!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|パニック・スカイ|Altitude』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
ネタバレ
サラが子供の頃の話。
小型機パイロットだったサラのママは、観光客3人家族を乗せてフライトしていたんだが、タコ足怪物(は間違いで、正しくは『なにか』です)が出てきて、飛行機は墜落した。乗員は全死亡した。
※冒頭プロローグではタコ足怪獣は出てきませんでした。なにかに襲われたんだけど、それはなんだかわからなかったということでしたんで、後日訂正しました。
という昔話プロローグがあり、そしてサラもママと同じくパイロット免許を取得したってことなんだが、さて今回のフライトのメンツのひとり、ブルースくん(ランドン・リブロン)はサラの恋人で、コミックス好き空想好き少年がそのまま大人になったというかんじの繊細な雰囲気の青年なのだが、彼はじつは大昔の事故の生き残りだったと明かされる。彼は、死んだと思われた家族のひとり息子の坊やなのであった。
このブルースくんはへんな特殊体質の持ち主で、本人がこわいと思うと、ほんとにこわいもんが出てくるのであった。だからタコ足怪物は彼の想像の産物だったということで。この事実が明かされるまでのあいだに、ブルースとサラ以外のメンツは死亡脱落しています。
そして、ラスト。
黒い雲からタコ足怪物がジャジャーンと出てくる。きゃー!
これすべてブルースの特殊体質のせいであると知ったサラは、彼を落ち着かせるためにブチューとキスをする。したら、ブルースはいいきぶんになったもんで、たちまち怪物は消え、雲も消え、空は明るくなる。やったぞ。助かった!と思ったら、ブルースは「いまのキス、ほんきじゃなかったんだね」と疑いだす。したら、また、暗くなって怪獣が出てくる。ははははははは。
再び出てきたタコ足怪獣はガオーと咆哮し、飛行機をうにょうにょとひっつかみ、機内にタコ足が入ってきてふたりは大ピンチになる。
「こんなカレシはいやあああああああ」とだれもが思うところだが、サラは勇気を出して、ブルースを説得する。「あなたの想像でこれを消して!」「ぼくにもコントロールできないの!」「なんか楽しいことを想像しろ!」「そんなのむりだよう」「死んだ両親を思い出しなさい!彼らはあなたがこんなふうに死ぬなんて望んでいないはず」といわれたブルースは、がんばってうーんと念じる。彼は優しかったパパママのことを考える。
またもや怪獣は消える。空は明るくなる。ふぅ。こんどはだいじょうぶかなと思ったら、むこうからプロペラ機が急接近。衝突しそうになるが、ギリギリ回避する。この相手ってのが、大昔にサラのママとブルース一家が乗ってた飛行機なのであった。サラは自分のママに、ブルースは自分自身と両親に、衝突しかけたというわけです。
サラのママが操縦する飛行機が滑走路に着陸する。少女サラとサラのパパが心配顔で出迎える。ママはニアミスのことを話して「あぶなかったー」という。ブルース一家もおったまげて「彼らは助かるかな」という。サラママは「だといいね」と答える。
少女サラと少年ブルースは初めて出会い、自己紹介をする。ふたりは手をつないで、遠くのケムリをいっしょに見る。たぶんサラとブルースの乗る飛行機は墜落したんだなと思われる。
おしまい。
てわけで、ブルースが念じたせいで過去が変わった、あるいは、別宇宙が発生した、ということかなという余韻を残して終了。
※いろんな解釈ができると思いますけど、このエンディングは観るひとによって評価が別れるでしょう。『ドニー・ダーコ (2001)』のセオリに従ったら、こんなことをやったら、Tangent Universeがでてきてしまって、かえってえらいことになるのではないかという気もします。
※このオチ自体はいいけど、もっと序盤の段階で彼の特殊体質を暗示するようなシーンがあったらよかったのになあと思うんですよ。その方が説得力が増すんじゃないかなあ。あー、そうだったのか!的なかんじで。
※こんな特殊体質の人間が本当に存在したら、第一級のテロリスト/危険人物としてマークされるでしょう。あぶなっかしくてしょうがない!大人になるまで生きてこれたのが不思議です。
※昔の事故シーン。少年ブルースは恐竜の本を読んでいたんですよね。だからあそこでは、タコ足じゃなくて恐竜が出てくるはずでは?とかいっちゃいけないの?
※と書いたんだけど、あとから訂正しましたように、プロローグではタコ足出てきませんでしたよね。失礼失礼。だからアレはやっぱり恐竜だったのかな。
訂正 + 追記(2011年4月4日)
恐竜はぜんぜん関係なかった!「冒頭でサラのママが操縦する飛行機が事故るところで、衝突相手の飛行機がチラと見えるんですよ」という話をメールで教わりました。教えてくれたひと、ありがとう!
おぉおおおおお!ほんとだ!ぜんぜん気づかなかったよ!よく気づくなあ。これ↓
でも、こうなると、また別の疑問が生じてくるような気がするなあと思えて、あれこれ考えだすと頭がこんがらがってきますなあ。このあたりを読みつつ↓
もう少し考えてみました。んで、新たに思いついたんですが、冒頭のシーンで、少年ブルースのパパと操縦するサラのママがこういう会話をしているんですね↓
ブルース父「子供の想像力てのは大したもんですな」
サラママ「わかりますわ。うちの娘も同じ年頃なんですの」
ブルース父「こんどふたりを会わせてみましょう。わっはっは」
少年ブルースはこの大人同士の会話を聞いただけで、会ったこともないサラに恋をしちゃったんだろうかっておもいました。彼の特殊体質は「恐怖が具現化する」というもんですが、見知らぬ少女に恋をするってのは恐怖を伴うものだろうから、それがピピッときちゃって、衝突事故が引き起こされたとして、んで、その後、彼は大人になってから、別のかたちでサラと出会い、恋をして、んで、大昔に自分が犯した過ちを是正することができたっていう意味なんだろうか。パパママのことを思い出すと同時に、ですね。
なんて思ったりして。。なんかすごいロマンティックですねえ。いや、勝手な解釈なのでハズしてるかもしれないですが。
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