケメン男のトムは「2011年だ」っていう。おもしろいじゃん、これ。
んで、いろいろ身の上話をしてたら、彼らは血縁者であるとわかる。サマンサの娘がジョディで、その息子がトム。どうやってか知らないが、母と娘と孫の3者が、各自の属する時代を超えて、ビョーンと集合させられてしまったのです。
そして、この森は戦時中のポーランドで、ここにはサマンサの父親がいる。こちらはハンスといって、後半に登場します(ショーン・サイポス)。
ハンスはドイツ人なので英語はしゃべれないし、突然現れた3人組を敵だと信じて銃を向けてくる。彼は最後の最後まで、わけわかんねーヨ!って調子でした。
3人は各自の不幸話をして、沈鬱に押し黙ってしまう。ジョディは祖父母に育てられたんだけどすごくいぢめられたとか、トムは孤児院で育っていまは天涯孤独であるとか。
そして彼らは、自分が死亡する夢を見たと告白する。サマンサはジョディ出産と同時に死亡。トムは自殺。ジョディは殺人罪で処刑された。てことは、つまり、わたしらはもう死んでるのかな、ここは天国かな、という推測が立つわけだが、ここでトムが反対する。
「いや、未来に起こるかもしれない夢を見ただけだ。これからジタバタすれば変えられる。だからこんな不思議が起きたのだ」
んで、彼らは爆撃で死亡するはずだったハンス(サマンサの父)を助けようとするんだが、言葉は通じないし、ハンスにはとうてい信じられない話なので苦労します。
すったもんだの末、最後には、彼らの目論見が成功し、じわーんとハッピーエンドになります。過去(てか未来?)が変わったのか、パラレル世界にいっちゃったのか、よくわかんないけど。
私の文章ではおもしろさが伝わらないのがもどかしいですが、映画では流れるようにうまくつくってあるよ。
エンディングのシーンによれば、映画の冒頭の強盗の場面で出てきた、金庫の中身にやはり関係があるようです。でも、それがなんなのか、どうしてこんな不思議が起きたのかは明かされずじまいでした。
3人が別々の時代に属する人たちだったという点は後半で明かされるんだけど、そこにいくまでに、いろんなほのめかしがありました。ジョディが「『脱出 (Deliverance)』観たことないの?」っていうんだけど、若い娘があんな古い映画を知ってるなんてへんだなって思うよね。他にも、車だとか、着てるものだとか。あらすじのところで紹介したパックマンネタもそうです。80年代に流行ったゲームですから。
初めてハンスが出てくるところがおもしろかった。3人は小屋にたてこもって外の怪しい男に警戒する。すると、ジョディが(殺人者だという意味で)「あれはマイケル・マイヤーズだ」っていう。すると、60年代からきたサマンサは『ハロウィン』なんか観たことないから「知ってるひとなの?」って聞くの。おもしろーい。あと、JFKとか。そこらへんの小ネタもおもしろかった。
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