PV3,118

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

本ページは『映画|フライトメア 恐怖!人喰い女達の晩餐|Frightmare』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓

ネタバレあらすじ

1957年。

妻ドロシー(シーラ・キース)、夫エドモンド(ルパート・デイヴィス)ていうキチガイ夫婦が殺人罪で逮捕された。裁判官の判決↓

「こんなヒデー犯罪者は見たことありません。迷わず『死刑!』といいたいところですが、ここに診断書があります。この内容をかんがみて、サイコ病院送りってことにします。彼らが矯正されるまでぜったい外に出してはいけません。以上」

てわけで、キラー夫婦は仲良く病院送りになった。

時は流れて現在。

美人姉妹が登場。ふたりはおそろしく仲が悪い。妹デビー(キム・ブッチャー)は不良少女で、夜な夜なチンピラ友達と遊び歩いて、毎日朝帰り。姉ジャッキー(デボラ・フェアファクス)は美人OL風のおねーちゃんで、こちらは映画スタジオで特殊メイクの仕事をやってるんだが、妹のグータラぶりにガーガー文句をいう。不良少女は「ママみたいなこといってんじゃねーヨ!」と言い返す。姉妹は口ケンカばかりしています。

このふたりは大昔に逮捕されたシリアルキラー夫婦の娘たちである。正確に言うと、姉はパパの連れ子で母とは血がつながっていない。妹は両親が逮捕されたときまだ赤ちゃんだったので孤児院送りとなり、その後、姉が彼女を引き取って面倒を見てきた。こんな優しいおねえちゃんに文句をいうなんてけしからんですなあと思うが、思春期の娘ってのはこういうもんなのだろう。

さて、姉ジャッキーは妹に隠れて、ときどき両親に会っている。両親はながらくサイコ病院で過ごしたのであるが、医師から「はい、あんたら、治ったから出ていってヨシ!」とお墨つきをもらえたもんで、社会復帰したのである。

サイコ夫婦は石造りの古風な家に棲んでいる。そこにジャッキーが定期的に訪れ、血塗れ内臓の差し入れをしたり、ママの(てか、彼女にとっては義理ママ)ようすを心配したりしている。ジャッキーは両親のことを妹に隠している。

※血塗れ内臓の差し入れってのは、ママの人肉嗜好欲求を満たすために、彼女がときどきそれを肉屋で手に入れて届けているってことらしい。

映画を観る私らは、このシーンで初めて夫婦のようすを見るんだが、妻のほうはいまでもヤバいかんじなのだが、夫のほうはまともそうに見える。ちょっと気弱そうなんだが。

夫はしきりに妻の精神状態を心配し、唯一の話し相手であるジャッキーがやってくると「ママはさいきんは落ち着いているようだ」とかいう。パパはジャッキーをすごく頼りにしている。ジャッキーはそんな父と義理ママを重荷にかんじつつも、優しく接しているのです。

ところで、ジャッキーにはグラハム(ポール・グリーンウッド)ていう善良カレシがいて、この男はプロのサイコロジストである。善良グラハムはジャッキーとデビーの精神状態を心配し、勝手に世話を焼き、やがて、この姉妹が名だたるシリアルキラー夫婦の娘たちであることを知る。当時のサイコ病院の医師に面会。このときのシーンで、相手の医師はこんなことをいっていた↓

「この夫婦は6人の人間を殺害した。妻ドロシーは犠牲者の脳ミソを食いたがるという、猟奇趣味の、正真正銘のキチガイだったが、夫エドモンドはちょっとちがっていた。彼は妻にベタ惚れで、妻の望みをかなえるためにいやいや殺人を手伝ったという調子だった。精神病院に入ったのも、妻といっしょにいたいからキチガイになったフリをしたんじゃないか」

彼はそれだけ奥さんに惚れていたということで、でも、だからといって、殺人の手伝いをするというのは、それだけでじゅうぶんキチガイの一種だと思うわけですが。。。

夫婦は病院を出たあと、世間から隠れるように生きてきて、妻を深く愛するエドモンドは彼女の病気が再発しないように目を光らせていたんだけれども、やっぱりまたヤッちゃう。ドロシーはタロット占いという特技があって、ときどき占いのお客さんがくるんだが、夫に隠れて、殺人をする。妻の行状を知った夫はアワを食って「だめじゃないか!」というんだが、結局、ドロシーのいいなりで死体を隠す手伝いをする。

という調子で、アタフタやってたところに姉妹とグラハムも絡んでくる。不良少女の妹デビーはママと出会ったとたんに大喜びとなり「あたしもやらして!ママだいすき!」つって、母娘はいいカンジになる。このふたりは「顔を見た瞬間にコンビ結成!」という調子で、さすが血筋なんだなあというかんじ。

この仲良しぶりを見た夫エドモンドは「わしゃ、どうすりゃいいんだ!」と絶望するが、このドタンバになってさえ、彼は妻を守ろうとするから、やっぱりコイツもキチガイです。

一方、善良カレシのグラハムは「ぼかあ、プロのサイコロジストだ。任せとけ!」と自信満々で乗り込むが、チョロいセラピーなんかでこのキチガイが治るわけないんで、ガガーとブッ殺される。バカは死ななきゃ治らないのだ。

そこに遅れてジャッキーもやってくる。呪われた家系のキチガイぶりを見せつけられた彼女は、義理ママの病気がまるで治っていないことを知り、妹デビーまでもそっちにいっちゃったと知り、唯一マトモそうに見えたパパさえ自分を守ってくれないと知り、愛するカレシがブッ殺されたと知り、ということで、気丈な彼女もさすがに涙目となる。

「あーーー!もう、あんたら、いやあああああ!」となり、最後は彼女もブッ殺される。絶望感が漂う。あー。

おしまい。

※余談ですが、ドロシーはタロット占いでカモを呼び寄せるんだが、本当に当たってるみたいでした。こんなキチガイでも特技があるもんだなあと。それを活かしてまっとうな人生を歩めばいいのに!

※この映画はたくさんきれいな女のひとが出てくるけど、タロット占いのシーンで出てくるリディアっていうひとも美人でした。パメラ・フェアブラザーていう女優さん。

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