PV2,861

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

本ページは『怪談 皿屋敷(日本怪談劇場)』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓

ネタバレあらすじ

「いちまーい、にまーい、さんまーい」

井戸の傍らに佇み、悲しげにお皿を数える女の姿が映し出される。この女はナニモノであるか。

はじまりはじまり。

男前アンちゃんの船瀬三平(若林豪)は、友達の儀助(宮島誠)に誘われ、お伊勢参りに行ったんだが、旅先で気になるのは、江戸に残してきた恋人のお菊ちゃん(波野久里子)のことである。げんきにしてるかなあと気にしていたら、不吉な夢を見てきもちわるく思う。

その夢の内容てのが、冒頭で出てきた、彼女がお皿を数えるシーンなんですな。三平は胸騒ぎを覚え、早く戻らねばと焦るのである。

こちらは江戸。

三平には腹違いの兄がいるんだが、こちらは旗本のお殿様。青山主膳(大山克巳)という。三平は妾の子で、青山は正妻の直子だから、兄弟なのに身分が違うのである。

んで、この兄が「お菊はうちの屋敷で預かってあげるよ。心配せずに旅にいっておいで」なんて親切をいうものだから、彼女はそこんちで行儀見習いの奉公勤めに出たらば、ある日「皿が一枚ないぞ!」といって、青山から大目玉を食らう。それは東照宮様拝領の、10枚セットの南京の絵皿で、この家の家宝。

青山は「おまえのせいだ。皿が一枚でも欠けたらわしは腹を切らねばならんのだ」といって烈火の如く怒るのであるが、お菊には身に覚えのない話で、こまったわ、と思ったら、青山の口調は次第にねちねちと湿り気を帯びてくるのであり、ぞおーっとするようなニタリ顔になり、

「なにをかんがえておる?三平がそんなに恋しいのか?うりゃうりゃ」

つって、彼女をてごめにするではないか。いやあぁああ。泣き崩れるお菊さん。

すべては青山の策略だったんですな。弟の恋人がえれーカワイコちゃんと知った青山は、三平の友達の儀助をひそかに手なづけ、伊勢参りの旅に出させ、彼女を自分ちに引っぱり込んだら、むりやりおれのもんにしちゃうのだ、ヤッちまえばこっちのもんだ、という企みだったということで、じつは、消えた皿は青山が家臣に命じて隠させたのであった。青山は計画通りに事が運んで、うれしげニタニタ。

「泣くな。そなたは今日からこの主膳の女になった。めかけにしてとらす。旗本と町奴では月とスッポンであるぞ。せいぜいかわいがってやるからのイヒヒ」

なんていわれたお菊さんはキーッと悔しがり、井戸に身投げをしようとするが、家来に邪魔されて死に切れない。

そうこうやってるうちに、三平が江戸に帰ってくる。親代わりのオッサン、念仏佐次兵衛(島田正吾)とお菊の祖母、おかね(外崎恵美子)に挨拶を済ませると、さっそく青山の屋敷へ向かうが、お菊に会わせてもらえず、門前払いを食らう。

お菊は囚われの身。どんなに青山に責められようが、口から出るのは三平のことばかり。

「ころしてくださいまし。この身をどのようにおいたぶりなさろうとも、心は三平さんのものでございます。たとえ地獄に落ちましょうとも離れはいたしません」

なんていうものだから、青山は猛烈に悔しがるのであるが、彼がどんなに策を弄しても、女の心まで手に入れることはできないのである。

そんなことを夢にも知らない三平は、お菊の身を案じて悶々としていたところ、青山から船遊びの誘いがきて出かけていったら、青山と儀助にブッ殺される。兄と友達にだまされたと知りつつ「おきくをかえせえぇええ」と言い残して、無念に死亡。

三平はケンカで死んだということになったんだが、その死体は発見されず、残された佐次兵衛とおかね(菊の祖母)は心を痛め、その死に疑惑を感じるようになる。佐次兵衛てのは三平の親代わりのオッサンで、男気のある親分さんである。

佐次兵衛は親分らしく単身で青山の家に乗り込み、青山を相手に威風堂々とタンカを切る。「おまえが殺したんだろう。いつか証拠を掴んでおおそれながらと訴えてやるぞ。お菊を返せ」つったら、そこにお菊が出てきて「ぜったいに戻って参りますから、せめて三平さんのお葬式に行かせてください」と泣いて頼んで、彼女は帰宅を許された。

古い時代劇を見ていると、いまとは事情が違うので、なんでこんなところでわるもん相手にペコペコせにゃならんの?といいたくなることが多いが、この時代においては、お殿様の命令は絶対という価値観なんですな。

お菊は祖母といっしょに三平が死んだ川を見にいき、死体を発見する。またまた泣き崩れるお菊さん。

そして、お葬式。

裏切り者の儀助が友達ヅラを装い、線香をあげたら火がふっと消えるではないか。儀助はチビリ顔になる。そこで、すかさず、お菊が彼を問いつめる。「あんたは青山の屋敷でチョロチョロしてたでしょ!なんかわるさしたんでしょ!」といわれた儀助はシラを切るが、佐次兵衛にはお見通しである。

そうか、それでよくわかった。念仏佐次兵衛、血は水よりも濃いと思っていたのが不覚の元。当節は兄もなけりゃ弟もねえ。人として生きるけじめが消えちまったよ。

怒る佐次兵衛は、どうかして青山主膳に償いをさせてやるわと腹を決めるが、ここでお菊が意外な台詞をいう。

「どうかわたしをもういちど青山の屋敷に返してくださいませ」

なんていうからみんなはびっくりするんだが、佐次兵衛は、彼女の決死顔を見ると「なにやら策があるのだな」と了解し、彼女のいうまま屋敷に戻す。裏切り者の儀助は逃げようとしたんで、佐次兵衛の子分たちにブッ殺された。

さて、お菊は屋敷に戻ってどうするつもりであるか、かよわい女がどうやって復讐するんだ、と思ったら、彼女の魂胆は、あの皿を割っちまうことだったんですな。3日後に予定されている椿の花見の宴に10枚のお皿セットが揃っていなければ、青山家は断絶。主人は切腹を免れない。という点を知った上でのカミカゼ攻撃なのであった。

わはは、ざまーみやがれ顔でお皿を割ってやったら、青山はオロオロと血の気をなくし、ギロリと鬼の形相になり、家来に命じて拷問折檻をするが、死を覚悟したお菊にとって、怖れるものなどなにもないのである。

お殺しなさいませ。本望でございます。これで仇が討てました。

これを聞いた青山は悔しくてたまらない。お菊を井戸のつるべにくくりつけ、ばんばんブッ叩く。苦痛に悶絶するお菊さん。

さんざんブッ叩いたあとは井戸の底にざぶーんと落とし、溺れる寸前で引き上げ、さらに強烈に殴打する。

「皿を元のかたちに戻せえェエエエ!」「皿を勘定しろおォオオオ!」と怒鳴ると、お菊は顔を歪めて「いちまーい、にまーい、さんまーい」と声に出して勘定する。そして青山をセセラ笑う。ザマミロ顔で「ふふん。おもいしったか」なんていわれた青山は大逆上。刀をズブリ。ついに死亡するお菊さん。

青山はもう狂っちまって、うぉおおおおりゃあああああ、つって、血迷い乱心する。自分の家来をブッ殺し、死んだお菊のオバケに責められ、しまいに、発狂死。

ラスト。

念仏佐次兵衛とおかねが登場。彼らは精霊流しをして、不幸に死んだふたりの冥福を祈る。お菊と三平の精霊船がちろちろと川を流れてゆくさまは、寄り添うふたりが「やっと会えたね」と喜び合っているようであった。

おしまい。

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