!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|Some Guy Who Kills People』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
ネタバレ結末
結局のところ、殺人犯はダメ男のボイドさんではなくって、彼を慕う親切男(レオ・フィッツパトリック)だった、というオチでありました。
この男は、ボイドの同僚で、昔からの友人で、いつも励ましてくれた人物です。ボイドさんが絵が巧いのを知ってて、「彼にチラシを描かせてやってくれ」と頼みにいったり、親切を通り越して、おっせかいなほどでした。
彼はボイドという男の不遇を間近に見、自分のことのように悲しんでいた。ボイドさんを応援しているうち、彼をバカにするいぢめっこたちをブッ殺すようになった。これが真相でした。
ボイドさんはいかにもキチガイキラーと疑われるような終末的な絵をたくさん描いていましたが、彼はそうすることで復讐心を昇華/置換させていたんですね。だからほんとはキラーどころかアーティストだったんですよ。よかったですね。
ボイドさんは数々の状況証拠からいったん逮捕されるんだが、なにも弁明しない。むっつり黙ってるだけ。友達の犯行を庇うというよりも、無気力さゆえの投げやりきぶんだったように見えました。どうでもいいやー、娘に嫌われたっていいやー、と黙っていたんだけど、老練なシェリフのお陰で疑いが晴れ、娘と恋人を取り戻すことができました。おきらくハッピーエンド。おしまい。
なんてオチを明かすと、なーんだ、と思われるかもしれませんが、ここに至るまでのトコが巧かったです。
小さな話ですが、最後にもうひとつ。
上のあらすじでは割愛しましたけれど、エイミーちゃんのママと恋人男ってのがチョロッと出てきました。元々の話、このママとボイドさんとの過去話が彼の自殺未遂の真相につながるんだけれども、問題は、この恋人男ってのが超イヤミなヤローなの。教会好きでセーター着てやがる。へっ。
エイミーちゃんはそいつを嫌ってて、ぜんぜんなついてない。そんな彼女とママが口喧嘩になったとき、この男、母娘の不穏な空気を察したらば、つくり笑いをしつつ、
「あ、ぼくは、カモミールティーを入れてこよっかなあー」
なんつって、台所に消えていくのです。それがスッゲーやなかんじなの!
思えば、このフックでグイと釣り込まれた気がしますねえ。私、カモミールを勧める男とは友達になれないって常日頃から信じていましたから。
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